ポルカの街中で猫獣人たちが共同生活する元・宿屋、通称猫屋敷に集まったのは……ルナ、アゼル、リゼル、マローネ、キュート、そしてセボリーとグロリアさん。ミリルは仕事とディゴ爺さんをなだめるために残ったらしい。
 というわけで食堂(宿屋として作られたものなので広い)に八人集まらせて、今日はどういう趣向にしようか、とラフに話すところから。
 普通に全員ケツを出せ、で始めてもいいんだけどせっかくだしね。グロリアさんもここで見たものを描くつもりで来たわけだから、少し凝った形にしてもいいじゃないか、ということで。
「少しなら遠出してもいい。遠出といってもセボリーとキュートの夜仕事もあるから、せいぜい街が見えないくらいのところまで飛ぶ程度だけど」
 もちろん「ヤリ部屋」とドラゴンの翼を使用しての話だ。そっちに話が転がればすぐにマイアかエマが駆けつけてくれるだろう。
 街が見えないところまで、なんて言っても地平線の彼方というほどではない。ポルカ周辺の平野はなだらかな丘が波打っているので、それを一つ二つ越えればいいだけの話。それでも街のみんなの干渉や風評は防げるし、夏の青空の下でおおらかに乱交するのは涼しい北の大地ならではの爽やかな過ごし方と言える。いや乱交に爽やかも何もないだろ、というツッコミはグッとこらえる方向で。
「んー、遠出はどっちでもいいにゃー」
 双子の髪の長い方、アゼルは唇に指をあてて考える。というかあんまり興味なさそう。
 比較的短い方のリゼルもうんうんと頷く。
 それに対しセボリーが一応という感じで意義の説明にかかる。
「場所を変えるって結構大事だよ? ポルカだとどうしても邪魔が入りやすいし、途中でお開きは嫌でしょ」
「んー、でもこのお屋敷にはあんまりヒトこないからねー」
「こどもたちはくるけど、招かれないで勝手に中に入っちゃダメって親にきつく言われてるらしいし」
 ……ああ、言われてみればそりゃそうだよな。
 アゼルやリゼル自身の住居は違うが、この猫屋敷は猫獣人の全体的に無防備で常識の怪しい女の子ばっかりの共同住居。女子寮みたいなもの。
 いくら子供といえども、気軽に出入りしてしまうのは教育に悪い。
 いや、着替えやセックスに出くわすかもしれない……といった直接的なアレ以前に、こういう領域に出入りすることは女性というものへの距離の取り方を誤認してしまいかねない。
 まあ、訪問するのが女の子ならアリかな……と思いもするが、俺が親ならそれも危険と考えるよなあ、と思い直す。ほとんど俺のお手付きだし、そっちのイカレた常識に幼女が不用意に触れるのは阻止すべき事案だろう。
 ということで、ここはある種の聖域であり、よほどのことがなければ人が踏み込むことも立ち聞きされることもないわけだ。
 そうなれば邪魔される心配というのはない。
「それに気分を変える……みたいなのも、あたしたちだとねー」
「そもそも混ぜてもらえないことのが多かったし」
 二人は最近ようやく正式に雌奴隷になったが、それまではゲストみたいな扱い。
 気分を変えようなんていう話以前に、元々チャンスが少なかったのだ。
 となれば、細かいことはいいからとにかくエッチしようよ、という気持ちが強いのもわかる。
 ……それに特に年若い猫獣人娘は男に触れる機会が少なくて羞恥心低いしな。ロケーションを変えることにさしたる意味を感じない、という部分もあるのかもしれない。
 これまで黙っていたルナがそこで口を開いた。
「趣向なんか気にするのも、グロリアのためでしょ。グロリアがなんか描きたいっていうなら、いっそそっちに合わせたらいい」
「え、ええー……」
 グロリアさんは困惑した顔をした。
「私も別に腹案なんかないんだけど……盛大にエッチが始まるなら何かインスピレーションになるかと思ってただけで」
 うーん。よくないな。
 このままでは発端の押し付け合いが始まりそうだ。
 エッチ前に話がこじれてテンション下げるのは避けたいんだよな。
 ここは何か強引なことを言って場をまとめてしまおうか……なんて俺が腰を浮かせかけた時、おずおずと手を挙げたのはマローネ。
「あの……ちょっと思いついたというか、変な妄想かもしれませんけど……」
「?」
「どうせなら……ほ、本気でエッチなのを描いてもらうのって、いいかも、って……」

 考えてみればグロリアさんは常に何かに「配慮」しつつ筆を振るっている。
 タルクでのヌードスケッチ会でも変態志向はなしにして、あくまで裸だけ。
 エロ絵巻的なストーリーをつけるにしても、本人とわかるほどには似ないように。
 つまり。
「誰にも遠慮なく、ド直球のを描く……って、確かに言われてみると意外とやれないわねぇ」
 言い出しっぺのマローネが実演。
 俺に背面座位で抱えられ、ちんこの刺さった股を広げられながら少し引きつった笑顔をグロリアさんに向ける。
「こ……こんな感じで、何も隠さずに……ご主人様にハメられてるところ、描いてもらう感じで……♪」
「顔もそのまんまでいーの?」
「はいっ……私だってわかるように……私がご主人様に、思い切り犯されてるところって……誰でもわかるような……っ♪」
 言いながらゾクゾクと快感を得ているのが、まさに密着して膣奥までがっちりと挿入している俺にはよくわかる。
 この子ってこんなに変態性癖強かったっけ……というのは少し気になったが、そのマローネを見るみんなの視線が「なるほど」と納得しているのを見て何とか理解した。
 これは彼女の特別な変態性癖ではない。
「赤裸々に雌奴隷としての幸せな姿を残してもらう……自慢の種になりますよね、そういうのなら」
「タルクで裸だけは描かれたけど……そっか。これなら描かれたいかも」
「おー。おねーさん絵上手いー」
「早いー」
「にゃー」
 首輪を誇るのと同じ。
 雌奴隷たち的には、俺との濃厚なセックスで幸せになっている姿を絵に残されるのは恥ではなく、むしろ雌奴隷としての自己認識を満足させる誇らしい行為。
 これを外に出す必要なんてないのだし、雌奴隷同士の間で見せ合う前提なら、どんなに淫らな姿であれ恥じ入ることなんてない。
「ご主人様っ……せっかくですし、おまんこにザーメン化粧……お願いしますっ……♪」
「それにはちょっと激しく動かないと」
 さすがにただハメてるだけで射精するのは難しい。アイリーナやヒルダさんのおまんこならまだしも。
 しかしモデルやってるのに動いていいものか。
「だいたいは捉えられてるから動いてもいいわよ? むしろ一番艶っぽい瞬間を描き込むから」
 グロリアさんはキャンバスに筆を走らせつつ許可してくれる。
 この人にとっては細かい部分の観察は重要じゃないのだろうか。……いや、それこそ何十年も裸婦画だけ描きまくってきた人だ。体の細かいところがどうなるかなんていうのは経験で補完しきれちゃうんだろうな。
 そのうえで魅力が煌く瞬間を目に焼き付けて再現するのだろう。素人や半可通が勉強のためにやるヌードスケッチとは、見る部分が違っているわけだ。
「それじゃ失礼して……マローネ、激しくするぞ」
「はいっ……思いっきり、お願いしますっ……んはぁっ♪」
 マローネの体を揺すって躍動させる。その一番いやらしい瞬間を捉えようとじっと見ている目がある、それだけで感覚が少し違う。
 腕の中で縦に揺れ動く猫娘の体が、いつもの乱交時よりもずっと猥褻な存在として意識される。
 いや、それは「いつも」がおかしいんだ。セックスはもちろんただそれだけで猥褻で、さらに仲間とはいえ他人の目がある中、妊娠の過程を見せつけることは普通あり得ない。そんな真似をしろと言われたら泣いて嫌がる女の子の方が普通なんだ。
 だが、あのコロニーに育ち、またドスケベな俺への忠誠に身を焦がし、ライラやセレンたちが規定した雌奴隷ハーレムという異常空間を受け入れてしまったマローネは、俺に孕まされる姿をジッと見られ、絵画として後代に留められることを疑問に思うことはない。
 マローネだけではない。
 順番を待ちながら流れを観察しているルナも、アゼルもリゼルも、キュートも、バーバラも。
「……ん?」
 あれ?
 ん?
 ……えっと?
「……バーバラ?」
「えっ。……あ、なんでしょう」
「いや、なんでいるの!? いつから!?」
「最初からいましたけど……」
 えっ。だって確か八人しかいなくて……ルナ、アゼル、リゼル、マローネ、キュートで五人……それにグロリアさんとセボリーで七人で。
 あっ。一人多い。
 ……最初からいたんだ?
「大丈夫ですっ。その、えっと……ご主人様なら、私」
「大丈夫じゃないからバーバラは遠慮して!?」
 ハメた上にそれを絵画に残されたらキールに刺されても文句言えなくなる。
 ……なんて言いながらも、マローネの膣内にはゴポプッと音が立つほど精液を噴射して。
 ゴクッと生唾を飲み込むバーバラ。
 そしてグロリアさんはそれを横目に見つつ。
「……あとで脱いでカラダだけ確認させてもらえたら、実際ハメなくても絵にはできるけど。記念に一枚描いとく?」
「えっ……あ、あの、お金かかります?」
 え、そこ今気にするのバーバラ?
 いや違った。
「事実無根で俺がキールに殺されるからやめて本当に!」
「ドラゴンあんなにいるのに殺されやしないわよ」
 いやグロリアさん。そういう問題じゃなく。
 ドラゴンパワーで寝取ったら本当に俺、悪党じゃないですか。別に寝取りたくもないのに。

(続く)

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