空の旅は長く退屈だ。
そして、馬車の椅子は概して座り心地が悪い。
綿入れの座面なんて望むべくもなく、背もたれに長時間身を預けていれば、そのうち骨がゴリゴリする部分が痛くなる。
尻だって、浅く座ったり膝を上げたりと行儀の悪い真似をして負担を軽減しても、固い木の平面に一日座り続ければ無事で済むものではない。
それを思えば、広いベッドに寝そべることによる快適性の向上は絶大だった。
当然、全身で寝そべった方が体に負担が低いのは言うまでもなく、スプリング構造を採用したのでクッション性もある。
多少の浮揚感や傾き、加減速はどうしようもないが、ベッドからいくつか突き出した逆U字の手すりがあるおかげで、急な動きでどこまでも転げるという心配もない。
「時間はたっぷりあるし、エッチは慌てずにしばらく寝心地を楽しもうか」
「え。いきなり始めてもいいのよ?」
ベッドの端に座っているミラさんが、褐色の綺麗な背中のラインを見せつけながら振り返って言う。
「むしろ最初からハメっぱなしのつもりで乗ったんだけど?」
「いやいやいや、ミラさん少し落ち着きましょうよ。せっかく寝ながらドラゴンで大旅行できるんですよ? スマスソン十人長もああ言ってんだし、ここは慌てず」
「寝るのなんていつでもできるじゃない。っていうか、シないならなんのためにみんなで丸裸になってるの?」
諫めるナリスに首を傾げるミラさん。
この人、三姉妹で一番冷静な大人に思えるけど、エロへのハマりっぷりで言うなら一番なんだよな……。
「むしろ寝るなら突っ込まれたまま寝たいくらいなんだけど」
「それはみんなそうでしょうよ!」
ナリスは小気味よく言ってしまってから小さく視線を外し、咳払い。
「お、おほんっ。……い、いや、そうじゃなくてですね?」
「あなた、そういうこと言っちゃうタチだったっけ?」
「口が滑りました。いや、うん、言い直します。それは私以外みんな多分そうでしょうよ!」
「……自分を除外していいの?」
「い、いやっ、まあ積極的にスマイソン十人長がハメさせろと指名するのであれば、まあ準備もしてありますし応じなくもないですがね? 寸暇を惜しんで生ハメってのはどうかと思うわけですよ」
なんだか妙に言い訳がましいナリス。
イジり要員のテテスもいないので、なんというか調子の出ない顔をしている。
まあ、それが狙いで、コンビ的な相手を外す人選をしているところはある。
雌奴隷を呼ぶ際はいろいろな組み合わせを試してみているが、ほとんどは相性のいい相方というのがいて、一緒に行動させると会話が弾む代わりにそのコンビで完結してしまい、あまり他と交流しない状態が発生しやすくなる。
別に派閥を作ってるつもりはなさそうだし、多くは無意識なのだろう。だが、そのまま放置しているとゆるやかに壁ができたまま過ごしてしまう。
それに、女の子のいろいろな顔を見たくて組み合わせを工夫しているのだ。それぞれ相方がいない状態ではどういう行動をし、どう折り合いをつけ、そして乱交に混ざってどう変化するのか……そういうのを見たい。
まあ、前回ベアトリスとコルティがちょっと仲良くなって思いついたんだけどね。
「ま、そうだな。ゆっくりと旅を楽しみつつ、エッチなことも気ままにやりながら行こう」
「それがご主人様の趣向というならいいけれど。でも、私はすぐにでもオマンコ使われるつもりで待ってること、忘れないでね……?」
ミラさんは、どこか大人びた美貌に確かに情欲の炎を垣間見せつつ、俺の言葉を承服した。
小屋は、ベッドの足の側が前。
寝ている状態から起き上がればそのまま馬車と同じように前を向くことになり、感覚が一番混乱しづらいと思うのでこの向きになった。
逆に頭の側を前方とする運ばれ方もできるし、迷ったのだけど。
何より前方視界はしっかり取りたいので、窓の大きい足元側を前にしたのだ。
前方は、馬車だったら御者台に通じる窓がある。
当然、時速数百キロにもなるだろうドラゴンの輸送中に無造作には開けられないが、今日は魔法の達者なアイリーナがいる。
防風の魔術を四方の窓にかけてもらえば、全ての窓を開け放っても風で室内が無茶苦茶になることはない。
「気圧保護や温度保持の意味もあるからの。夏とはいえ、青蛇の上を飛ぶとなれば、そのまま大気を取り入れれば薄く冷たい空気でまぐわうどころではない」
小さな裸身で両腕を厳かに広げ、アイリーナは空気を保護する魔法をかけてくれる。
そのお尻を無造作に掴んで揉み、その技量を褒め称えよう。
「さすが白の氏族長奴隷だ」
「……間違ってはおらんが、『白の奴隷氏族長』の方が語呂がよくないかのう」
「白全体が奴隷みたいに聞こえるじゃん」
「むう。エルフ語ではそういう意味にはならんのじゃが」
「というか、氏族長と雌奴隷という事実を並べても文句ひとつ言わないのな」
「くくく。言って欲しかったか。じゃが、とうの昔にわらわは奴隷を屈辱だなどという観念は捨てておるのじゃ」
一枚の布すら守っていない生尻を好きなだけ揉みしだかれながら、アイリーナははにかむように、しかしどこか挑発的に笑ってみせる。
「氏族の長にして、そなたの無節操チンポを両穴で咥える雌奴隷。どちらも大変で、誇らしい仕事じゃ。わらわはどちらも恥じておらぬ。氏族の者や父上は顔をしかめそうじゃがの」
いたいけな体で、めいっぱいの淫乱アピール。
「誇るもんじゃないですよ……今さらですけど」
「くく。結局雌奴隷を受け入れたそなたの言うことではないのう♪」
「や、ややっ、これは単に! ……こういう全裸イベントに混ざる時に常々必要だと思ってましたし!」
ナリスは脱いでから律儀に着けた首輪を両手で掴んで必死に説明する。
「実際のところ、みんな同じ恰好してるところに首輪一つとはいえ未装備で混ざるとなんか妙に恥ずかしいんですよ! ダンスパーティに裸足で混ざっちゃってる的な感覚わかりますかね!?」
「ディアーネはずっと首輪なしじゃろう?」
「ドラゴン相手に物怖じしないどころかガチで殺っちゃう剛の者と同じ精神力をこの私に期待しないでいただきたい! ……そ、それにまだ雌奴隷は受け入れてませんぞ! これ外したら全くの無関係ゾーンだというのはスマイソン十人長も了承済みの公式設定ですし!」
公式設定言うな。
「そこまで言い訳しながら乱交には混ざりたいというのがわからんのう」
「べ、別に乱交がいいってわけじゃないやい! ただマンツーのエッチを頼むムードがなかなかないだけですし!」
「ムード待っとってできるわけないじゃろう。むしろ何の予告もなくいきなりマンコ使われたい変態女が何十人もおるのに」
腕組みしながら尻を執拗に揉まれるのを我慢するアイリーナ。
俺は興が乗ってその尻穴に唾液を塗った指を押し込む。
「っ……尻を犯す気か、スマイソン殿」
「いいだろ?」
「……構わんが、立ったままはナシじゃぞ。絶対に膝が持たんわ」
あっさりとアナルセックスを了承する美少女氏族長。
それを見てナリスは反論を続けるのか、俺の変態ぶりに矛先を変えるのか迷った様子で、唇をパクパクしながら視線をさまよわせ。
「……あ、アナルは私は駄目ですからね!?」
「……混ざるの?」
「まっ、混ざるつもりだからこんなモンつけたんでしょうが! いまそういう話でしょうが!」
なんだかテンパりつつもアイリーナの横に寄ってきたナリスだったが、アンゼロスがちょっと早かった。
「混ざるのはいいけど、僕たちだって待ってることは忘れないでよ」
「うっ」
「……あと、僕はアナルありだよアンディ。テテスだと思って犯してほしいな……♪」
大胆なことを言うアンゼロス。ナリスが真顔になる。
「お尻ブッ壊されますよ?」
「え、い、いや、僕経験あるし」
「テテスちゃんの尻をナメちゃ駄目ですよ! あれ本気でアナルに10連発カモンとか思ってる子ですよ!? 妊娠セックスもできればアナルでしたいって言ってるの聞いたことありますよ!?」
「う……」
怯むアンゼロス。
というかちょっと引くよねそれ。アナルで妊娠セックスってなんだ。考えるほど怖いぞ。
「そもそも俺がブッ壊す前提で話を進めないで欲しい」
ベッドの端に腰かけ、アイリーナを膝に乗せる形で尻穴に挿入しつつ、真面目に反論。
今回は単にゆっくりとこの小屋の使い心地を確かめつつのんびりとだな。
……幼女のアナルに無遠慮にちんこ突っ込むのはプレミア感強くて魂が震えますね。はい。
「んふぁ……あ、くふぅっ……♪」
背筋を反らせながら、どこか得意げにアナル挿入に耐えるアイリーナ。
……いつの間にかそんな俺たちの背後近くに寄ってきていたローリエが囁く。
「……私のお尻ならブッ壊してもいいよ。多分……霊泉で治るし……」
「おい」
「……そういう刹那的なの、嫌いじゃないよ……♪」
アイリーナよりもさらに幼いプレミア幼女がさらに危険な誘惑を口にし、アイリーナはその興奮を直腸で感じ取りながら不機嫌な声を出す。
「わ、わらわの尻にハメながら他の女の尻穴壊す想像なんぞするでない……っ」
「だからなんでそんな壊す前提なんだよ」
変な願望を事実みたいにして話を進めないでくれ。
ちょっとだけ、ちょっとだけ想像して興奮しちゃったのは事実だけどさ。実際そんな痛々しそうなことやる勇気はない。
……そして、そんなことをゴチャゴチャ言っている俺たちをよそに、せっかく防風結界を張った窓はシャロンが景気よく全開にしていた。
「っ……視界が広い、気持ちいいですっ……♪」
大空と、高い山脈。眼下の雲。
それらを前に、裸で両手を広げて解放感に浸る爆乳エルフ姫。
空のバカンスは始まったばかりだ。
(続く)
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