シルバードラゴンの美しい銀の髪は、それだけで彼女らに他と一線を画する存在感を与える。
 老いによる白髪をシルバーと呼んだり、色の薄いプラチナブロンドを銀と言ったりするが、そういうものとはまた違う「冷たく、美しい銀」だ。
 雌奴隷の中でもアイリーナやルナ、ヒルダさんたちなどの銀色は比較的フワッとした印象で、あくまで動物性の色。しかしシルバードラゴンの銀髪はなんというか鉱物的で、そのまま一本取って「極細のワイヤーだ」と言われたらそうかと思うような存在感がある。そもそも素材として違うのだろう。無造作にしていても荒れた印象は全く受けない。
 長くたおやかなそれに彩られたレイラの落ち着いた美貌は、人の街を歩けば誰をも恍惚とさせる魅力がある。
 エマやリェーダが美しくないということは全くないのだが、彼女らにはない余裕がレイラにはあり、黙っていても滲み出る上品な知性が相手の安心を誘い、美しさへの素直な注目と感慨を呼ぶ。
 要するに「綺麗だけど扱い辛そうな子だ」なんて思わせない。硬質な美髪の印象を補って余りある大人の余裕が、ただただ「綺麗な人だ」以外の不純物を浮き上がらせないから、みんなうっとりしてしまうのだ。
 そんな美女が真っ白な裸身を晒して、俺のちんこに貪欲に尻を押し付け、膣内に誘い込んではしたなく乱れている。
 実の妹の目の前であるにも関わらず、情欲に燃え盛る姿をさらけ出し、自分の子袋に男の子種を吸い出そうと、リズミカルに身を躍らせる。
 首輪のみを身につけ、淫欲を真っ向から肯定して夢中で腰を振るうさまは、普段の穏やかで知的な印象を塗り替える。
「妹も淫乱だが、お前は筋金入りだなっ……! 雌奴隷になるために生まれてきたようなスケベさだ……!」
 極上の肉体の感触を好きなだけ楽しみ、ここまでの過重な腰運動で吹き出た汗を無垢な肌に塗りつけるようにしながら、俺はレイラを嘲る。
 本当はドラゴンなのだからわからない。強大な力を持ちながら、誇りのためなら躊躇なく死ねる彼女らの事だ。淫乱に「なってみせる」くらいは、その覚悟をもってすれば全く不可能ではないだろう。
 だが、俺はそれを知りながら無視して調子に乗る。遠慮なんか求められていない。他の雌奴隷と同様、いやそれ以上に、ただただ性欲をぶつけることが彼女らの求める扱いなのだから。
 竜としての主人はライナー。だが、雌としては俺だけに全てを捧げるという姉妹。
 勿体ないことをしたもんだ。こんなに最高の雌たちに心身捧げられておいて、なんで一発ずつハメることすらしてなかったんだ。
 ……いや、実は気持ちはわかる。ちょっとだけ。
 今の俺が異常なんだ。本当はドラゴンってのは本気になればポルカ丸ごと滅ぼすのに数分しかかからない怪物だ。なんで気軽にちんちん突っ込めるんだ……と、ライラに出会う前の俺なら言うはずだ。
 俺は結局どうかっこつけてもセックスくらいしか提供できないスケベ野郎でしかなかったし、ライラもあの調子だから結局すぐにセックスしまくることに慣れちゃったけど、ライナーはライナーで彼女らの正体と外見のギャップをなかなか埋められなかったんじゃないかと思う。
 シャリオには手を付けたといっても、ちょっとしかヤれなかったみたいだし。
 あいつもカッコつけてはいたけど若かったから、本当ならこんな、見た目も感触もタフさも最高の女体を自由にできるとなったら、猿のようにヤリまくって然るべきだろう。
 だが、数度味見をして終わり。
 結局あいつは、雌ドラゴンたちを心底まで信用することができず、互いに据わりのいい関係に置き損ねたままだったんじゃないだろうか。
 なまじに一人でも歴史に残れるほどの才能を持ってしまっていたのもあるだろう。中途半端な距離感のままでも、意思疎通がうまくいってなくても、なんとかなってしまった。
 だから、彼女らを「忠実な化け物」という認識のまま過ごしてしまって……結局、その英雄性への期待がドラゴンたちからもカールウィン内からも膨れ上がったまま流れが起きてしまい、本当にはドラゴンたちを掌握できないまま、終わった。
 今更同情なんてしても意味はないけれど、哀れな奴だったな、という想いは強くなっていく。
 あんな力を持って、あれだけ尊敬されて、期待されて……なのに俺なんかにしてやられて。
 ……そして、いつでも手を出せたはずの極上の雌たちを食べ損ねて、その雌たちを俺に寝取られて。
 同情しながらも、心のどこかで浅ましい優越感と、彼女らを食べ残してくれてありがとう、という不謹慎な思いも湧いてくる。
 なんだかんだで魅力的なのは間違いないのだ。他に相手してくれる雌奴隷がいくらいたとしても、彼女らを味わうことなく死なせていたら、きっと俺にとっては損失だっただろう。
「はぁ……あ、ああ……っ♪ 私、今……満たされていますっ……♪ 雌として求められることが、こんなにも……っ♪」
 レイラは力強く腰を返しながら、心底から、という蕩けた声を出す。
 彼女もまた、「本来身を捧げるべき主とは違う相手」への奉仕に背徳と高揚を感じているんだろうか。
 ……彼女のあらゆる言動に、表情に、俺は愉悦と優越感と背徳と疑いをない交ぜにした感情を抱く。
 きっとこれからも、ずっと「気にしても仕方がない」なんて自分を慰めながら、俺はこの感情を抱き続けつつ彼女たちを犯すんだろう。
 肉体的な快楽に追い詰められ、ほんの少しだけ苦みのある感情に精神を毛羽立たされながら、俺は結局「誓いの中出し」を素直に敢行する。
「出るっ……く……あっ……!」
「はい……出して、刻んで……この雌穴は……この胎は、あなたのものですっ……♪」
 快楽が突き抜け、栓を勢いよく抜くように射精する。
 彼女のムッチリと成熟した尻を掴み、その膣穴の奥を圧迫するように押し付けながら、精液を好きなだけ吐き散らしていく。
 隣で待つコルティをちらりと見れば、精液まみれの自身の下半身を未だに突き上げたまま、どこかぼんやりと焦点を失った目で姉を眺め、ゾクリと身を震わせている。
 なんとなく直感する。姉の絶頂体験に、自分が味わったばかりの快楽を重ねて反芻しているのだ。
 本当に……まったく本当に、呆れるほどの雌奴隷ぶり。まだ処女を失って何週間も経ってないのに、このエロさだ。
「……なんか、こんなの見せられたら……もう一回、ハメられたくなっちゃうな……♪」
「大したスケベっぷりだよ」
「……えへ。だって今日からアンタ専用の歩くエロアイテムなんでしょ、私たち♪」
「実はお前たちだけじゃないんだ、それ」
 一応、顔を立てるために横目でちらりと見たら、リェーダとコスモスさんが我が意を得たりという顔をして頷いていた。それでいいのか君ら。……いいんだろうな。
 他にも「え、私違うの?」みたいな顔してるのが数名。ヒルダさんとかテテスとかマイアとか。
 皆さんエロアイテムを自称するのはほどほどにして、もう少し実生活を大事にして下さい。俺は持続可能な未来が大事だと思うのです。

 アップルやジャンヌ、フェンネルたちに、ドラゴン娘たちの身体を拭かせる。
 拭かれることに少し抵抗を示したりするのもいたけど、まあ不潔なのはよくない。精液まみれにはこれから毎日……とはいかないけど頻繁になってもらうし。
 それにしてもすごい数だよなあ、と改めて思う。俺一人のために裸で集まってくれている女性たち。
 巨乳も貧乳も、白肌も褐色肌も、獣人もエルフも、聖獣も。
 いずれ劣らぬ美女たちがみんな、この場限り、一時雇いの娼婦なんかじゃなく、全員本気で俺の子を何人でも作ろうとしている……なんて。
 本当にとんでもないハーレムになってきたなあ、と思う。
 特に記録とか目標数とか目指してないし、セレンとディアーネさんを選べなかっただけのところから始まったというのに、いつからか当たり前のように増えて増えて……止まらない。
「ほ。こやつらまで奴隷にしたとなれば、青蜥蜴どももいずれ黙っておらんじゃろうな」
 いつの間にか隣にいたライラに言われて、そうかもしれないな、と天を仰ぐ。
「ドラゴンあんまり増やしまくるのは各方面に負担かかりそうで気が進まないんだけど……」
「四頭の本契約、二頭の雌穴契約。ここにまた二頭や三頭増えたところで大差はなかろう。何より竜は至高の力よ。胡乱な他者の都合が我らの契約を阻むのなら、遠慮なく滅ぼすべきじゃ」
「過激なこと言うなよ。だいたい、俺はもう兵士引退だから危ないことはしないし、ドラゴンの力なんかいくら増えたって使ってやれないんだぞ」
「ほ、なおのこと良いではないか。実質無意味な数じゃというなら、増えても大差なしじゃろ。それでもそなたさえ良ければ飼われたい、と連中は言うじゃろうて」
「……お前何の理由があってそんなにドラゴン増やそうとするの? 分け前減るだろ?」
「我はどちらでも構わぬが、当然の予想を言っておるだけじゃぞ」
「…………」
 どう聞いても増やそうとしてるように聞こえるよね。
 ……うーん。でも実際、世話にはなってるしセックスもしてるんだよなあ、ブルードラゴンの女性四人。
 リェーダみたいな調子で雌奴隷にしてるとバレたら、もう自分たちも資格アリだと言ってきそうではあるよな。
 拒みきれるんだろうか。マイアママに露骨にがっかりした顔されたら俺は耐えられるだろうか。
 ……ちょっと自信なくなってきた。
 と。
「……それで、だが」
 ふと振り向くと、最後にポツンと残った形のシャリオ。
 途中で切れ、傷口も皮膚化してしまった腕を、もう片方の腕で揉むように握りながら、なんだか居心地悪そうにしている。
「……私には何もないのか?」
「……ええと」
 彼女は……うん。
 正直、爪弾きにしたら悪いな、ということで呼んだに過ぎないのだけど。
 なんかノリで数に数えちゃってたけど、彼女に首輪着用を迫る理由はない。決して恨んではいないが、だからといってセックスを迫るにも理論武装が何もない。
 しかし、お開きムードになりそうな俺を見てなんだか不満そうにしている。
 どうしよう。でも彼女には即興でも首輪は出せないよな。
 ライナーも手を付けたから今度は本当に正真正銘の寝取りになってしまうし、コルティたちみたいな雌奴隷化の義務もひねり出せない。
 どういう言葉をかければ正解なんだろう。
 彼女のおっぱいを見つめながらしばらく悩んで。
「……じゃあせっかくだからお前もセックスする?」
 本当に何言ってんだ、と自分で突っ込みたくなるようなことを口にしてしまった。
 何がせっかくなんだ、何が。
 そしてシャリオはそれを聞いてこっちの目を見つめ返し。

「……やぶさかではない」
「え」

 絶句するような返事をしてきた。
 いや、待って。どういうつもりなのお前。

(続く)

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