グロリアさんとコスモスさんの番を終え、セレモニーはついに最終局面に入る。
 残るはシルバードラゴン。それも五頭。
 ……改めて考えると剛毅とかそういうレベルの話じゃないよなあ。
 しかも当初から好意的だったのはエマだけで、レイラやコルティ、シャリオはもちろん、リェーダさえ元々はこちらを襲う敵だったわけだし。
 既にライラたちを配下にし、ミスティ&クリスタル・パレスでだいぶ好き放題しておいて気後れなんかするのもおかしい話だけど。
 目の前で神妙に待つ五人の極上の全裸美女と美少女を改めて眺め、彼女らにけじめをつけると思うと少々身震いするところはある。
 未だに、俺はドラゴンライダーの器として正しい人間なのかというと、自覚的にはいまひとつだ。
 人として能力が低いのはもちろん、ドラゴンの大きな力やその歴史に対する理解や共感も、決して進んでいるとは思っていない。そもそも「盟約」の内容もまだまだ把握できてないところばかりだし。
 なのに、調子に乗って次々に契約しようとしている自分はどうなんだろうと思うところはある。
 ルーカス将軍と戦った時には「女をコレクションのように集めて悦に入る奴なんて」と唾を吐いた覚えもある。
 雌奴隷たちとはそれぞれに絆を深め、その証として首輪をあげてきたつもりではあるが、このドラゴンたちに首輪をかける行為はまさに「コレクション」に近いんじゃないか、と思えてしまう。
 彼女たちの納得だって要は「盟約」を介したものであって、俺個人を慕ったライラやマイアとは違う。
 他人の立場で意地悪く見れば、俺はルーカス将軍があの時アンゼロスに迫って成功した後の姿になるのかもしれない。最初はぶつかったが道理を説いて渋々納得させ、ベッドに上げているうちに女の喜びで完堕ちさせた……と。
 ……ちょっと気分悪いな。アンゼロスがルーカス将軍に結局堕とされる想像なんて、字面だけでも。
 でも、ライナーから見たらそんなものだろうな。
 今から自分を慕った竜たちを寝取り、一生涯の雌奴隷と誓わせる。その所業はきっと、まだギリギリ結ばれてなかったアンゼロスに手を出したルーカス以上に最低だ。
 ……だが、と、俺は深呼吸して心拍を抑えながら自分を叱咤し、気持ちを固める。
 それでも俺はレイラたちを生かそうと決めた。
 殺そうとなんて思っていない美女が、みすみす死んでいくのを見過ごさないと決めた。
 ここでヘタレることはさすがに許されない。たとえライナーがどれだけ墓の下で恨んでいようと、俺は彼女らの運命を変える。それが勝者の権利であり、ドラゴンライダーという「ドラゴンの正義」を預けられる者が振るっていい権利だ、と主張しなくてはならない。
 俺はドラゴンたちに「委ねられた」者だ。ドラゴンたちが作った掟の、単なる代弁者じゃない。
 もしも俺がこのドラゴンライダーという権力を手にしたことに意味があるなら、こうして掟では救えなかったはずのものを救うことがそれだ。
 だから、この空前の「最低な寝取り」も、断固としてやり抜こう。
「それじゃあ……シルバードラゴンたち、出てきて」
 五人に手を広げ、彼女らを中央に招く。
 ついに、と勇んで出てくるエマとリェーダは、血縁はないはずだが姉妹のよう。その後ろからおずおずという感じで進み出てきたレイラとコルティは多少周りの視線を気にしているが、腕組みをしながら最後にレイラの隣に来たシャリオは泰然自若としていた。
「お前たちにも、首輪をかけようと思う。本当はクリスタル・パレスで身内の監督の元でやるべきなのかもしれないけど」
「もはや身内にも長老たるガラム殿にも承認され、あなたに委ねられた身です。お気になさらず」
「同じく。事後報告で充分でしょう」
 いつもはお嬢様縛りの髪を解いたエマ、そして同じく左右非対称な縛り髪を全て流したリェーダが前のめりに言う。
 確かにそうなんだけど、マイアの時にはミスティ・パレスで生セックスを肴に酒盛りされたからね。他でもそういうのが掟だったりしたらと思ったのだった。
 まあ、そうだとしても別に従う義理もないか。特にエマ的には最初からもう契約のつもりだったわけだしな。
「エマ」
 俺はカウンターに用意した首輪のうち、青いものを取ってエマ見せる。
 エマは緊張した顔で頷き、跪き、自ら髪を指でまとめて持ち上げて、首筋を露わにする。
 ……改めて、本当に綺麗な娘だ、と感嘆する。
 淡く輝くような白い裸体は決してグラマラスとは言えないが、首筋を見せるこのポーズで余計に儚く、そして扇情的に見える。
 銀糸の髪も本当に生き物の毛なのかと感嘆する美しさ。もちろん顔はエルフたちにも負けず劣らずの美少女で、どんな都会でも、社交の場でも、男なら決して放っておけない愛らしさだ。
 そんな少女が受け入れるのは愛玩奴隷の証。
 強大な力と傾国の美貌を持ち合わせながら、自ら望んで、俺の性欲の捌け口のひとつになろうとしている。
「あの時……リェーダと一緒にパレスに行って、傷ついたまま閉じ込められていたお前を見た時は……こんなことになるとは思ってなかったけどな」
「私は……」
 ゆっくりとした手つきで首輪をつけてやると、エマは伏せていた目を上げる。
「私は、少し……思っていました」
「そうか? でも、エロ奴隷にされるなんて思ってなかっただろ?」
 苦笑半分で言うと、エマは少し赤くなりながら、それでもじっと見返し。
「……そうでも、ありません」
「?」
「竜は……乗り手にあらゆる奉仕をするものですから。……あなたが偉大な乗り手であるなら、そして若い人間であるなら……いずれは、貪られるでしょう。そのことをまったく意識できぬほど……私も、愚かではないつもりです」
「でも、俺がここまで盛大なドスケベ野郎だというのは想像できてたか?」
 両手を広げる。周囲には四十人もの、中には精液で汚れた裸の女たち。
「……していなければいけませんでしたか?」
 エマは少し口を尖らせる。
 なんと答えて欲しいのだ、と言わんばかり。
 今さらだ。そうだ、今さらなのだ。
 俺は普通なら驚くほどのスケベ男。
 だけど彼女たちにとっては「想定内」。驚くほどであったとしても、ドラゴンの権勢の使い方としてはささやか過ぎて問題にはならない。
 ライラがたびたび、女を手当たり次第集めて犯し尽くすくらいは、ドラゴンライダーに許される権力としては当たり前だ、と言っている。
 だから、俺が人間としては度外れの精力と性欲を持っているとしても、それは「予想以上」のことではない。
 それこそドラゴンがセックスし続けようとすれば一晩二晩ではない。何日、いや何か月だってヤリ続けられるのがドラゴンだ。雌だってそうなのだから雄も同じことだろう。「ドラゴン的性豪」に比べれば俺はまだまだだ。
 だから、自慢するような物言いにおもねり、褒めそやしてほしいのか呆れて欲しいのか、と彼女は困惑している。
 ……そんなことに今さら気づくんじゃ俺も駄目だな。
 っていうか、本当に何と言ってほしかったんだ、俺。
 ……結局、大それたことをやっているという実感が欲しいだけかもな。
「悪かった。……お前もこれから、このドスケベ男のハメ穴要員だ。いつでもどこでもハメまくられる玩具のひとつだ」
「……ええ。光栄です、主様……♪」
 エマは微笑み、頷き、そして俺が近付けた唇にキスを返す。
 マイアより少し年上に見えるということは最低でも六十歳以上、俺の親どころか死んだ爺ちゃんにも近い歳のはずだけれど、その凛とした美しさと可愛らしさの狭間にある美貌は、どこか罪悪感を覚えるあどけなさを孕んでいる。
 そんな少女を、今日からは正式に「雌奴隷」にする。
 セックス最優先の生活をすると誓わせ、俺の命令でいつでもいやらしいことを何でも受け入れると誓わせる。
 何度も何度も繰り返してきたことではあるけれど、この瞬間の冒涜感と征服感を心地よく楽しみながら、俺は少女を押し倒す。
「誓いの中出し、だ」
「はい……誓います、これからずっと永劫に、あなたの……主様の、膣内射精を……っ♪」
 エマが喋っている途中から、その細い足を掴んで股をくつろげ、淡い銀毛がささやかに生えた股間の裂け目に、ちんこを強く押し付け、ねじ込み始める。
 ウチの雌奴隷たちの中では珍しいほどにしっかりとしつつ、従順で有能で甲斐甲斐しいエマ。
 傍目からは若いおじさんとよくできた姪っ子、という感じの年齢差の少女。
 その体内へと生殖器官を侵入させ、繁殖行為を始めながら、それを言葉ではっきりと歓迎させる。
「……膣内、射精をっ……それに口内射精も、腸内射精も、愛し続けると、誓います……っ♪」
「……射精だけ?」
「愛撫も、接吻も、……あなたに与えられる快楽も苦痛も、なんでも……愛しますっ……♪」
 何をするにも模範的で優秀な子だ。
 自分が性欲の捌け口として、何をすればいいのかよくわかっている。
 だからこそ、俺はその白い肌を抱き締めながら、ちょっと意地悪したくなる。
「70点だな」
「え……?」
「大事なことが抜けてるよ、エマ……」
 きょとんと目を見開くエマに微笑みかけて、奥まで到達したちんこをゆっくり抜き差ししながら。
「俺は、淫乱な雌奴隷は大好きだ……でもな、それより何より、ラブラブセックスが好きなんだ……!」
「っ……」
「二人で気持ちよくなるのがセックスだろ……? 射精や愛撫なんて部分の話じゃなくてさ……」
 お前はわかってない、なんて体裁で言ってるけど、ほとんど難癖だ。
 本当は「雌奴隷」として首輪にかけて誓うことに関しては、エマは何も間違ってない。これはそういう儀式だ。
 でも、俺はエマに簡単に正解が出せたと思って欲しくなくて、わがままな答えを肉棒と一緒にねじ込んでいく。
 好きな子に意地悪する幼児のように。
 もっともっと、俺のことを長く考えてほしくて。
「もっとデロデロイチャイチャを愛して……その結果の中出しが欲しいですって、言えよ……!」
「……はいっ……♪」
 キス。ディープキス。
 長い舌に普通の舌を絡め、可憐な唇の中で下品な睦み合いをしながら、少女の肉体を押さえつけて腰を振る。
 手に入れた少女に名前を書き込み、俺だけのものだと主張して、女としての全てを占有宣言する。
「あなたと、愛し合いたいっ……中出しもキスも、何もかも、愛し合う行為全て、この雌奴隷にやり尽して下さいっ……♪ いつも、いつでも……あなたの望むままにっ♪」
「ああ、百点……満点だ、エマっ!」
 そんなに付き合いが長いわけじゃない。心酔してくれてるとはいえ、そんなにディープな精神的関係を築けているとは思えない。
 だけど、俺は彼女にそういう方向を目指してくれ、と示唆する。
 そういう方になら、ひた走ってもいいんだ、と教え込む。
 ベタベタしよう。先輩雌奴隷たちのように。
 そんな欲望に正直になれと、なると、誓って誓わせる。
 まだ一足飛びに本当に愛情と欲望を信じあうのは難しいけど、そのために誓い合おう。
 そんないやらしく情熱的な竜とライダーであろう、と。
 腰を振り、叩きつけ、繊細な美少女の胎内を荒々しく貪って、そして。
「……エマ、イクぞ……お前の中に、思いっきり……!」
「はい、出して……出して、出して主様ぁっ……好きぃっ♪」
 思わずにやけるような甘い声を聞きながら。
 銀色の少女の小柄な肉体を存分に楽しんで、俺は仕上げにその子宮に射精を叩き込む。
「ひ、っっ……ーーーーーーッ!!」
 声のような、吐息のような、甲高い……聞こえなくなるような鳴き声を上げ。
 エマは感極まり、そして繊細な陰唇が無惨な音を立てて白濁を吹き漏らした。

(続く)

前へ 次へ
目次へ