レディはまだ名残惜しそうだったが、彼女にもっと教え込むのは今はお預け。
 次は裸身を見せる中でも特に堂々と、かつ誘惑感ある立ち姿を心得た二人。白エルフ娼婦グロリアさんと、ダークエルフ娼婦コスモスさんだ。
「やっと出番ね。待ちくたびれちゃった」
「残りはドラゴンさんたちだけですし、ちょーっと本気のおもてなしをしてもいいですよね♪」
 あれだな。スポーツ大会とかで一般参加者が熾烈な戦いを終えたところで最後の非公式マッチとか言って「前回の優勝者」とか「全国大会出場経験者」みたいな枠で出てくるヒトたちっているよね。ああいう風格が二人にはある。
 まあ当たり前だ。今までの子たちはいわば初心者。俺以外のちんこなんて触ったこともない、下手したら見たことすらない子もいるだろう。
 それに対し、娼婦の少ないハーモニウムでエルフの抜群の美貌を武器に、数十年も多くの需要に応えて夜のトップアイドルを務めたグロリアさんと、反対に多くの娼婦が割拠するタルクで何百年もキャリアを積み、自分のカラダひとつで性の理想郷を築き上げたコスモスさん。
 どちらも、経験人数も回数も千や万では利かないだろう。短命種ではありえないセックスエリート。アマチュアとチャンピオンどころの差ではない。
「……今さらだけど」
「自分なんかの雌奴隷に本当になるつもりか、というのはナシですよ♪」
「あんまり気負わないでよね。こっちは一番気分よく過ごせそうな立場に混ぜてもらうだけなんだしさ」
 俺の表情から、つまらない僅かな弱気も先回りしてしまう。それくらい男女関係も慣れ、観察眼も優れている。
 改めて、凄い人材なんだよなあ。この二人。
 エロへの深い経験と見識もさることながら、コスモスさんは「起業」と「経営」という、今までうちの雌奴隷たちには縁のなかった分野の知識と経験を多く持つ。ポルカをもしかしたら一番大きく動かすかもしれない力だ。
 そして、コスモスさんに比べればキャリアは劣るが、それでもまともな人間の寿命では不可能なエロ経験値を誇り、その上で絵師として最高クラスの技量を持つグロリアさん。
 これで二人ともえらい美女なんだから世の同業者はたまらないだろう。
 なんかスムーズについて来てスムーズに雌奴隷入りの決断しちゃってるけど、きっと未来の歴史における存在感はディアーネさんにも勝るとも劣らない、そんな二人だ。
 何度考えたって俺なんかが占有していい人たちではない、と思うが、それはもう何十度目の繰り言か。
 ディアーネさんだってライラだってアンゼロスだってオーロラだって、なんならセレンもアップルもジャンヌさえも、俺には勿体ない。この部屋で俺の雌奴隷なんかでいい子なんていない。
 それでも相手が納得してくれるのなら、釣り合わないなんて馬鹿な基準を持ち出すのはやめようじゃないか。
 その代わりに。
「今さらだけど、男の夢すぎるね」
 くれるというものは、たっぷりと享受させてもらうのが礼儀ってものだろう。
「娼婦で叶う夢なんか、その気になれば金で買えるのよ。もっとも、今この時からアンタが死ぬまではお買い上げ不可になるけど♪」
「ここには、どれだけお金を出しても手に入らないものがたっくさんあるじゃないですか♪」
 二人は申し合わせたようにそれぞれの胸やお尻を魅惑的に見せる曲線的なポーズを経て、俺に絡みついてくる。
「それでも、最高の性戯のプロを二人並べて、金も払わず無制限で奉仕させたい……なんてのは、どんな男も夢に見るもんでしょ」
「正直すぎー。いいけどさ」
「叶うわけですしね」
 くすくすと笑って二人は俺の股間にうずくまり、挨拶とばかりにちんこに左右からキスしてくれる。
「ま、奉仕の見返りで多少の金を握らされるより、この集団に入れてもらう方がずっとアタシにとってはいい環境だからね。ナメるハメるでいいんなら無制限どんとこい。いつでも使ってよ♪」
「私もお金より子宝がいいので、むしろお願いしますから奉仕させてくださいね♪」
 グロリアさんはこの先数十年の安住の地として、そしてエロまみれのモチーフの宝庫として。
 コスモスさんは自分好みの性欲モンスターとして、さらに娼館の天然エロ娘たちをも満足させる秘密兵器として……そして、タルクにおける権力者にも近い、理想的な取り入り先として。
 それぞれ、俺の専属娼婦になることのメリットを見出している。
 二人ともそれを隠さないし、だから俺は彼女らの決断を無碍にもできない。
 ラブラブが大好きと掲げつつも、彼女らにとって利益優先の判断を蹴り捨てることはできない。
 彼女らが女として充分に魅力的で、俺とセックスし続けることが幸せに繋がるというのなら、反発のしようがない。一匹のオスとして。
 でも、将来的には欲張らせてもらおう。
「……きっと、今でも言えって言えば言ってくれるんだろうけど」
「?」
「?」
 娼婦たちは舌を動かし、いきり立ったちんこの皴、肉溝の間にも丹念に舌を這わせて舐め上げながら、少し不思議そうな顔をする。
「いつか、グロリアさんにもコスモスさんにも……本気で『愛してる』って言わせるよ」
「ぷっ」
「……あははっ♪」
 そして、二人ともちんこに頬を寄せたまま笑い出す。
 周りで見てる外野の子たちからもクスクスと笑い声。しょうがないなあ私たちのご主人様は、という感じ。
 わざわざ言わなくてもいいのに、と思う子もいれば、アンディさんらしい、と言ってくれる子もいるのだろう。
 しかし、娼婦からしたらきっと笑わせる話。
 セックスは彼女らにとって売り物。
 本気の愛をその関係から引き出そうなんて、きっと店に毎日通っているお得意さんが、その「通う」という行為だけで店員を惚れさせようとするような話でしかない。
 雌奴隷は、雌奴隷。今から結ぶ契約は、ただただセックスを提供する関係。
 きっと彼女たちの中では、俺はどこまでいってもただの助平で、お得意さんでしかないのに。
「あははは……あー、そうだね、いつか信じさせてやるとしよっか」
「ですねえ」
 二人は声を上げて笑った後、身を起こして俺に迫り、左右から俺の体に絡みついて。
「ふふ。おまんこ安売りしてる女にだって、オトコが老いて死ぬまで傍にいるって誓うのは、そこそこ覚悟のいることなんだよ?」
「まあ、お軽く決めてるようにしか見えないかもしれませんけど。……子供産んであげるのは、愛のない相手にはちょっと嫌です、私だって♪」
「え……」
 娼婦ふたりはニコニコと笑いながら、交互に頬に熱烈なキスをして。
「きっとアンタと他の子たちの間には、御伽噺みたいなドラマがあって、お互いにもう愛があって当たり前だ……っていう確信があるんだよね?」
「それで、私たちとの間にはまだセックスくらいしかないから、きっと愛がなくても納得して雌奴隷になるんだ……って思っちゃってるんですよね」
「……何万回セックスしたってね。このオトコとなら何十年でもいくらでもセックスしていいっていうオトコと、そうでないオトコはあるんだよ? そう簡単に、誰とでもいくらでも、なんて割り切れるものじゃないの」
「それを貴方は愛だなんて、まだ認めないんでしょうけど。……えへへ、私たちもプロですから。いつかこのカラダで実感させます♪ ……本当の愛あるセックスをして、信じたくなるように♪」
 ……どうやら。
 俺は、彼女らの覚悟をあまりにも安く見ていたらしい。
 エルフにとっては数十年の時間なんて軽い話だから、娼婦なら雌奴隷と呼ばれて過ごすのもきっとビジネスライクで割り切ってしまえるのだ、というのは、さすがに馬鹿にしている話だったのだろう。
 俺が死ぬまでのあと何十年か、きっと百年はない期間。
 実際、エルフたちはそれだけしか人生のない俺を哀れみ、その後の心配をする。
 だが、それでも数十年は長い。
 たとえ人間に換算して七、八年だとしても、それだけの未来を一人の男だけに捧げ、出産でも何でもすると誓うことは、軽くはないんだ。
 そう決断するだけの「何か」を、彼女たちは俺に見ていた、ということなのだ。
「じゃあ最初の一言。……愛してるよ、ご主人様♪」
「愛してます、ご主人様……末永く可愛がってくださいね♪」
 全然違うところから来た二人の娼婦は、そんな俺の勘違いも寛容に受け入れ、そして信じさせるべく、膣で肉棒を包む。
 これから何度でも、愛を実感するまで……実感しても決して絶えることなく、この感触であなたを魅了し続けます、と。
 まずはコスモスさんの膣が、饒舌に訴えかけてくる。
「う、うおっ……!?」
「ヒルダにだって負けないんですよ、私っ……♪ エッチ大好き度も、テクニックも……もちろん体力だって♪」
 コスモスさんの腰遣いはダンスのようでもあり、獣のようでもあった。
 動きは決して単純ではなく、回転も往復もフェイントも組み合わさって、ちんこが刺激に備えきれない。
 繰り返しの動きのはずなのに予測ができず、様々な角度から快楽が襲い、逃げることも耐えることも無駄だとわからせてくる。
「こ、これ……が……コスモスさんの……っ」
「ちょこっとだけ本気モードです♪ 色々できるんですけど、全部披露してたら夜が明けるどころか明後日になっちゃいますから……♪」
 ヒルダさんのイカせ芸とは違う。男に自らの肉体を存分に堪能させてもてなす、ということを心得た、最高級娼婦の慰撫。
 あっちもあっちですごいけど、これはこれで只事ではない。
「もちろん避妊なんてしてませんし、絶対にしないんです……♪ 孕ませてもらうための技……っ♪」
 目を閉じてうっとりとしながら、まるで何か違う生き物のように腰を暴れさせるコスモスさん。
 そして、俺の絶頂の兆候を膣で感じ取ったのか、うっすらと微笑んで目を開き。
「愛の結晶、たくさん作りましょうね……♪」
 キュウッと絞る。
 まさに膣で絞るというのが似合う。完全に膣内の動きを意のままにコントロールしているとしか思えない締め上げに、俺はなすすべもなく大量の精液を打ち上げる。
「っ……んん……来た、来ちゃった……♪ 私をママにしちゃうお汁……っ♪」
「っぐ……あ……っ」
「相変わらず大量っ……♪ 人間のおチンポなのにこんなにびゅーびゅー情熱的に出されたら、大好きになっちゃうに決まってるっ……♪」
 本当に、嬉しそうに。
 コスモスさんはブビッ、ブシュッと精液を膣から漏らしながら、なおも腰を振ってみせる。

 そのコスモスさんの衝撃的な快楽も冷めやらぬうち、すぐにグロリアさんもまたがってくる。
「アタシを自分のモノにしようとする男なんて、今までだっていくらでもいたけどね……」
 グロリアさんはコスモスさんほどの凄まじい膣ワザはないが、アイリーナにも匹敵する本物の名器だ。
 入れるだけでも気持ちよく、そこからどう動かしてもたまらない。町一つ分の男たちが揃って夢中になるのも納得させられる凄いおまんこ。
「こんなチンポとこんな射精で、それにアタシの絵さえもあんなに愛してくれる男はいなかったんだよね。……もっとたくさん理由がないと駄目?」
「…………」
「情けない女だって思ってくれてもいいわ。……好きになるツボ全部押してくれて、その上こんな何十年もハメまくりのド中古マンコでも気にしない本気のスケベだなんて、好きになるに決まってるじゃん」
 少しだけ、弱さのある笑顔。
 ……彼女は強い女性だ。
 普通のエルフなら絶望し、自殺しかねないほどの不名誉である「破門」を経て、それでも自分の好きなことを続け、自らの体で稼いで生きることも辞さなかった。
 そんな強さがゆえに、諦めていた幸せもあったのだろう。
 だが、それは……きっと俺で埋められた。埋められると彼女は思った。
「本当は……っ、もっと長生きして欲しいよ、そりゃっ……アンタがあと千年生きるなら、千年ファックしてあげる……♪」
 極上の膣で俺のちんこを抱き締めて。
「だけど、百年くらいしかないっていうなら、それでもいいよ……コスモスじゃないけど、アタシだってハーフエルフ、産んであげる。アンタが腰振れる限り何人だって、最高に気持ちよく作ってあげる。……そういう気持ちは、まだアンタの中じゃ愛だと思えないかもしれないけど」
「……ごめん、グロリアさん。ちょっと、ナメてたかも……っ!」
「ふふっ……どっちを?」
 膣と、彼女の気持ち。
 どっちをナメていて、どっちに参っているのか。
 そんなものは当然……。
「両方っ……!」
「……ふふっ……正直♪」
 ぬぷちゅ、と愛液が音を立て、膣が俺のちんこを深く深く頬張る。
 それに合わせて、俺は再び射精する。
 俺専属子作り娼婦に、降参の白旗ならぬ白濁を恭しく渡す。

「……あっ」
 そして、グロリアさんは突然素に戻る。
「な、何か……?」
 俺はちんこを奥深く突っ込んだまま戸惑って様子を窺うと、グロリアさんは呆然とした顔で自分の喉を指差す。
 ……数秒して気付いた。
「あっ、首輪」
「……かけたあとにザーメン出す手はずだったよね? なんかノリで一気にシちゃったけど」
「……うん」
 二人してセレンに顔を向ける。
 横で苦笑いしながらコスモスさんも身を起こす。
 セレンの判定は……。
「……やり直します?」
「え、いいの?」
「アンディさんの余力次第ですけど、手順飛ばしちゃって据わりが悪いっていうなら」
 寛容な判定が出た。いや、セレンとしては俺の意見最大限尊重ってことなんだろうけど。
 あと、最初に関係ないのに連続中出しを受けたのがちょっと後ろめたいのかも。
「……やり直していい?」
 俺は二人に聞く。
 娼婦たちは。
「……ま、今後は時間と回数無制限だしね♪」
「ご随意に♪」
 ちょっと外野が不満そうにブーイングしたが、俺は改めて二人に青の首輪をつけ直し、「誓いの中出し」をやり切った。

(続く)

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