既にカールウィン・レンファンガスへの旅から戻って数日が経っている。
 そろそろ連れてきた客たちもポルカに慣れ、端から端まで目を配る必要も薄れてくる頃合い。
 偉そうに目を配るなんて言っても、実際は連れてきた相手を全部面倒見切れてるわけではないんだけど、そのへんはセボリーたちポルカのエルフ四人娘やマローネ、ミリルといった首輪猫娘たちがフォローしてくれている。
 彼女らは首輪で俺の関係者と一目でわかるため、カールウィンに発つ前に来たガラティアやグロリアさんやレディ・スワロー、ノールさんたち姉妹も含め、少し困ったことがあれば頼りにされているらしい。
「特に酒場勤めのセボリーや、服屋さんに一日いるオレガノなどは、町の中心にいつもいるということもあって、よく頼られているみたいです」
 と、フェンネルが教えてくれた。
「ほとんど普通に言葉通じるんだし、町の人に気軽に話しかけてもよさそうなんだけどなあ」
 セレスタやラパールから来た組は言うに及ばず、シルバードラゴンたちもみんな北西語を解する。言葉の壁がないのなら普通に町の人たちで役に立てると思うんだけど。
「私たち雌奴隷の方が、お互いの文化のギャップに驚かないからでしょう。ご主人様がいる場所ではみんな表に出しませんが、ドラゴンの皆さんの驚くほどの鈍感さや、外国の皆さんの持つ文化の差に、町の人たちはよく驚いているみたいなんですよ」
「そうなのか……」
「トロットでは女性がお酒を飲むことがそもそも珍しいようですし」
「…………」
 言われてみれば確かにそうだ。
 だいたいにして、いい年して未婚の女というの自体があまりいない。それは嫁に行くだけの能力がないということを意味し、あまり胸を張って外を歩けるものではない、と考えられているためだ。
 セレスタではそんなことはない。いや、地域差もあるんだけど、エルフやダークエルフという極端に長命で容姿端麗、そして未婚女も珍しくない例が闊歩していると、狭い価値観をせせら笑われるような気持ちになるためだろう。
 トロットにおいては、長命の種族である彼らは「外敵」として認知されていたので、最初から堂々と表を歩けるはずもない。だからそういう保守的な価値観がどうしても残り、セレスタやラパール、レンファンガス的な感覚でのびのびと過ごしている遠来の客を見ると驚き、眉をひそめてしまう面はあるのだろう。
 俺という「ポルカの仲間であり、外国の事もよく知っている」要員が間に入れば、それが緩衝材になって「そういうものなんだろうな」と顔に出す前に矛を収めてくれる。だが、急にそういう異文化のインパクトが来れば、戸惑いが先に出てしまう。
「そういう意味では、セボリーやオレガノが一番気安いってのは必然的なのか……」
「皆さん、慣れようとはしているみたいなんですけれど」
「まだまだ時間がいる、か……」
 いい人たちなんだけどな。ポルカのみんなも。
 考えてみれば、北方エルフ領含むポルカ情勢が大きく変わってから、まだ二年も経ってはいない。
 いきなり田舎町の住民に、分け隔てなく社交的になれというのも無茶な話だろう。セレスタ人やエルフの存在をすぐに受け入れ、馴染んでしまったキールやジョニー、男爵がむしろ特別なんだ。
 ……だいたいスケベ心が原因の気もしなくもないけど。
 エルフの裸って綺麗だし、覗き隊で団結する男たちってみんなアホやってるという連帯感で仲良くなっちゃうしな。


 近々、首輪授与の儀式をする、という旨はセレンに伝えておいた。
 というか、セレンがせっついてきたという方が正しいか。
 元々、どっちつかずの女が俺の周りにいるのを嫌がるセレンだ。雌奴隷であるなら仲間に入れるし、そうでないなら外来の客として遇する、というのは確かに必要な区別なのだけど。

 ……正直、まだ迷っている部分はある。
 レイラとコルティ。彼女たちは他の雌奴隷とは一線を画する存在で、今までにないタイプなのは間違いない。
 セレンやアイリーナが提唱する「俺を中心に置いた、孤独な女たちの共存共栄ハーレム」という感じの構想にも嵌まるようで嵌まらない感じがするし、当面牙を剥くような状態ではないとはいえ、ここにいるのは本来的に当人たちの希望ではない、という状態で、みんなの輪に入れていいのか……という迷いは捨てられない。
 もしも。もしも、何かあったら……と。
 元々俺のわがままで形成したハーレムだ。レイラたちに限らず、何があっても俺の責任でないことなんて有り得ない。でも、それでももし誰かが傷つくことになったなら……完全に制御はできないとわかっていながら手を出した俺は、後悔どころでは済まないだろう。
 しかし。
 それでも、生かそうと思った。少なくとも俺は、彼女らには恨みはない。恩義すらある。
 だから、必要ならばやらなければならない。
 それを、セレンたちが大事にしている「雌奴隷」の絆に加えていいのか、と、やはり迷う。
 他の名目にするべきじゃないか。別扱いにして、いざという時には違う扱いなのだ、とみんなに明示するべきじゃないのか、とか。
 いやいや、そんなにもレイラとコルティを差別対象にしてどうするのだ、と。彼女らの誇りを質に取り、滅多なことでは裏切れない、もし腹の中が別だとしても俺にはわかりはしない……と諦めただろう、ならば信じて構えるのが俺の立ち位置じゃないのか、とか。
 まだ巻かれる前の首輪を手にして、幾度も幾度も迷いながら、それでも俺は自分を急き立てて、レイラの元に向かう。

 レイラは街から少し離れた草原で、クリスタル・パレスの民族衣装である精緻な刺繍の入った重ねの長衣を風になびかせていた。
 そこにいると教えてくれたのはエマ。なんでも、暇があればそうして一人、ずっとボーッと立って過ごしているらしい。
「レイラ」
「……主様」
「ここに何があるんだ?」
 とりあえず、単刀直入にいきなり本題というのもなんなので、聞いてみる。
「……人のぬくもりの中にいるのは、まだ慣れなくて。……ここは何もありませんが、風景は豊かで、心が落ち着きます」
 季節は秋の入り口。
 まだ夏の名残の鮮烈な緑に、少しずつ枯れ色の混ざり始めた草原が眼前に広がる。
 風はもう既に涼しくて、青空の下で少し厚着をした美女が佇んでいる姿も、違和感はそう大きくない。
「何か、御用でしょうか」
「……ええと」
 俺は頭を掻いて、なんと切り出したものか迷う。
 実際、決めたつもりでいるものの、まだ変更の余地があると思うと躊躇してしまうのだ。
 自分がここまで優柔不断と思えたのはいつ以来だろう。
 俺は馬鹿なんだから難しいことはディアーネさんやライラ、アイリーナに考えてもらえばいい、といつも思っていた。だがこればかりは投げられない。
 でも。
「……レイラ。本当に……雌奴隷で、いいんだな?」
 結局、俺は問題の上手い解法が思いつかない。
 目の前の責任から逃げる方法はいくらでもある。雌奴隷にするなんて約束、忘れたふりをして先送りもできる。
 でも、それが何の効果や意味があるのか、全然予想ができない。
 だから、あんまり意味のない確認を口にする。ドラゴンのレイラが自らの誇りを押さえつけて出した案だ。覆すわけがないのに。
「はい。……私は、貴方様に服従します。コルティと私を救おうとする意志、竜の盟約をも超えて悪竜への裁きを否定し、自らの道理を貫いて誰かを守ろうとする貴方様の、乗り手としての覚悟と資質を認めるがゆえに」
 レイラは跪く。俺の迷いに満ちた言葉の間を、峻厳な決定の覚悟を試していると取ったか。
 俺はそれでようやく覚悟を決める。
 ウダウダと小理屈をこねるのは、やっぱり俺のガラじゃない。
「うちの雌奴隷になるには、儀式が必要だ」
 宣告。
「雌奴隷たちは互いが俺の愛玩道具であることを認め合う。そのために、新入りの雌奴隷は他の雌奴隷みんなが見ている前で、裸になって俺に首輪をかけられ、俺のチンポに服従を誓い、その場で犯されなきゃいけない」
「……はい」
「だが、妹が経験済みで儀式に臨むっていうのに、お前が未通でぶっつけ本番というのもちょっとどうかと思って。……それも趣向と言えばお前は受け入れそうだけど、俺はいたずらにキツくするつもりもないし」
「……え、ええと、つまり……」
「セックス、先にしとこう。30人くらいに見られてヤるのは緊張する。どっちにしろ恥ずかしいだろうけど、そこで初めてよりは二度目三度目の方が少しはマシだろうし」
 ……頭の中でサッと数えたけど30人くらいでいいよな。
 セレン、アップル、アンゼロス、オーロラ、ヒルダさん、ライラ、ジャンヌ、マイア、ルナ、アイリーナ、クリスティ、フェンネル、オレガノ、セボリー、ローリエ、アルメイダ、テテス、シャロン、ミリル、マローネ、キュート、ブレイクコア、ネイア、ベアトリス、ガラティア、エマ、リェーダ、コルティ。ディアーネさんは雌奴隷じゃないけど多分出席する。
 あとブレイクコアは場所的に難しいけど、万全と公平を期したらブレイクコアのいる場所での儀式になるかもしれないし。
 うん。どう数えても本人入れて30人くらいになる。
 ……自分でその数にちょっと戦慄する。いや一人ひとりを見てるから、普段はそんな数だと思ってないせいもあるけど。俺やりすぎじゃないですか。
「……そう、ですね……では、お願いします……」
 レイラは少し俯きつつ、その場で服を脱ぎ始める。
 って。
「いや待て。ここでヤるのはまずい。町から目のいい奴なら見える距離だ」
 ドラゴンもそうだが、多分ランツあたりの視力なら見える。
 遠眼鏡があれば他の奴でも余裕だろう。
「……か、構いません」
「いや、自分で難易度上げるなよ」
「いずれ30人に見られるのです。それに、主様の欲望を満たし続けるのならば、いずれ誰の前でも裸になり、股を開く覚悟が……」
「滅多にやらないからなそういうの!? だいたい俺の社会的立場がまずくなるばかりだからな!?」
「しかし、スワローというダークエルフは、かつて主様は南の町で盛大にやったと……」
「……いや、ほんとね。滅多にってことで本当に稀にそういうね。そういうのは本当自分でやりたい奴だけのね」
 今考えてもなんであんなことやったのか。
 うん、みんなハードコアな雌奴隷プレイしたかっただけだよね。俺が悪いわけじゃなかったよね。
 そんな馬鹿なやり取りの間に、レイラは結局全てを脱いで雪のように白い肌、重量感のある巨乳と銀毛の茂みを隠すことなく初秋の太陽に晒し、改めて俺の前に跪き直し。
「そ、それでは……よろしくお願い、します……♪」
「お前意外とエロに関して押し強いよね」
 コルティを平然と俺にヤラせて自分はオナニーしてた時も思ったけどさ。
「…………」
 少し赤くなって俯くレイラ。
「……正直、少し羨ましく思っていた部分は……なくもありませんから」
「……誰を?」
「シャリオ……いえ、貴方様と睦み合う女たち、かもしれません」
 シャリオは、唯一ライナー本人に手を付けられていたドラゴン。羨ましいのはまあわかる。
 しかし、俺がレイラたちにとりあえずオナらせて見学させたのは、意外と効いていたらしい。
「ドラゴンって性欲含めてだいぶ我慢の利く種族だと思ってたけど、思ったほどじゃないのかな……」
「……わ、わかり……ません。私が特に……性欲が強いのかも」
 ますます恥じ入るレイラ。
 シルバードラゴンの中でも特に冷静で理知的な印象のレイラが実は格別ドスケベってなんかこう……狙い過ぎよね、と俺の中のグロリアさんが寸評している。
 でも、そのつもりで雌奴隷にしてくれ、と恥を忍んで頼み込み、すぐにでもセックスが始まるものと思って期待していれば、いつも目の前でガチハメ見ながらオナニー命令ばかり……というのは、例えば俺が逆の立場だったらたまらないとも思う。
「ですから……本当は、期待……して、いたのかもしれません……早く伽を命じられることを……♪」
「…………」
「あの……次は、いかがすれば……ええと、こういう場所なら、お尻をこうして突き上げればいいのでしょうか」
「あ、いや、おい、処女が積極的にやっていいポーズじゃないそれ」
 真昼間の野外で大きく股を開き、四つん這いで尻を突き上げるレイラ。
「……処女は、この場で捨てるのですし……」
「…………」
「……あの、捨てさせて……いただけないのでしょうか」
「コルティがいないせいもあるのかな……」
 ちょっとはっちゃけ過ぎじゃないの、このインテリ系巨乳美女。
 とは思いつつも、俺としてもそうして必死に犯してもらおうとするレイラの姿に大人しくしていられるちんちんではないわけで。
 特に彼女はライラやシャロンと比較したって遜色のない見事なおっぱいだ。それをぶるんぶるんと揺らしながら卑猥なポーズを取りまくるのは若い男として決して簡単に止められるものではない。
 俺は無言でズボンとパンツをその場に脱ぎ捨て、レイラのお尻をグッと掴む。
「っ……♪」
 ふるり、と白いお尻が震える感触。
 勃起したちんこの先でその尻肉を嬲るようになぞれば、レイラは「ん……っ♪」と、控えめながらも明らかに発情した鼻声を聞かせてくれる。
 処女だからじっくり馴染ませないと駄目かな、と思えば、ちんこが秘部まで辿り着くと、明らかにねっとりした液体がたっぷりと腿まで垂れている。
 ……性欲が強いと自称するのも伊達ではない。すごいぞこの処女。
「……お前みたいなのには、むしろ強烈なのが必要かもな……!」
 俺はもはや気遣っていない。むしろこの処女がいきなりどこまで楽しめるか、それにワクワクし始めてしまっている。
 もしもこれが「雌奴隷適性が高い女」という演技なのだとしたら、完全に騙されていい。誰も俺を責められないだろう。
 誰も止めない。後退など有り得ない。
 俺もレイラも、破ったその先の快楽しか見えていない処女を、俺は特に勢いをつけて突き破る。
「っく……ふ、ああぁっ……♪」
 ぶちり、と。
 未通でありながら成熟した女の膣を、封を切るように一気に広げる感触。
 勢いよく、力を入れて突き込んだちんこは、レイラの子宮口までの道を一気に駆け抜け、所有権を主張した。
 元々処女膜があまりないタイプだったとみえて、処女開通の感触はあったものの、それほどには痛みを覚えている様子はない。
 貫いた。コルティに続き、他人のドラゴンの処女を。
 本来、一国の王女よりも味わえるはずのない相手の膣を、堂々と。
「っ……続けるぞ、レイラ……!」
「……はい……おねがい、しますっ……♪」
 レイラは犯されながら片手ずつ手を後ろに伸ばし、俺に掴ませてくる。
 開放感のあるポルカ近くの草原で、風に彼女の巨乳を晒しながら、レイラの両腕を引いてガンガンと腰を振る。
 抵抗感はない。氷竜らしく少し温度が低い膣が、俺のちんこをよだれたっぷりに咥えてしゃぶり、今まで何物も届いたことのない膣ヒダの裏で舐め上げる。
 俺はそのカラダに夢中になって腰を振りたくる。
 こんないやらしい女は、確かに雌奴隷にしなくてはならない。
 この膣肉を、淫乳を、あんな荒野に捨てておいてはいけない。
 どこまでも勝手な感想を抱きながら、俺は激しく彼女の体を味わって……そして、射精。
「んくっ……ふあ……っ……♪ これ、が……主様の精液……♪」
「……う、っは……っ……!」
 彼女の肉体を後ろから手繰り寄せ、抱き締めながら、繁殖の達成感を楽しむ。


 レイラについて温泉まで送ろうと歩いていたら、森からふらりとシャリオが出てきた。
「……シャリオ」
 少し気まずそうになるレイラ。
 まあ、本当の主を差し置いて「敵」だった男に股開いてたわけだしな。
 ……と思ったら、シャリオはむっすりとした顔で。
「お前が羨ましがるほどライナー様は……その……上手くはなかったがな」
「何を言い出すんだお前は」
 ポルカに来てから言動よく見てると、こいつ結構ズレてるよな。
「……ライナー様は、経験が足りなかったのだ。もう少し私を使えば違ったと思うが……それに、その男のように何度も続けられたわけではなく……いや、すぐに出してしまって、その後そそくさと離れてしまう方でな」
「だからそういうの死後に暴露すんのやめてあげろよ!? なんなんだよ突然出てきて!」
「何が言いたいかというと……その、レイラ、お前に羨ましがられるほど幸福だったわけではなくて」
「いいから! ほんといいからそういうのはずっと胸に秘めといてあげろよ!」
 俺がいたたまれないよ。

(続く)

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