ポルカ近くには小川がある。
 付近には一本しかないため、「川」という名前でポルカでは通じるので誰も名前を気にしていない。もしかしたらあるかもしれないが一回も聞いたことはない。
 小川と言ってもポルカ全体の霊泉や温泉の余剰分、それ以外の雨水なんかも流していくので、溺れるほどではないがそれなりの水量はある。あと半日は絶対凍結しない霊泉の特徴のせいで冬も凍らない。
 南西、子蛇山脈のふもとにあるラグ湖と呼ばれる微妙な規模の湖(人によっては「これ沼だよね?」と言ったりする)に繋がっていて、ラグ湖で釣りをするのは昔からの習わしで禁止されている。霊泉の力で異常成長したヌシに釣り人が食われたという伝承があるためで、まあそもそも歩きで行くには遠いのでよっぽどの理由がないと行かない。
 それはそれとして。

「温泉もいいですけど、このくらい陽気がいいと冷たい水遊びもしたくなりますよね」
 訪問した猫屋敷でマローネがそんなことを言ったので、俺はふとその川のことを考えた。
「水遊びかあ……」
「ほら、ウチのコロニーってオアシスで遊ぶのが日常だったので。……でも、よく考えたらポルカではそんなことする必要ないですよね。涼しいですし」
「いや、悪くないと思うぞ。温泉とはまた違う趣があるだろう」
「でも、冷たい方の霊泉でそういう水浴場ってないですし……」
「純粋な霊泉ではないけど、霊泉が流れる先はあるぞ」
「?」
「街から流れてる小川。膝上くらいまでしかないけど、水遊びに使えないか?」
「……え、ええー……」
「……やっぱ浅い?」
「それもちょっとありますけど……あそこで水浴びなんかしたらさすがに変な人って思われちゃうなーって……」
 若干引いた苦笑いをしていたが、そこでピコンと思い立ったらしいマローネ。
 嫌な予感。
「で、でもご主人様がどうしてもっていうなら……あそこで敢えて裸になるのも」
「い、いやそうじゃない落ち着けマローネ。もっと下流だ。街から見えないくらい遠くに行って浴びればいいんだ。マイアあたりに頼めばすぐ飛んでいけるだろ」
 マローネのように、割と落ち着いて常識あるタイプの雌奴隷は、それゆえにすぐ羞恥プレイとか思いつくのが危険だ。
「……なんだ」
「何ガッカリしてるんだよ」
「し、してません。でも、ちょっと覚悟したので拍子抜けっていうか」
「何度も言うが、っていうかみんなに言って回ってるからマローネにもう言ったかは覚えてないけど、この街で俺の雌奴隷として激しいことやらかすと最終的に一番辛い立場になるの俺だからね? おふくろとか昔馴染みとかいっぱいいるからね?」
「そう……ですけど、雌奴隷だからちょっとくらい一線超えるのも……悪くないかなって……」
「ほんと落ち着いて。手近の場所以外なら考えないこともないから、ポルカで必要以上にすごい性体験はちょっと待って」
 俺視点では半日の間に4〜5人はマンコの味見してるペースなんだけど、これだけひっきりなしにチンポ突っ込んでても雌奴隷たちにしてみるとまだまだ欲求不満なんだろうな。
 気長なエルフたちはともかく、猫獣人は重点的に遊んだほうがいいかも。


 と、いうことで。
 言い出しっぺのマローネを中心に、ルナ、ミリル、アゼルにリゼル、それからガラティア。獣人娘たちを引き連れて川遊びに出ることにした。
 キュートは昨日酒場裏で遊んだので、今日はセボリー判断でお仕事優先。いや、別に仕事を中断させてヤッたわけでもないし、連続で参加してくれても一向にかまわないんだけど、「みんなに譲るって意識がないと喧嘩のもとになりますから」ってお姉さん顔で言われると、キュートも俺も逆らえなかった。
 で、運び役はライラ、マイア、エマの三頭全員。
「暇じゃからの」
「街の守り、大叔父様とかパレスのみんながしっかりやってるから、退屈だし」
「主様最優先です」
「後学のために混ぜてねー♪」
 ……グロリアさんが普通に混ざってきたのはまあ、拒む理由が思いつかなかったんだけど。絵のためといえば確かにいい絵ヅラになりそうだし。
 比較的少人数な上にドラゴンが三頭もいると、彼女らの両腕だけで全員運べてしまうので、わざわざ馬車を用意することもない。
「ラグ湖までいかないくらいのところに適当に飛んでくれ。街から距離取れば、ここらには誰もいないだろ」
「ほ。……それはどうかのう」
「?」
 ライラが少し含みを持たせつつ全裸になって、ドラゴン体に変身する。
 俺はライラの頭に乗せられ、他の皆はそれぞれドラゴンの手に抱えられて離陸する。

 ……そして、この時期羊飼いが結構いることに気が付いたのだった。
「……羊飼いって街ではだいたい3〜4人ずつしか見ないからそのくらいだと思ってた」
 見た感じ羊の群れは10個以上ある。そしてだいたいは飲ませる水を求めて川沿いにいた。
 ラグ湖まではそこそこ距離があるとはいえ、群れがそれだけいて、混ざらないように距離を取りつつ川沿いに陣取るとなると、完全に視線の通らない場所というのは難しくなる。
「丘は結構あるから見えない場所くらいあると思ってたんだけど」
「誰にも見られずにのんびり遊ぶという目的から考えるとちと不安じゃのう」
 いったん降りて、みんなと顔を合わせて作戦会議。
 だが。
「ちょっとくらい見られても別によくない?」
「ポルカではよく覗きのヒトいるしねー」
 アゼルとリゼルはすごく雑なことを言い出した。
「言われてみれば……」
「一人二人なら許容範囲かもしれないですよね」
 ミリルとマローネも「そういう考え方もあるか」みたいな顔をしている。
 いやいや待とうぜ。
 じゃあいいかってなるかよ普通。女として裸見られるのは安心できないだろ。
「だいたい、ドラゴンが三頭もいるんだから、寄ってきて不埒なことなんてできないでしょ、間違っても」
 うんうん、と納得してしまうグロリアさん。それもそうだよね……みたいな顔で頷くガラティアに、ススッとグロリアさんが寄ってシュパッと帯を解いてしまう。
「きゃっ!?」
「じゃあそういうことで。脱いじゃいな、ガラティアちゃん♪」
「あ、アタシから!? あっちに羊飼いいるし!」
「雌奴隷でしょ?」
「そうだけど……」
「エッチな目に遭いまくりたいんでしょ?」
「……う、うぅ」
 ガラティアは握った服の裾をそっと放してしまい、グロリアさんは喜々としてその服を引っ張ってトップレスにしてしまう。
 遠目とはいえ人の視線がある真昼間に、誰より一番に裸になってみせるなんてガラティアにはまだまだ辛いんだろう。ちょっとそそる。
 ……いやまあ、ライラが全く何の配慮もなく既に全裸で堂々とおっぱいもお尻も丸出しなんだけどさ。
「っていうか、『エッチな目に遭いまくりたい』って随分な言われ方だから多少反論してもいいんだぞ……」
「……そ、それは……間違ってる、わけじゃ、ないし」
「……そうなのか?」
「だ、だって……アンタに色々、気持ちいいことや恥ずかしいこと……自分では絶対できないようなこと、強引にさせられるのは……すごく、ドキドキして、楽しいから……」
 ガラティアはパンツ一枚になりながら、若干マゾい本音を口にする。
 いや、マゾというより、エッチな部分に対する度胸がないと言うべきだろうか。
 積極的に変態行為をするほど根っからの変態ではない。だが、俺や雌奴隷たちによって開かれた、異常でありながらも本能的で刺激的な快楽の世界への興味は強い。
 父親に守られながら男勝りの生活をする中で、そんなモノに素直になることはできなかったのだろう。だからこそ、俺の性欲という強い牽引力に任せていれば、想像も追求もできなかったエロの宴に身を投じていける。
 それが彼女にとっての「雌奴隷」というものの魅力で、自らその身分を守る理由なのだ。
「まあまあ。あたしもエッチも見られるのも割と好きだから♪」
 言いながら自らも楽しそうに服を脱いでいくグロリアさん。エルフの美しい裸体は、緑うねる丘と小川の背景に不思議に違和感がない。
「じゃ、じゃあ……私たちも脱ごうか、アゼル、リゼル」
「にゃー」
「お姉ちゃん遅いよー」
「きゃ、こら、引っ張らないでっ」
 ミリルたちはガラティアに続いて裸になって、彼女より先に川に入ってしまう。
 マローネも苦笑しつつ、纏っていたナース服を脱ぎ……そして俺を色っぽく横目で見て、ソソソと近寄って来て寄り添い、ズボンの上から股間を撫でてくる。
「ご主人様。……もちろん、エッチもしますよね?」
「え、あ、いや……そんな無理にここでしなくてもいい気はするけど。っていうか川遊びしたいって言い出したのお前だろ?」
「川遊びもいいですけど。みんなのおっぱいやおまんこ見てカタくしてるご主人様を放っておくのは雌奴隷として失格ですから……みんなのエッチな水遊びを見物しながら、私のおまんこ使って欲しいな、って……♪」
「……お前もだいぶスケベだなあ」
「ご主人様相手なら、どれだけ淫乱になってもいいって言われました♪」
「うん。まあそうだけど。……女の子たちの水浴びをオカズにマローネまんこで抜くのかぁ」
「きっと気持ちいいですよ……♪」
 明るい昼の日差しの中、裸体を押し付けて股間をさすってくる、発情声のかわいい雌奴隷猫。
 少し遠くに羊の群れと、こちらの肌色の様子に気づいたらしい羊飼い(二人)が目の上に手をかざしてこっちを見ているのが見える。
 が、水浴び猫たちはおかまいなしで楽しそう。マローネはハメるまで諦めなさそう。
 そして、ライラがどこからか持ってきた大きな布を砂地に敷いて、裸のまま手酌で酒を飲み始め、エマとマイアは脱ぐだけ脱いで水浴びを監視。そしてガラティアは脱がされたまま、俺の前からどこにも行こうとしない。
「お前たち、川に入って遊んでからでもいいんだぞ」
「……アタシは、エッチの方がいいから……」
 変な風に素直なガラティア。
「一回子種を貰ったら水浴びに混ざります……♪」
 俺の手におっぱいを撫でさせながらすっかりヤル気のマローネ。
「あたしもお手つきOKだからねー♪」
 こちらは川に踏み込みながらウィンクを送ってくるグロリアさん。
 北国の夏の日差しの中、少女たちの輝くような全裸水浴びを前に、俺は溜め息をついてズボンを下ろす。即座に絡み付いてくるマローネの指。
「これじゃ俺がサービスされっぱなしじゃないか」
「奴隷が主人にサービスするのって基本ですよね?」
「アタシにとってはハメてくれるのが一番のご褒美だし……♪」
「……どっちもこんな人目につくところでグッチョリ濡らしやがって」
 マローネとガラティアの発情マンコをゆったりとハメ比べながら、俺はのどかな景色に響く少女たちの楽しそうな歓声に目を細める。
 俺が彼女たちにサービスするつもりだったんだけど……あれ? いや、そういうのって間違ってる?
 ……まあいいや。


 夜。
「川で美少女たちが集団水浴びをしていたという噂が外来客の間で流れているのを耳にしたんですが絶対スマイソン十人長ですよね?」
「……なんでもう噂になってんだよ。歩いて一日程度の距離は離したはずだぞ」
「やっぱりですか! なんで公開ファックなら我々に声をかけて下さらないのか!」
 オナニーブラザーズに酒場で理不尽な抗議を受けた。
 いや、別に裸の彼女たちを誰かに見せたかったわけじゃないし。お前たちに抜かせるために自分の雌奴隷をあえて提供するつもりはないし。
 ……という反論を口に出すとそのまま酒に任せて恥ずかしい激論になりそうだったので、杯を傾けながら二人を睨んでいると、グロリアさんがテーブルにスッと入ってきた。
「そういえば二人って愛好者なんだよね? エロ絵巻の」
「恥ずかしながら」
「かつてはこいつと共同で二百本ほど所有しておりましたが現在は手元に五十本が全財産です」
 多いよ。っていうか本当どこに隠してんだよそれ。
「よし。じゃあリクエストを受け付けよう。あたしもダラダラしてると鈍っちゃうからね」
「なんと!」
「エロ絵巻を我々のために描いて下さると……!」
「や、絵巻ってほどたくさんは描かないつもりだけど、量はリク次第で……」
「連作依頼です。オーガのような巨体の架空の蛮族(オーガの人権に配慮して緑色の肌など独自のアレンジを)に敗北した金髪女騎士が彼らの巣穴に連れ込まれ『クッ殺せ……』と突っ張るものの言葉が通じることはなく縛り上げられて自由を失ったまま処女喪失、涙を浮かべながら故郷の思い人に汚されたことを詫びつつ連続中出しを受けて気絶。そこから数週間。蛮族たちの巨根と尽きることなき性欲に女騎士はすっかりチンポに負けて今ではハメられて感じることを全て包み隠さず実況するのも板についてしまい、蛮族の片言の『ドコニ欲シイ?』という問いかけにも迷うことなく中出しをしてほしいと懇願するようになってしまった。思い人など既にイク瞬間に謝って楽しむためのスパイスでしかなく、それどころかズコズコハメられながら自主的に『あの人の粗チンより百倍おいしいのぉぉ』と罵ってしまうほどになり、解放シテヤロウカと問われても見捨てないで! 子供できるまで、いやできてもずっとハメて! ボテ腹女騎士ハメ家畜にしてぇ! と叫ぶ、でお願いします」
「いや待て相棒。そこで彼氏が救助が来て蛮族を殺して助け出し、女騎士はザーメンまみれで彼氏を罵って狂乱するエンドをだな」
 お前らなんでスラスラそんなの出てくるんだよ。それといくらオッサンばっかり集まってる酒場だからってちょっとは加減しろ。
「……そのシチュもう20巻くらい見たんだけどあたしが描く必要ある?」
「あります。王道は何度見ても素晴らしい」
「ここだけの話、アルメイダさんかシャロンさんをモデルに描いて下さると我々死ぬまで使う所存」
「……あー、あのレンファンガスの……確かにそういうのって対面依頼じゃないとできないけど……」
 グロリアさんはチラッとこっちを見た。
 いいの? って感じだ。
 俺は溜め息をつき。
「先に俺が見てチェックする。それならいい」
「さすがスマイソン十人長!」
「話せる! 我々あなたの部下であったことを誇りますよ!」
 ……実はそういう、知ってる相手が有り得ないシチュでヤラれる絵巻、俺も読んでみたいだけなんだけど……まあいいよね。

(続く)

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