いつもは移動中にもなんだかんだでセックスしているのだが、今回はそんな元気はなかった。
力尽きて伸びているうちにフェンネルやアンゼロス、オーロラが体を拭いて服を着せてくれ、そしてヒルダさんの膝枕で寝かせてもらう。
なんでヒルダさんかというとふとももが一番むっちりしてたから。他の子たちは細目だったり筋肉質だったりで、あんまり太ももに自信がなかった……というか「ヒルダさんにはかなわない」的な感じになってしまったらしい。
「失礼しちゃうわねえ。確かに走り回ったりはしないけど、しっかり摂生した体型なのに」
「でもヒルダさんの膝枕、確かに安心する感触……」
「膝枕そのものをやり惜しむ気はないんだけど。みんな筋肉ガチガチなわけでもないんだし、そんなに恥ずかしがることないじゃないの」
「他の者はともかく、わらわの膝など寝ていてゴリゴリしてしまいそうでのう」
「私も……」
アイリーナとベアトリスが困ったような残念そうな顔をするが、そんなに真面目に吟味するほどじゃないと思うよ。
ちなみにミラさんたち三姉妹やレディ、それにコスモスさんなんかはマイアの持つ馬車に分乗。エマは荷物入り馬車。
こっちの馬車に乗ったらふとした拍子にエロが始まってしまう、というのはなんとなく察されている感じなのがちょっと気恥ずかしいが、まあ混乱はない方がいいよね。
「アンディはこんな感じでクタクタになっちゃうことも今後もあるわけだし、椅子はエッチに向かないし……帰ったら本格的に馬車を改良するのを検討した方がいいかもね。今後も飛び回るんだし」
「この馬車を用意した時はクロスボウ隊のオーガの皆さんや、ジャンヌさんの手による改造でしたわね」
「あのイエロードラゴンのバウズがうちからヤク漬けの女持ってく時は船使ってるんでしょ? 形にはこだわらなくていいんじゃないの」
「これくらいの大きさで、砂でも雪でも草原でも、どこにでも置けるような箱となると馬車だったんだ」
たまに改良案を考えてみることはある。
馬車の形状はドラゴンが持つ場合にちょうどいい。長方形の形状は空で風を受けても飛行に影響しづらいし、ライラはともかくマイアやエマの(ドラゴン体の)手の大きさを考えると、これ以上の厚みにはしにくい。
長さもこれ以上後ろに伸ばすとバランスが崩れそうだ。ライラたちは両腕の二点でのみ支えてるから。
バウズの使っている船も大きさ的にはそんなに変わらないし、大きさと形状にはあまり変更は加えられなさそう……という感じはする。
それ以外での変更点となると、脚と内装か。
車輪である必要性は、前進後退する必要がなければ存在しない。
だけど、だからといって無骨に突っ張った足にはしにくい。耐久性を考えると厳しいし、刻紋なんかによるフォローも限りがある。
脚なしは論外だ。まっさらの平地以外に置けば腹が割れてしまう。
バウズの船は置く前にバウズが密かに地面に溝をつけて安定させたりしているが、仕方ないとはいえあれも不便そうだ。
頭の中で考えているのはソリ足みたいな奴。突っ張っただけの脚よりも安定感もあるし、砂や雪に埋まり過ぎないようにもできるだろう。
内装に関してはアンゼロスが言っているように椅子を取っ払うのがいいか。でも椅子なしで雑魚寝前提の客室って、それこそエッチしてない時は身の置き方に困りそうだよな。
壁以外でも体を安定させやすいように、等間隔に柱状の手すり棒とか作るといいのかもしれない。
それと収納だよな。空を飛ぶとなると傾斜は避けられないし、フルフラットだと荷物が転がったら邪魔臭そうだ。天井側か床側か、とにかく荷物置き場を新設しないと。
……なんて、色々と考えるのは楽しい。
『我の腰に縄をかけて吊るすような形にできれば、万一の時にも腕が使えて多少楽なのじゃが』
ちびライラが提案する。
「あー……そうか、持つんじゃなくて吊るすって手もあるのか」
『飛び立つ前に多少手間がかかるがのう。竜の図体で自分で吊り紐を付けることはできんからの』
「吊り紐の強度も……ああ、絹の鎖があるか」
となると、二点以上で支えることができるのでバランスの問題も解決する。ドラゴン自体の離陸能力の範囲内なら箱も結構大きくできるな。
「アンディさんたちのクロスボウを使えば、ドラゴンに飛び乗らずとも紐掛けは難しくなさそうですわ。背に棘があるおかげで掛けた紐がズレることもないでしょうし」
「適当な石に絹の鎖つけて投げればいいんじゃない?」
「ライラさんクラスの大きさですと、常人の肩では少々骨です」
「あー……そっか、確かに。僕とかはともかくアンディだときついかも」
常人で悪かったな。
まあ腕力には自信は相変わらずないんだけど。
「改造は青の家師やダン殿を頼ればよかろう。例の覗き好きの二人組のオーガの方も役に立つじゃろ」
アイリーナが言うが、その面子はちょっとなあ。
「あいつらに空飛ぶヤリ部屋を作らせるのはちょっと気が引ける……」
「ククク。本物の立派なヤリ部屋をすでに作らせておいて今更じゃろ」
言われてみれば新スマイソン家やレンファンガスの砦はそう言えなくもない。
いや、でもなぁ。
「代価を正当に払えば、何に使おうとわらわたちの自由よ。気にし過ぎるでない」
「う、うーん」
いいのかなぁ。
まあ自分たちだけでやろうとするとジャンヌやセレンに過剰な負担をかけることになってしまうのだけど。
夜に出発し、何度かトイレ休憩などを挟みつつ、次の日のまだ朝と言える時間帯にはポルカに辿り着く。
「ようやく着いたねえ。見渡す限りの草原、見事な田舎じゃないか」
レディが重そうな体を揺らして地面に降り立ち、周囲を見渡して一言。
まあ、そう言いたくなるのもわかる。南には草原、東西には青く霞む山脈、そして北には森。ちょっとした丘の上には男爵邸、その下にはポルカの街があり、霊泉の湧いている岩山もあるのだが、まあ少なくとも、間違っても都会感はない。
「ま、最辺境だからねー☆ じゃ、あなたはまず霊泉に案内してあげるわ。そこで呪病をほどけば相応に健康的な体形になるはずだから。アイリーナちゃん、ウチの妹たちの分も含めて宿とかの手配お願いね☆」
「ふむ。任された。まあスマイソン殿の家に入り浸ってしまいそうじゃが」
ヒルダさんがレディの手を引いていく。
そして俺は半日ゆっくりと寝かせてもらったのでとりあえず歩くのに支障ない程度には回復していた。
「じゃあ、残りは俺たちで案内しようか」
「手分けした方がいいかもしれませんね。男爵邸方面は私とアイリーナ様、町の方は……ネイアさんやルナさんで」
「僕たちだってポルカにはそこそこ慣れてるつもりだよ?」
「アンゼロスさんたちはご主人様を温泉に連れて行った方がいいと思います」
「え、俺?」
フェンネルに言われて目を瞬く。
俺も観光案内のつもりだったんだけど。
「ご主人様は精力快復に努めた方がいいんじゃないでしょうか。昨日で女性の相手がすべて終わりというわけではないのですから」
「……ま、まあそうだけど、焦って温泉に飛び込むほどでは」
……いや、うーん。でも雌奴隷たちは結局あんまり満足してなさそうだし、今夜はそのフォローに頑張らなきゃいけない……のか?
「温泉に入ると精力快復するんですか? それじゃ私サービスしますよー♪ お風呂プレイは得意中の得意♪」
「いやコスモスさん、一応公衆浴場なんですが。男衆が老若入ってきますが」
「あ、それじゃ挿入は怒られちゃうかもしれないですね♪」
「……そういえばこの人もタルクっ子だった」
別に入浴中におっぱいも穴も隠さない人だった。……いや、入浴してなくてもそういうプレイというなら普通に全裸で街歩けそうな人だった。
「え、何、そこって混浴OKなの?」
そして何故か対抗意識を見せるグロリアさん。
「OKと明記はされてませんが女性が自ら入る分には街の男どもは決して文句は言いません。超見られますけど」
というか、秘密温泉の方に行けばいいだけの話なんだけどね。でも先に街のルールを、さ。
「じゃああたしも行く」
「じゃあって何ですか、じゃあって」
「入っていいんでしょ? タルク娼婦にハーモニウム娼婦が脱ぎっぷりで劣るなんて言われるのは癪だしね」
「最近娼婦の方にアイデンティティ見出し過ぎてないですか。金取る場面でもないのに」
「じゃあお金払う? 小銭で大サービスしたげるけど」
「ええと……ちなみにどれくらいの腹積もりで?」
「金貨一枚で入浴フェラ、三枚で見せつけ本番でどう?」
思わず財布に手が伸びそうになったが、アンゼロスが俺にチョップ。そしてグロリアさんに厳重注意。
「雌奴隷でもちゃんと一応人目は憚ってますんで、あんまり野放図はやめてください」
「えー。でもあたし娼婦よ? 買いたきゃ誰でもOKだし」
「その値段で商売する気ですか。いやそうじゃなくて」
アンゼロスがツッコミにまごつく間に俺は自分を立て直した。
「グロリアさんは娼婦として連れ回してるわけじゃないんで絵の方のイマジネーション探しに専念して下さい」
というか、誰でもOKと言われるのはちょっと嫌だ。例えグロリアさんが今まで無数の男と寝ているとわかっていても。
「過度の安売りは誰も得はしないですよー。あと私はそもそも娼婦としての営業じゃなくてお客さんとガチ子作り目的で来てるからこその大サービスです♪」
「む……そ、そうね。最近とんでもないエロにどんどこ遭遇してるせいで自分に迷っていたのは認めるわ」
グロリアさんは顔を赤くして低く言った。
やっぱりというかなんというか。うん。ちょっとヤケクソ感あったよね、さっきの発言。
でも。
「お、おいアンディ……今度は誰だそれ」
「また知らない混浴ガールたちが来た!」
「うむ」
門番コンビとハリー爺さんが入浴していた男湯に、結局コスモスさんとグロリアさん、あとアンゼロスにガラティアまで伴って入ってしまうの巻。
「あ、あははー……ども、グロリアです」
「レスリーでーす♪ お邪魔しますねー♪」
「節度を守って下さいよ、二人とも」
「……うぅ」
アンゼロスは二人のお目付け役。そしてガラティアはなんかよくわからないが雌奴隷としての義務感に駆られたらしい。多分ちょっとエロの世界に踏み込みたてですごいの見すぎて感覚が麻痺してるところがあるんだけど面白いので放っておく。
「シャロンさん以外の白エルフが入ってくるのは初めて見た……」
「アンゼロスちゃんも入る方の人なんだな……ごくり」
「うむ」
「あはは、おっぱい好きですかー? 今は見るだけなら無料ですよ♪」
思いっきりガン見する門番コンビとハリー爺さん。
さすがに居心地悪そうなアンゼロスとガラティア、グロリアさんに対し、コスモスさんは悪戯っぽくおっぱいを寄せて見せつつ雑談したりしてさすがの貫禄。
……いや、よく考えたらそれがいけないんじゃないかって気がしてきた。
「もちろん! 我々はおっぱい大好き!」
「ポルカっ子じゃ」
「いや爺さんもキールもちょっと落ち着けバカ」
さすがに奥さん持ちのジョニーが一番冷静だった。勃起はしていたけど。
(続く)
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