だいたいの社会において、性欲に正直すぎることは基本的には悪だ。
 そういう奴は見苦しいし迷惑だ。目につく相手とセックスしたいという欲求は大抵において受け入れられるものではないし、それ以外の損得とも往々にして合致しない。
 関係を築き、合意に合意を重ねた先の最終段階までは、それは心にあっても抑えるもの。そうでないなら暴力か財力による力押ししかない。

 ……という常識を完全にぶっちぎる、性欲全開、セックス完全自由の浜辺。
 次から次へと俺が自分の心の赴くままに美女たちの生おっぱいを堂々揉み、しゃぶり、ちんこは彼女たちの口でも膣でも尻穴でも、ひっきりなしに使い放題で精液を撒き散らす。
 誰もそれを咎めず、むしろうっとりと羨みあって順番を待つ、何もかも壊れた昼下がり。
 性体験というものを初めて経験したガラティアを始め、本来は比較的常識のあるネイアやエマ、まだ俺への愛情や隷従に目覚めていないベアトリスでさえも、この「世界」においては軸足の置き場を見失っていく。
 セックスがしたい。
 女の欲望の何もかも解放したい。
 快感の導くままに股を開き、性感帯への刺激をねだり、熱い精液を子宮に浴びて、この場で妊娠願望をすらさらけ出してしまいたい。
 それを阻むものは、既に遠い海の彼方に置き忘れてきた。
 ここには無限の性欲に駆られる男と、その性欲の全てを肯定する女たちしかいない。

 熱い太陽、終わりのない波音、遠くまで見渡したって決して誰も邪魔しに来ないパノラマの水平線。
 ここで少女たちは、人として当たり前の歯止めを見失っていく。


「はむ……ん、んくってんん、んんっ……むは、れろっ……」
 一生懸命、という感じで、健気にちんこをしゃぶるエマ。
 どちらかといえばパワフルな面子の中で、ひたすらに忠愛を尽くす線の細い銀髪娘の奉仕は、どこか場違いにも思える。
 みんなに倣って裸になっても、繊細に整えた髪型を崩していないせいか。
 汗だくの俺やネイア、ベアトリス、ガラティアの間にあって、俺の体から移った汗以外、少しも濡れていないのもまた、別世界の住人のように思える原因だ。
 だが、俺は当然の贅沢として、そんな彼女に当然のように奉仕させ、なおも片手でガラティアを抱き寄せて彼女の陰毛をかき分けてヴァギナを荒らし、もう片方の手ではベアトリスのささやかな胸をいじり、乳首を抓んで転がすように愛でる。
 ネイアは既に一発精液を流し込んで休憩中。その隣にはセックス一回でグロッキーになってしまったグロリアさんも転がっている。
「ガラティアもベアトリスも、ウチでは珍しい陰毛持ちだから弄ってて楽しい」
「そ、そんなの楽しむなよっ」
「毛なんか珍しがられても困る……っていうか、剃った方がいい?」
「剃るな剃るな。エルフ以外なら普通なんだし不自然に合わせなくていい」
 ベアトリスの変な提案にちょっと焦る。
 せっかく特徴があるの褒めてるのにもったいない。
「でも……アンタ、エルフ好きなんでしょ?」
「好きだけど別に陰毛がないからという理由ではない」
「……じゃあどこが好きなの」
「どこって……というかエルフだからという理由で雌奴隷選んでるわけじゃない。美人でエロい子に好かれて嬉しいからムハムハしてたら結局みんな雌奴隷になっちゃっただけだ」
「……すっごい雑な感じ」
「しょうがないだろ! エッチしたらもう他人に譲りたくなくなるんだよ! んでどうにかカラダの関係が続くようにしたらどういうわけか大抵雌奴隷ってとこに落ち着いちゃうんだよ!」
 これまた社会論になってしまうが、貞淑とはいえないまでも、未婚の男女の恋が高じて一夜の関係を持つのはまあしょうがないよね、という感じに見てくれる文化は多い。
 いわゆる恋人というやつだ。
 それで無責任にあちこちに相手を持つのも、不義理ではあるが罪ではないとされている感じはある。そんな奴を好きになるのは当人同士の問題、と言い捨てられる感じのやつ。
 俺も本来はその枠にあるべきなんだろう。
 しかし、俺が一夜ではない関係に固執した結果、何故かその先にどの文化でも許容されていない「雌奴隷」となり、将来設計までしっかりソレ対応としてみんな計算しだしてしまうのが俺の周りの不思議なところ。
 いや、理由はもうさんざん指摘されてるので今さら言わないけど、これを言葉にしてしまうとやはりわけがわからない感じになってしまうのは否めない。
「あたしも……その、美人でエロい子……に、入る?」
 ガラティアが股間に回っている俺の手を上から軽く握りつつ、少し不安そうに俺を見上げてくる。
 ……そういえばガラティアには、前回「お前みたいな頭ん中ガキンチョな奴はウチの雌奴隷にはいらない」みたいなこと言っちゃってるんだよなー。
 勢いで雌奴隷にする感じの流れになってるけど、あの時期からガラティアが精神的に目を見張るほど成長しているようには……見えないんだよな。
 さて。どうしよう。
「確かに顔は可愛いし体はエロいと思う」
「♪」
 でも、とひとつふたつ難癖でもつけようと思ったが、俺におまんこいじられながら照れくさそうに笑って胸に頬を寄せてくるガラティアに、何も言えなくなる。
 ううむ。我ながらなんという欲望負けの早さ。
 これはよくない。よくありません。
 例え雌奴隷に入れるにせよ、前回偉そうに色々言った手前、もっとこう……条件付けるようなそぶりくらい見せないと、恰好が……。
 ……恰好はつかないんだけど、なんでそんなこと気にしてるんだろう、としばらく考え込んでしまう。
 ちんこは、ひたむきに奉仕するエマの口の中で今も唾液に艶めかしく磨かれている。
 熱気を孕む海風よりもいくぶん温度の低い氷竜娘の口内は気持ちいい。
 今、この浜辺には誰も性欲に従った行動を咎める者はいない。
 俺の精液をどこに浴びせられようが、孕まされようが、誰も慌てることなんかない。
 そんな光景に納得して彼女も無防備になり、俺にねだったのだ。
 それだけでいい。それだけで雌奴隷の資格充分じゃないか。
 フェンネルたちだってそんな感じの勢いで雌奴隷になったんだからいいじゃないか。
 …………。
「……い、いやいやいや」
 ……あやうく自分までこの性欲の世界に思考が毒されてしまうところだった。
 違う。暑さと快楽に負けてしまう寸前だが、俺はこのいやらしくも気高い雌奴隷たちの主として、もっと雌奴隷のことには責任をもって……ええと。
「ガラティア。……お前、俺の子供孕まされたいか?」
「…………」
「今なら孕む前に後戻りできるけど、これからも俺の前にそのエロい体を差し出したら、確実に孕むまで放さないと思う。孕んでも犯すと思う」
「……や、やるだろうね、アンタなら……うん」
「孕むまで……しつこくお前の膣内をチンポでえぐって、ひっきりなしにだらしない顔になって精液を塗り込まれ続ける毎日になるぞ。精液の匂いがしてない時の方が珍しい生活だ。おっぱいも一日の半分は丸出しで俺に差し出してなきゃいけない。そのうち尻穴にだってチンポの味を教え込む」
「……っっ」
「いちいちパンツ穿くのが面倒になるような生活だ。そんな……馬鹿みたいにエロい生活が、したいか?」
 ……ええと。あれ?
 俺は何を言っているんだろう。
 孕まされるほど覚悟が決まってないなら……みたいなことを言おうとしたような気がするんだけど、ひたすらスケベな生活への想像力を喚起しているだけみたいな台詞になってしまった。
 で、それを聞きながらおまんこいじられ続けているガラティアはというと……これまた、冷静とは言えない顔。
 もちろんエロいことに興味津々な若さもあるし、むさ苦しい海賊たちの世界に倦んでいる田舎娘でもある。今しがた知ってしまったセックスに悪印象がないなら、ワクワクするような日々への誘いにしか聞こえないだろう。
 何より、このモラルが崩壊した全裸世界で、彼女を止める物はあまりに遠い。
 こんな聞き方したら、甘い囁きでしかないとわかっているのに。
「……したい」
 ぼそりと呟くガラティア。
 顔は真っ赤だ。日焼けしていてもよくわかるほどに。
 そして、それに対してベアトリスはムッとした顔をする。新参に対して対抗意識が激しいのだろう。
「こ、こんなヤツより私の方がずっとよく孕むし!」
「どういう対抗の仕方だ」
「精液、無駄にならないよっ……だから、チンポの無駄遣いはしないで、もっと……」
「お前が積極的にエロいのはとても喜ばしいけど、他の子が幸せになろうとしてるの邪魔するのは駄目だぞ。そういうのは雌奴隷取り消しだ」
「えっ、やだっ……」
 自分が奴隷になれないという事実に絶望的な顔になる少女。倒錯的な、暗い悦びを感じてしまう。
 そのゾクゾクが引き金となり、俺は一心不乱にしゃぶり続けているエマの口内に射精しそうになってしまう。
「あ……やば、出そう……っ」
「主様。……その、膣内にいただいてよろしいでしょうか」
「い、いいけどそれで満足なのか?」
「飲んで栄養にしてしまうより、精液も子宮の方が泳ぎ甲斐があるでしょう」
 頬を染めてそんなことを言うエマ。姫君然とした美貌と発言のギャップに、俺はそれだけで達してしまいそうになって唇を噛んでこらえる。
「いいよ。……エマ、お尻を向けて」
「はいっ……♪」
 エマが喜んで砂地に手をつき、お尻を高々と突き出す。
 左右のガラティアとベアトリスが喉を鳴らす中、俺はエマの差し出した膣に、ちんこを狙い定めてねじり入れる……その前に射精を始めてしまう。
「っ……ま、まずっ……」
 快楽に頭が犯されつつも、精液が吹き出し始めたちんこを無理やりエマにねじ込んでいく。
 不自然な行為、不自然な射精。
 だけど、液を吹き散らしながら膣に無理矢理入れる行為は、なんだか妙に興奮する。
「あ、主様っ……♪」
「もったいないっ……」
「ま、まだそんなに出るんだ……」
 変な射精になったのに入れられるだけで嬉しそうなエマ、無駄に砂地に沁み込む精液を惜しがるベアトリス、そして量に驚くガラティア。
 三人三様、エロスにどんどんおかしなかたちで適応を見せる。

 日差しは傾き始め、雌奴隷たちの淫らな海水浴は「寒くなる前に」とお開きにすることにした。
「夜はファラールに行こうよ。赤クジラじゃむさい海賊料理しか出せないし。食べ物ならファラールの方がいいよ。ドラゴンならすぐでしょ?」
「なんだかドラゴンの移動力を一番楽しんでるのってガラティアだよなぁ……」
「だ、だめ?」
「いや、いいけどな」
 洋上の田舎だからこそ、ドラゴン移動の便利さが余計に輝いていると感じるのか、あるいは若さゆえの柔軟さか。
 俺もライラの速さに感動したけど、こんなには喜んで活用してなかった気がする。
「ここまで『ドラゴンなら行ける』って考えに頼れなかったのは、歩きで行ける範囲で用が足りちゃうせいかな……」
「ほ。飼い主殿は軍人ゆえ、常々そう簡単に場を離れられぬという事情もあろうて」
「それもそうか」
 そういうのってディアーネさんに伺い立てないといけないもんな。
 ……退役したら、ドラゴン旅行ももっと気軽に思い始めるんだろうか、と、近い将来に思いを馳せる。
 みんなを連れて大移動も楽しいけど、ドラゴンと二人きりで放浪旅行ってのも、いつかしてみたいな。

(続く)

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