薄暗く狭い馬車内は、一人残らず裸になった女たちが、俺を包むようにして抱きつき、咥え込み、吐息をかけ、愛液を擦り付けて精液を乞う熱烈奉仕空間になっていた。
 最初に対面座位でちんこを迎えたフェンネルは離陸15分であっさりと射精されて絶頂し、アイリーナに交代。アイリーナは背面座位かつ肛門にちんこを咥えたが、俺も興が乗っていたので全開で腰を振って一気に射精。ダウンしてフェンネルの膝枕でぱたぱたと扇がれている。
「精液臭い膝枕じゃの」
「そういいながらおまた向きに顔を置かないでください。恥ずかしいです」
「嫌いな匂いではない……♪」
 そして尻穴から抜かれたちんこはヒルダさんがしゃぶっていて、そんな俺に左右からオーロラ、ベアトリス、ネイアが膝に乗ったり腋の下に甘えるように抱きついたり腕を抱きしめてきたり。
「本当に狭苦しいですわね……」
「次、私にしてよ。私っ」
「あまりがっついたら駄目ですよベアトリス。スマイソンさんだって疲れるんですから」
「お尻なんて使って射精してるくらいだから余裕あるんでしょ? 妊娠させたいなら前に射精しないといけないんでしょ?」
 ベアトリスの頭をギューッとヘッドロックして(実際はあんまり力入れてないので「んぎゅ」とベアトリスが唸った程度)、俺は急く彼女を戒める。
「俺は俺が楽しいからエッチするんだよ。妊娠なんてのは楽しいことをした結果だ、結果。お前らは俺のオモチャなんだからな」
「な、なによっ」
「雌奴隷はそういうものなんだよ。俺に恥ずかしいオモチャにされて気持ちよくしたりされたりする女。妊娠はそうやって楽しんだらそのうちすることであって、俺がお前らで遊ぶのはそれが目的じゃないんだってば」
「何が違うのかわかんないんだけど……」
「お前たちが可愛くてエロいから、それを思う存分楽しむのが俺のお仕事。お前らは文句言わずに俺に遊ばせるのがお仕事。だから妊娠しても文句言わない。わかったか」
「うぅー……なんかひどい」
「いやなら辞退してもよろしいんですのよ?」
 ふふん、とオーロラが勝ち誇った笑みを見せて挑発する。その小ぶりのおっぱいを俺は後ろから揉み、彼女が期待に愛液をにじませるのを膝で感じつつ、ヒルダさんの舌技に喉奥でちょっと呻いてからベアトリスの胸と腹を撫でさする。
「ま、今更辞退しようとしても許さないけどな。俺はお前に逃げ道は何度も与えたのに自分でこうやって飛び込んできたんだ。一度手に入れたオモチャにはしつこいぞ、俺」
「わたくし、もっとしつこく弄んでいただきたいのですが?」
「はいはい。オーロラが次な」
「♪」
「えーっ! わ、私が先に欲しいって言ったのに!」
 ベアトリスはまたも抗議。俺は駆け引き下手なベアトリスにニヤニヤが止まらず、彼女の体を持ち上げるようにしてキスをしながらヒルダさんの口の中に射精。
 そして窓辺では、結局自分もすっぽんぽんになったグロリアさんが風を受けながら(ドラゴンの飛行速度そのままの風速を受けると目を開けていられないので、一応アイリーナがあらかじめかけた魔法で風当たりは弱まってる)眼下の湖沼と森林を見下ろしている。
「グロリアさん、裸なのにそんなに窓に近づいていいんですか」
 アンゼロスが声をかけると、グロリアさんは髪をなびかせながら鼻で笑う。
「どーせ地上から見上げたって豆粒よ。乳丸出しだろうと、おまんこ見せびらかしてようとわかる奴なんかいないわよ。だいたい、こちとら裸の商売だってーの」
「タルク行ってからそこら辺の主張激しくないですか……?」
「圧倒されてばっかりでも女が廃るからね。こっちも珍しいエルフの娼婦って売りがあるんだから磨いていかないと」
 そもそもこの馬車は掴んでるライラたちと一緒に外から見えないように幻影で消えてるし、この空の上でおっぱい見せびらかして何がどう磨かれるのか謎です。
「シタールに行ったらバナナ食べたい」
 ルナは裸だがそんなに飢えた行動はしていない。代わりに御者台の扉を開け、これまた弱められていい感じの風速になった風に髪を晒して、気持ちよさそうにしながら食欲を表明した。
『ほ、そろそろ着くぞえ』
 ちびライラの幻影がみんなに教えてくれる。
「今からではアンディさんも半端になってしまいますわね。猫獣人コロニーならセックスをしながら着陸をしても気兼ねなくて良いのですが」
「はいはい。夜はお前からって約束するから服着ろ、オーロラ」
「ありがとうございます♪」
「し、尻の始末せねばならぬのに慌ただしいのう」
「拭くだけは拭いて、消臭と乾燥の魔法で何とかします。アイリーナ様がだらしなくては北のエルフの権威が台無しですから」
「うーむ、エルフと見れば売り飛ばされるような街で、わらわのことなど知るものがおるものかの」
「だからといってだらしなくていい理由にはなりませんよ」
 バタバタと馬車の中でみんなが服を整えていく。シタールはそんなに遠くないから次からは控えようかな。
 ……と言っても、雌奴隷たちからの発案だからなあ。数十分の間でも、エロいチャンスにできるなら彼女たちには嬉しいのだろうし。
 そういう積極性は大歓迎なので難しいところだ。


 途中の村々には脅威を与えたくないので飛行中は幻影で隠していたが、シタールの街には四頭の姿を晒して堂々と着陸する。
 その方がいいだろうというライラの発案だった。
 悪の巣窟と呼ばれた街だが、前回俺たちが去った後にライラがひと暴れしたというのは聞いている。
 それで綺麗に悪い奴が一掃された……というわけではないのだが、レディ・スワローが実権を握れるような状態にしたというところまでは知っていた。
『あの女は、竜の災厄、そこから生まれる怨嗟をも呑む覚悟を示した。じゃから力を貸してやった。あの女が未だ健勝ならば、我の姿によってその権威がさらに高まろう。もし追い落とされておったとしても、我の成した破壊を思い起こした悪党どもにはよい灸となろう』
「あっという間にレディ・スワローが失脚なんてのは勘弁してほしいな。面倒臭さがとんでもない」
 今の俺たちは政治的に細かいことに配慮したり敢えてしなかったりできる頭の持ち主はいない。
 いや、一応オーロラやライラ、アイリーナはやろうと思えばできるんだろうけど、とにかくレディ・スワローがいない状態でこの街に降り立ち、何事かに干渉する目星をつけられるほど勢力関係を把握できるのは、ディアーネさんかテテスくらいだろう。
 最悪のことを考えたらドラゴンで示威行為をしながら降りるのは正解かもしれない。
 少なくとも、どんな邪悪な連中でも、この四色ドラゴンを見て下手なことはできないだろう。
 さて、どういう迎えが来るか…と思いながら、街はずれでみんなで馬車を降り、反応を見る。
「オーロラ、いつでも抜刀できるようにしておけ。僕はアイリーナとフェンネルを守る」
「ではわたくしはグロリアさんとヒルダさんですわね」
 今回は守る対象が多いためか、エースナイト二人は小声で守備を分担する。
 が、俺が入ってない。
「……俺は?」
「ネイア、守ってやって」
「はい」
「……もっとも、アンディに何かあればドラゴン三頭が黙ってないだろうけど」
 アンゼロスはそう言って苦笑する。マイアやエマはできれば小回りの利かないドラゴン体でなく、人間体になって傍で守りたいだろうけど、とりあえずは脅しを効かせてもらおう。
 ……果たして、町の中でしばらく騒ぐ声が聞こえた後、角を曲がって姿を現したのは、太った体躯が特徴的なレディ・スワローと、サフルと組んでいた交渉人のオスカー氏だった。
 周りにはどこか引け腰ながら、チンピラ風の男衆も5、6人程度ついてきている。護衛だろうか。
 ……まあドラゴン相手に進み出るところに護衛なんてやらされたら大抵の奴は腰も引けるだろう。
「やあやあ、ライラさんよ。久方ぶり……というほどでもないが。しかしこれはどういう陣容だい。ご機嫌を損ねたかね」
「ほ、旅行の途中じゃ。こやつらは我と同じ主に仕えるマイアとエマ。そなたが壮健かどうかわからぬからの。少々不躾じゃが、竜の姿にて挨拶させてもらった」
「俺は一度訪れている。自己紹介の必要はないだろう」
 ライラとバウズがそう言うと、レディ・スワローはやれやれと肩をすくめた。
「アタシがくたばってたらどうするつもりだった……なんて聞くだけ野暮かね」
「ほ。そなたが死んでおるものなら、せっかくの志も通らぬ、救いのないゴミ溜めということじゃ。もはや顧みる価値もなし。焼いてくれようか踏んでくれようか」
「よしとくれ。順風満帆というにはまだ面倒臭い感じだけど、概ねマシにはなってきてるんだ」
 ライラはそこまで聞くと、幻影衝撃をその場の全員の脳に残して人間体に変化する。
「ならば歓待するがよい。我が暴れたことで生み出された価値を見せよ」
「はっ。いいね。ドラゴンさんはストレートで助かる」
 レディ・スワローが背後のチンピラたちに手を上げ、クイクイと何かのサインを出す。慌てて走っていくチンピラ。
「まあ、少し時間はかかるが夜には宴を開くよ。お連れさんたちもいい宿を提供しよう。といっても『親鳥』から接収した屋敷そのまんまだ、ルームサービスは充分じゃないが」
「いや、助かるよ。……ご無沙汰、レディにオスカーさん」
「スマイソンさん」
「おやまあ。そういえばアンタもいたね」
「酷いな」
「いやいや軽んじたわけじゃないさ。気を悪くしないどくれ。アタシとライラさんの直接の契約として、この街の争いを処理してもらったからねぇ」
 レディ・スワローはそう言ってニヤッと笑い、背中を向ける。
「そうだった、そうだった。アンタがライダーで、ライラさんはその下。つまりアンタを歓待しなきゃ始まらないってわけだ」
「ん……ま、まあ、そうなるけど」
 前にシタールに来てから、まだ半年も経ってはいない。
 レディ・スワローが指揮を執るようになり、変わったはずの街。
 先導されて歩きながら街並みを見渡しても、そのせせこましい生活感に特段の差は感じられない。
 まあ、前の時もあまりじっくり見られたわけではないけれど。
 でもマイアやルナは不思議そうに街を見つめて、顔を見合わせた。
「ぜんぜんちがう……変わってる」
「うん」
「……何がそんなに」
 歩きながら尋ねると、ルナは少し考えて。
「……危なそうな奴、だいぶ減ってる。ちょっとはいるけど」
「……そ、そうか?」
 言われて見回せば……いや、俺には危なそうな奴と違う奴の区別はあまりつかない。どいつも貧乏そうな身なりで、男はだいぶ大ぶりの刃物を腰に差しているのが当たり前だった。
「殺気が少なく思えるなら、俺たちがドラゴン一行だって認められてるからじゃないのか……?」
「……多分、喧嘩してた連中の片方がいなくなってるんだと思う」
 マイアがそう呟く。……「親鳥」側の連中が追放されたってことか。
 前に来た時は誰も彼も信用できなかったから、俺にはそんな勢力の差なんてわからなかったんだよな。
「じゃあ、マシになったってことか」
「うん。ましになった」
 レディ・スワローの言葉を借り、それをさらにマイアが繰り返して頷く。

 俺たちは「親鳥」という秘密結社の一員だった豪商屋敷の一つに案内されていた。
「ここはかねてからホテルにするつもりだったのさ。町の宿はどこもいろいろ緩すぎて、遠来のお客に胸張って勧められないからね。いい宿がなきゃいい客も来ない。宿が整えば周りの店も襟を正す甲斐があるってもんさ」
「どの部屋を使えとかそういうのは?」
「改装もしてなきゃ従業員だっていない。料理人も連れてこなきゃいやしない。好きに使っとくれよ。どうせライラさんがその気なら丸焼けの廃墟になってた屋敷さ」
「……ライラがここに住んでた奴ら、やっつけたんだよな」
「ほ。焼いても良かったのじゃが、腰抜けばかりで逃げる隠れるばかりじゃったのでな。人間体で二、三も引きずり出して叩きのめした程度で、ここでは大したことはしなかったのう」
「一番の決戦は別のところでやったものねえ」
 ライラとレディ・スワローがニタニタと悪そうな笑いを共有する。
 どんな戦いだったんだろう。まあライラが相手じゃそこらのギャングなんて話になるはずもないけど。
「ま、くつろいでおくれ」
「ああ、そうだレディ。ちょっと相談があるんだ」
「?」
「ここからさらわれた女の人たちがいるんだけどさ……」
 元麻薬患者の女性たちの処遇について話す。
 レディ・スワローは聞いて少し渋い顔をした。
「わざわざ連れて戻ってきたのかい。ここにわざわざ住みたいって女がいるわけないだろうに」
「……そ、そうかな」
「『親鳥』が健在だった時代には、そりゃあ色々あったがね。住民なら若い娘だってアタシらが守るのさ。……ここから送られたのはみんな、よその女だよ? わざわざそんな酷い思いをした場所で暮らしたい、働きたいと思うものじゃないだろう」
「…………」
 どうなんだろう。バウズに連れられている女性たちはここには興味なかった……というか、そんな忌避すべき場所だったんだろうか。だとしたら連れてきてしまったのはいくら選択肢があると言っても無神経過ぎたか。
「いや、そうでもない」
 バウズがそう言って、二人の少女を連れてきた。
 怪訝そうな顔をしたレディ・スワローは、その少女たちをまじまじと見る。
「……どこかで会ったかね」
「あ、あの」
「私たちは……西街区の」
「ああ、アンクル・ジェイのところかい……」
「……その、私たちは……アンクルの見ていない隙にさらわれちゃって」
「……チッ。あのオトボケ親父。仕方ないねぇ」
 どうやら、顔役の六人でも守り切れなかった少女たちだったらしい。
「私たちはこうして帰ってこれて……レディが街を取り返したって聞いて、それなら帰っても暮らせるかも、って」
「それに、私たちの仲良くなった子とかも、仕事とかいただければ、ここで暮らすのを助けてあげられると思うんです」
「他に行くアテがあるのに、何もこんな街に呼ぶことはないじゃないか。言っちゃなんだが、マシにはなったが豊かでもないし面白くもない。よそのギャングだって『親鳥』のいなくなった隙を狙っていないともわからないよ」
「それでも、故郷です。私たちは……ここでないと」
「せっかく戻ってこれたんです。せっかく、レディの時代になったんですから」
「……はっ。アタシの時代と言うかね」
 レディ・スワローは自嘲する。
 が、ライラはそんなレディ・スワローに静かに諭す。
「そなたは我に『良くしてみせる』と約したであろう」
「……ライラさん」
「それは小娘すら満足に暮らせぬ程度のことか。竜の力を使っても、その程度の街にしかなれぬか」
「……答えを急かしてくれなさんな。まだ何か月と経っているわけじゃないじゃないか。人の世はなかなか思ったようにはいかないものだよ」
「何年先までそうなのじゃ。……負うてみせよ。子らの幸せ、その程度は、と」
「無茶を言う。彼女たちはドラゴンに手助けされてどこにでも行くんだろう? もっといい場所もあるだろうに。ここはやっと膿を切って吸い捨てたばかり。まだ歩き出してすらいないんだよ」
「子らを侮るな。未来がある場所を選んで子らがあるのではない。子らの手は絶えず未来を作り、大人はそれを手助けするためにあるのじゃ。そなたが街の未来を信じるというのなら、子らの可能性を堂々と受け止め、必死で助けてみせよ。それができぬ土地にどんな前途があろうものか」
「……道理はそうだがね」
 ライラは、じっとレディ・スワローを見つめる。
 ややあって、レディ・スワローは少女たちに改めて細めた目を向けた。
「改めて街の一員になろうっていうなら、相応に働いてもらう。ドラゴンさんに口添えされたからって優遇はナシだよ」
 そう言って、少女たちが頷くのを見て笑う。

 そして、夜。
 豪商屋敷で休んでいた俺たちが夕食の心配を始める頃、それは唐突にドヤドヤと屋敷を訪れた。
 両手に皿を掲げたおばさんたちによって、運び込まれる大量のごちそう。
 簡素な楽器を手に手に携えた、雑多な種族の楽団。
 そして。
「悪いが下品な街でね。もてなそうにも、こういうのになるのさ」
 でっぷりとしたレディ・スワローが身を横に避けると、その背後にはタルクで……というかコスモス本舗で見たような、ほとんど隠せていない薄布の衣装を身にまとった年若い少女が10人ほど。みんな表情が硬い……っていうかさっきレディ・スワローに街に帰らせてって言ってた子たちまで入ってるし。
「どの娘も処女だ。気に入ってくれるといいがね」
「いやちょっと待ってレディ。そういうのはいいんで」
「なんだい。まさかホモかい」
「いやいやいやいや」
「何も嫁に取れって言ってんじゃないんだ。一晩楽しい思いでもしてもらおうってだけじゃないか」
「俺は間に合ってるの! ここにいる娘たち全部俺の雌奴隷なんだよ!」
「…………」
「何その視線!? いやドラゴンライダーなんだからそれくらい当然かもね、って受け止めるもんじゃないの!?」
「……雌奴隷、ねぇ……?」
 レディ・スワローと街の楽団に共通して漂う、何突拍子もないことを、みたいな空気。
 なんか急に現れたスケベな恰好の少女たちに対抗してつい口走った過激な言葉、みたいな風に受け止められている感。
「アンディさん、ここは論より証拠ですわ」
「うむ。わらわたちが雌奴隷であるという姿、見せつけなくては収まらぬようじゃ」
 ザッ、とオーロラとアイリーナが頼もしい表情で前に出る。
 いや頼もしい表情で言うことじゃない。
 というかお前らどうする気だ。

「…………」
 そして。
 屋敷の前庭に、楽団が流すエキゾチックな音楽。
 野外にしつらえられた大きなテーブルを前にした俺の周囲に。
 まさにエロ絵巻のようにはべり、絡みつき、挑発的な視線を送る首輪一丁の雌奴隷たち。
 それを唖然と見るレディ・スワローと街のみなさん。あと処女のみなさん。
「……えーと。そういえば……なんか、言ってたな。こういうのやりたいって」
 俺が呟くと、アイリーナが得意げにニヤッと微笑んだ。

(続く)

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