メイドさんたちがあまりにもノリノリで奉仕してくれるものだから、調子に乗って三人ほど中出しをキメてしまった。
 が、よく考えるとちょっとこれどうなの。
「メイド長さん」
「はい」
「これ意味ないですよね?」
「発言の意図が分かりかねます」
 裸エプロンのままでずっと脇に控えていたメイド長さんは、目を閉じて即答した。
 夏の快晴の日差しの下で、汗だくでダークエルフ女性たちの熱烈奉仕を受けまくっていたせいか、俺の発言も散漫になっている。
 うん。ちょっと落ち着いて。
「さっきからずっと続いてるけど……射精したらこっちでメイドさんがしゃがんで口でお掃除する」
「はい」
「そして俺のちんこが再び元気になる。そのままおしゃぶり続行」
「はい」
「射精したくなるとあっちでオナニーしているメイドさんがやってきて、お尻を並べて選ばせてくれる」
「はい」
「突っ込んで即射精する。以下リフレイン」
「何か問題が?」
「いや普通逆じゃないの? おまんこにずぼずぼして射精は外とか口とかそんな具合が常識的な感じじゃないの? っていうか俺だけ絶え間なく気持ちよくなってるけどメイドさんたちに気持ちいい要素皆無じゃないの!?」
「何か問題が?」
「わざわざ娼婦の皆さんや雌奴隷押しのけて絡んできたのにさ、それの何が楽しいの? って思うんだけど変かな!?」
 まあ俺もだいぶ自分勝手なエロをやる男だというのは事実だ。
 俺がいつものようにみんなと裸でくんずほぐれつやり放題のセックスをしていても、実質気持ちよくなっているのは俺と、その時点でちんこ突っ込んでいる相手だけ。他はただの順番待ち、という事態は多い。
 俺としては、女の子がみんな裸で俺にチヤホヤしてくれている状況は、とても満足感があるのだが……何十分、下手したら何時間も裸で放置され、快楽のかの字もない女の子的にはあんまりだろう。
 それは反省というか常にちょっと気にはしています。とはいえ雌奴隷たちに限っては、下手に服着て待ってろと言う方が「仲間はずれ、今はお前に興味ない」と言われているように感じるようで、何も言わなくても(むしろ乱交に発展しそうになくてもチャンスさえあれば)みんな脱ぐのだけど。
 それはともかくとして、基本的にそういう精神的な理由もないオニキスのメイドさんたちが、俺に一方的に快楽を与え、大した快楽もなく射精だけ膣で受ける、という行動をする意味がない。
 雌奴隷なら孕むのが最終目標という娘も多いので、中出ししなきゃもったいないという理屈はそれなりに通るのだが、メイドさんたちは避妊してもらう前提なので(あとでちゃんとヒルダさんに確認してもらおう)、本当に何が楽しいのやら、ということになってしまう。
 この疑問に対してメイド長さんはしばらく間を置き。
「気づいてしまわれましたか」
「一体何に!?」
 不穏な感じを急に出すのやめて欲しいんですが。
 ……メイド長さんは若干視線を逸らしつつ。
「……うちのメイドたちは快楽を求めているわけではなく、スマイソン様の持つ『お祭り感覚』を求めているのです。極論してしまえば『メイドを性処理に使う主人』という、ごっこ遊びそのものが目的といえましょう。そういう意味では少々お好みに添えないものをお出ししていると言わざるを得ないかもしれませんね」
「……え、えー……いやまあ、うん、確かにそれは好みかというとちょっと違うかもしれないけど」
 そういうことだと、ある意味で俺は祭りの神輿。あるいはアクター。
 彼女たちの溜まり溜まった鬱憤を、俺という「仮定の理想」が晴らす。本当はこういうメイド生活したかったのに! という屈折した理想を、俺という役者を通して体験している。
 だから快楽は度外視ということか。
 そんなに気に食わない役目というわけじゃないけど、あくまでラフラブハーレムを至上とする俺にとっては、あまり理想的ではないシチュエーションかもしれない。
 まあ主義主張を貫徹しているかというと、こうしてメイドさんたちという顔も名前もよく知らない相手との乱交に応じている時点で全然駄目なわけで、というか娼婦の皆さんも、そういう意味では売り込みが目的の過半なわけで……とにかく、不純なのはお互い様ではある。
「不快に思われてしまったようなら心よりの陳謝を……」
「いやいやいや、えーと。それよりは……まあ、その。最初から普通におまんこでやらせてほしいっていうかさ」
「……それでよろしいのでしょうか」
「うん。まあ、できることなら相手にも気持ちよくなって欲しいし。フェラされるのも好きだけどさ」
「わかりました。それでは改めまして、性器の準備の整った者に……」
「いやいや、もうせっかくだから」
 俺はメイド長さんの手を引いた。
「メイド長さんが面倒見てよ」
「……え、その、私はまだそれほどほぐれては」
「いいから。またがれ」
 ちょっとだけ声を低くする俺。
「いいように使ってくれた罰だ。お前の胎で責任を取れよ。メイド長なんだろ?」
 機嫌を損ねて声を荒げているのか、ただそういう理不尽金持ちの物真似をしているのか。自分でもどちらを志向した声音なのかよく分からない。
 だが、彼女は目を見開き、ゾクリと背を震わせた。着衣がエフロンしかないので、褐色の肩の微細な動きもよくわかるのだった。
「……かしこまりました。ご奉仕……させて、いただきます」
「いいぞ」
 俺はニヤリと笑ってみせる。
 メイド長さんはエプロンの裾を引き上げ、簡素な椅子に座った俺にまたがりつつ、小声で。
「ときに、スマイソン様のお宅では既にメイドはお持ちでしょうか?」
「専従はいないけどなり手は結構いるから俺の家に転職は目論まないで欲しい」
「残念です。今ので運命を感じてしまったのですが」
 ちょっとそれっぽい声出してみただけでそんな気軽に運命を感じないで欲しい。
「あ、私にも言って言ってー♪」
「お願いしまーす♪」
「あなたたちは後です……ん、ぅっ……あっ♪」
 メイドさんたちがメイド長さんのよろめきっぷりを見て割り込んで来ようとしたが、メイド長さんはそれを制しつつちんこを膣内に自ら銜え込んでいく。
 それが深く刺さっていくと、今まで仮面のように無表情だったメイド長さんが見る間に表情を歪め、やがて根元まで入ってしまうと凛々しかった目元は緩み、口はだらしなくふやけて、声音も甘くなってしまう。
「……大丈夫?」
「は、はひぃっ……も、申し訳っ……ごらいまへ……んぅぅっ……♪」
 尻穴深くまで指を突っ込まれても平気だったのに、急にとろけてしまってちょっと心配になるが、メイド長さんはそれでも腰だけはグイグイと力強く動き、貪欲にちんこを味わおうとしてくる。
 戸惑いながらそれに付き合っているうち、彼女の子宮口の手前、腹の裏側のポイントにちんこが深く押し当たる角度で、特に彼女が敏感に反応して表情を緩め、その刺激を三往復に一回の割合で求めに来ているのがわかる。
 たしかにそこは深すぎてちんこじゃないと届かない。指で狙おうとすると、手ごと突っ込む必要がある深さだ。
 膣の一部分でだけ耐えられなくなるタイプか。俺のちんこの形状も当てやすい感じでちょうどいいようだ。
「ここ、好き……なの?」
「はひ……っ、んぅっ!?」
 彼女が自分で狙ってくる快感ポイント。
 その瞬間に俺も狙って腰を大きく突き出せば、彼女は喉を反らして悶絶する。
 そして、意識的なのか無意識なのか、連続で味わうのを躊躇っているらしいので、彼女の動きの自律が弱まった瞬間に俺はその部分を集中的に亀頭で擦るように動く。
「いひぃっ……!? あ、やあぁあっ♪」
 余計に彼女の表情が崩れ、無様とすら言えるほどに快楽に負けていく。
 メイド長さんをそうしていじめながら何十度も跳ね上げ、やがて徐々に首をもたげてきた快楽の塊を、彼女に告げることなく腰の奥で成長させる。
 出す瞬間に精液をよそへやる必要はない。彼女の中だけで完結する。それが俺の慣れ親しんだセックスだ。
 俺はビンビンと頭の奥を痺れさせる快感を楽しみ、クールさの影もなく舌を出し、乳を振り乱して、股をはしたなく広げてよがるメイド長さんをオモチャのように突き上げ続けて、やがて。
「……う、ううっ……イく、ぞっ……!」
「ひああぁあぁああ……──♪♪」
 あえぎ続けて喉が枯れ、掠れたメイド長さんの声を聞きながら、その膣内に濃厚な白濁をぶちまけていく。
 受け止めながらメイド長さんは俺によりかかるように倒れ、ヒューヒューという呼吸音を立てながら体を震わせる。
「……こんなメイド長はじめて見た……」
「メチャクチャにイッちゃってる……えっげつないですねえ……♪」
 メイドたちはそんな彼女の姿に若干引きつつ、どこか舌なめずりするような空気もあり。
 これそのまま相手してたらキリないかも、と思ったところで、彼女らの前に立ちはだかったのは何故かベアトリス。
「もうアンタたちはそこで終わり! 長すぎ! この男とエッチするのは私たちの仕事なんだからその辺にしてよ!」
 叫んだ言葉はヴァレリー語(というかカールウィン語)だったが、東にも行商を出すオニキス商会のメイドたちだからか、特に問題なく通じたようで、勢いを失って顔を見合わせる。
 それはともかくエッチし続けるのは変わらないのね。そろそろお昼食べたいんだけど。……と、震えながら乱れた呼吸を続けるメイド長の下で腹を鳴らす俺。


 一方、俺達のセックスから幻影結界で隔てられたステージのほうでは、すっかり裸になってスケッチを続けるグロリアさんがさらなるテコ入れを言い出していた。
「このままだと夜までに描き終わらない……よし、二人か三人ずつステージに上がって。まとめて描くわ」
 それを聞いたノールさんは、少し考えて首をひねった。
「……えっと、二人モチーフがいたら労力二倍じゃない? 時間短縮になるの?」
「なるのよ」
 グロリアさんは言い切った。
「こういうのってね、うまい構図やコンセプトを閃くのに時間がかかるの。逆にそれさえビビッと来れば人数なんて問題じゃないわ。ためつすがめつしてる時間が減れば、半分とは言わないけど何割か時間の節約になる。と、思う」
「そんなもんかしら」
 ノールさんは納得いっていないようだったが、実際二人ずつステージに上げ、それぞれに絡むポーズを取らせるとグロリアさんの描く速度は目に見えて上がっていく。
「そーよそーよこれこれこれ。いいわいいわー」
 最初に二人組で上がったメイドさんたちは背中合わせに立ってポーズを付ける程度だったのが、だんだんと片方が後ろからもう片方の胸と股間をまさぐるようなポーズを取ったり、対抗したコスモス本舗の娼婦たちがまるで立ちバックをするようなポーズで絡んでみたり。
 もちろんそういうのはちんこやオモチャは介在していないけど、見る側に想像力を掻き立てる。
 しまいにはいかにもハーレムプレイしているようにお尻を突き出すポーズでフェリシア嬢とマルチェ嬢がみずみずしい裸体を見せ付けるに至り、ギャラリーの男衆の熱狂は盛り上がり、グロリアさんの筆の冴えも最高潮に。
「さすがにあれはポルノじゃないか? 芸術とはちょっと違うんじゃないかな? っていうかちょっとあの子若すぎない? コスモス君ちょっと、ねえ」
「あの子も立派にお仕事してますよー♪」
「です」
 カルロスさんが目をそらしながら放った疑問に、一応責任者としてステージの下で見ているコスモスさんとイザベル嬢は太鼓判を押す。
 二人とも相変わらず服は着ていないので男衆の眼福要員だが一向に気にしていない。イザベル嬢はたまに背後の男たちを挑発してクイッとお尻を揺する余裕まで。
 うちの雌奴隷たちも思い切りよく脱いではいるけど、あの貫禄は真似できないなあ。
「あ、あのっ……もう三回目の射精、ですけどっ……他の人に代わらなくていいんでしょうか……?」
「ネイアのセックスは慌ててないからちょっと癒されるんだよ。しばらくマンコ貸してて」
「……は、はぁ」
 眺めている俺はネイアのおまんこで休憩。……おまんこで休憩ってどうなの、と自分でも思うが仕方ない。
 だってメイドさんたちも他の雌奴隷も娼婦の皆さんも貪欲なんだもの。
 夕焼け空の下、ネイアは当然一糸纏わぬ姿で、俺に対面座位で乗っている。
 男たちの視線は幻影で遮られているとわかっているものの、やはり見られている感じがして落ち着かない様子。それでも俺とセックスするのは戸惑いながら承服するあたりが可愛いが。
 だばだばと溢れまくったザーメンは彼女の股間はもちろん、俺の下半身と椅子、下草まで垂れ広がっている。
 それでも禁欲の効果か、まだまだ限界が近い感じはしない。夜の本番までは充分持つ……と思う。

(続く)

前へ 次へ
目次へ