砂漠の南は、雪なんか見たこともない連中が多い温暖な地域だ。
 精霊祭も近い今は、そろそろ夏も本格化しようかという頃合い。はっきり言って暑い。
 それもほぼ真昼となれば、日なたにぼんやり立っていたらクラクラする。
「うー……混ざらないつもりだったけど、この水風呂はさっきのセレモニーとは別口よね? 入っていいでしょ?」
 グロリアさんがそう言いながら浴槽にふらふら近づいてくる。
「これ風呂なんで、入るなら裸で」
「あんただってみんなだって、着たまま入ってるじゃない……」
「お、それもそうだ。すぐ脱ぎます」
 俺はベアトリスを放し、じゃぶじゃぶと水を鳴らしながら服を脱ぎにかかる。
 と言っても暑いのは日が昇りきる前からであるため、元々涼しい恰好だ。ボタンもないシャツ一枚と麻の脛丈ズボン、それにぱんつ。水を吸いかけた腰帯を解くのに多少手間取ったものの、あっというまに俺も素っ裸。
 こう暑いと裸になってもあまり恥ずかしく感じないな。水練で脱ぐのに似た感覚のおかげか。
 いや、あったんだよ前は。クロスボウ隊ほぼ全員参加で、ディアーネさんが指導する水練。
 半分暑い日のレクリエーションみたいなもんだったけど、ディアーネさん含め隊員みんな全裸で川を泳いだ。
 街中だったら当然悲鳴ものの光景だが、軍の訓練だ! と、唯一の女であるディアーネさんが強弁すれば、近くを通る町人や農民も誰も文句は言えないものだ。
 ……というわけで素っ裸になってみせる俺を、グロリアさんは「そうじゃないんだけどなぁ」とでも言いたげな顔で眺めた。
 本当は短衣でもいいから着て入浴することを提案して欲しかったんだろう。東部とかの慎み深い場所では川遊びや水浴びといったらそういうものだし。
「まあ、いいけどねぇ。……でも本当に混ざらないからね、せっかく盛り上がってる子達が囲んでるんだから、目移りしちゃ罪だよ?」
「俺は……裸の女性の美しい姿は、手を触れられなくても好きな男です!」
「力強く言えばいいってもんじゃないよね……」
 言いながらもグロリアさんはゆっくり服を解き、他の雌奴隷たちに遅ればせの裸体を陽光の下に晒す。
 そんな彼女を横目に見ながら、俺は先に待っているベアトリスに改めて覆いかぶさる。
「あっ、ん」
「ベアトリス。プレゼントされたからには本当にチンポ奴隷として扱わせてもらうぞ。……日暮れまでは服を着られると思うなよ?」
「っ……それは……アンタが日暮れまでずっとチンポ奴隷させてくれるなら……いいけど……っ♪」
「ベアトリスひとりにかかりっきりはやめてよ。僕……私たちもオマンコをチンポで直接褒めて欲しいんだから」
「ふふ、よい表現ですわアンゼロスさん。無論、他の穴でも構いませんのよ、アンディさん♪」
「いずれにしても、今日はよく晴れてるから水遊びは続けたいものねー☆ これがタルクなら混雑する公共の水浴びオアシスに行かないといけないけれど。いいお屋敷貸してもらえたわよね☆」
「む? この屋敷は借り物なのかのう? ライラ殿の持ち家かと思うておったが」
 いったんシースルードレスに水を吸わせてから、浴槽のふちに座ったヒルダさんの表現に、アイリーナがバタ足で水を跳ね上げながら疑問を呈す。
 どうせそう長期滞在するわけでもないんだからどっちでもいいと思うが、正確には「献上された家」なので、アイリーナの見解の方が正しいだろう。
 三階建ての屋上に大きな浴槽を備え、風車仕掛けで低い水源から水を運び上げる贅沢な屋敷。
 その上誰にも見られない遊び場になっているのだから、きっと前の持ち主である豪商が住んでた時には退廃的な遊びもやってたんだろうな、と思う。
 俺の中では豪商ってそういうものだ。っていうかこんな家建てたら俺も多分やる。
 雌奴隷とかいなかったとしても、セレスタなら娼婦はちょっと探せばいるだろう。財力に物を言わせたエロい遊びに、こんなにいい場所もそうはない。
「んく……ん、ふぅっ……っ」
 浴槽のふちに手をつけた四つんばい状態で、俺の愛撫を尻から陰部にかけて受けるベアトリス。想像していたのか、妖しい告白大会に興奮したのか、既にある程度濡れてはいたが、もう少しほぐしたい感じ。
 これから半日、一枚たりとも服を纏うことを許されない……と言われても、もはや不平も言わない小さな元・敵の少女を、俺は思いつく限りいやらしい手つきで弄ぶ。
「男のチンポに服従する気分はどうだ、勇者様」
「……ん、あぁんっっ……わ、悪くない……けど、何よ」
「……悪くないのかよ」
 できるだけ辱めるようなことを言ってみたのだが、ベアトリスはそれを既に辱めと思っていないようだった。
 思わず止まってしまった俺。そしてヒルダさんが俺の思う問題点を察知してくれたようで、口元を指で撫でつつ深刻な顔をした。
「チンポの良さを一足飛びに知りすぎちゃったかしらねぇ……」
「な、何なのよっ……いけないの?」
「いけない……というか、アンディ君としてはちょっと困る感じなんじゃないの? 初々しさが欲しいっていう性癖部分は差し置くとしても」
「……ま、まあ、確かに若干想像と違う結果を引き起こしてる感じはする……かも」
 ベアトリスはあくまで「預かり物」で、この漫遊への同行もあくまで見聞を広めるもの。
 ……という前提で、最初にベアトリスとエッチしてから連綿と続くエロいイタズラの数々も、決してベアトリスを「堕とそう」としてやっていたわけではない。
 気分的には、なびく予定のない跳ねっ返りの小娘に、外からちょっかいをかけていた感じ。
 だが、ベアトリスはよく考えたら、初めて覚えた快楽への誘いに、抵抗する理由がなかった。
 子作りだってロクな希望の形もなく、「誰か一人の相手を選んで幸せになる」という選択肢に、意味を感じたこともない。
 もし、一連の流れの中で俺に孕まされたとしても、それを不満に感じる理由もない……ということに、俺は最近になってようやく思い至った気がする。
 ある程度男女の正しい形を理解していたネイアに比べて、この娘は妙に歪んでいる……というか、踏みとどまるべき常識の層がゴッソリ足りない。
 セックスの良さを知ってしまえば、一足飛びにチンポに身を任せること、服従して快楽を存分に与えられることに何の抵抗も示さない。
 そんな彼女の特殊性をよく知らないままに、やりすぎてしまった感じがする。
「……なあベアトリス。一応聞くけど、お前……カールウィンに帰る気、ある?」
「……何、突然」
「いや……率直に返答してくれ。自由にしていいって言われたら帰るか、帰らないか」
 おまんこに突っ込んだ指を止めたまま、俺も間抜けな質問してるなあ、と思う。
 っていうか、ほとんど答えなんて分かっている。
「……アンタが来ないなら……こういうこともうやめて、放り出すって言うなら、帰らない」
 もうとっくに手遅れになっている。
 面白がって、へんな理屈をこねるナリスや新顔のグロリアさんに見せ付けるようにして、そのついでにベアトリスをも観客として巻き込んでいたが、それはとりも直さずベアトリスにとっては「啓蒙」だったんだ。
 常識の壁が一枚存在して、それと違う光景に酩酊するナリスやグロリアさんたちよりも、もっと敏感に、簡単に……雌奴隷のコミュニティの魅力を受け取り続けてしまった。
 俺があえて屈従の態度を求めているわけでもないからそうしないだけで、彼女としてはとっくに俺の雌奴隷という進路に抵抗感なんてなくなっている。
 特別、雌奴隷にしようなんて今まで意図していなかったのに、そうなっている。
 それも順を辿れば全面的に俺が仕向けているので、人のせいにもできない。いや一部テテスのイタズラもあったけど。
 ……これ、もうにっちもさっちもいかないのでは。教育に軌道修正加えられる段階は、とっくに過ぎてるのでは。
 と思って、ヒルダさんを見る。彼女はそこらへんの問題を唯一斟酌してくれるので頼もしいが。
「……責任取っちゃう以外ないわね☆」
「ですよねー」
 ヒルダさんが何か逆転策を持っているわけもなかった。というか、ベアトリスが堕ちる事を特に止める理由も彼女にはないんだった。
「……はあ」
「な、なにしんどそうな声出してるのよ」
「……ごめん、そうなるよなーと思ってさ。……仕方ないよな、チンポ教えちゃったの俺だもんな」
 デューク神官長。ブライアン。ごめん。
 この子いただきます。
 心の中で手を合わせ、そしてお尻を突き出して待つベアトリスの、陽光を受けて白く光る肢体に後ろから抱きついて。
「わかった。覚悟しろチンポ奴隷」
「ん、んあぁあっ……♪」
 まずは教え過ぎてしまった責任をカラダで取ることにする。
 ……だいたい、俺は元から独占欲が強い。味見だけして返すなんて、どうせ土壇場になったら情が湧いて嫌になるに決まってる。
 そうでなければ、片っ端から抱いて抱いて全部手元に集めるなんて、彼女らが良くても自分の常識が拒絶したはずなんだ。自分の力だけで幸せにできるはずなんかないのに、こうも次々に上等な女に愛されてたら、先々の心配が勝るはずなんだ。
 それでも分不相応な今を受け入れている。そういうことなら、きっとベアトリスだけを突き放すことなんてできやしない。
 そう、最初からこれしかなかったんだ。
「んあ、あ、はぁん、ん、や、やあっ……つよい、こんな、あぁっ♪」
 バシャバシャと水面を揺らしながら、ベアトリスの濡れてモチモチ滑る若い肌を抱きしめ、黒髪のうなじに鼻を埋めるようにして膣内をちんこで荒らす。
 ブリュリュッと亀頭を絞り抜き、そして乱れ舐める膣襞の感触を荒々しく堪能する。
 体は決して豊満ではないが、ピチピチとした弾力に富む肌は、歳若い娘を汚している実感が強く感じられる。
 喘ぎ声では耐えかねるようなことを言いながら、その実はますます強く尻を突き上げ、角度を変えながら突き込みを貪欲に楽しむベアトリスからは、言うだけあって、このまま何時間でも快楽を楽しもうという欲望が垣間見える。
 やがて細かい小理屈は快楽に漂白され、まともな男女関係も知らない少女の小さな肉体を、白濁で汚し尽くす薄暗い欲求に半ば本能でひた走り、そしてベアトリスを存分に鳴かせて、射精。
「ひあ、あ、ああ、あああああああああああっ……♪」
「っく……は、あっ……!」
 クラクラする。息が切れる。
 そう言えばここは真夏の屋外で、俺は射精能力のために他の身体能力を落とす魔法をかけられていたんだった……と、ベアトリスの膣内でとめどなく汚濁をぶちまけながらぼんやり思い出す。

「ところでアンディ。提案なんだけどね」
「ん、ああ?」
 ベアトリスから引っこ抜いたちんこは、フェンネルとアイリーナが競うように舐めている。
 俺は浴槽のふちを枕のようにして、体を半分浮かせるように投げ出している。水面に突き出したちんこを二人が追うように唇を寄せていた。
 俺に身を寄せながら、アンゼロスはパシャリと濡れた薄絹ドレスに触れる。
「いっそこの町で、アンディの周りに雌奴隷侍らせてお披露目してくれないかな。裸とは言わないまでも、この恰好で」
「いやちょっと待て。何が『いっそ』なんだ何が。脈絡ないだろう。っていうか俺ここではライラについて回る一般人って体裁だろ」
 素っ頓狂なアンゼロスの提案に俺は真顔で早口になってしまった。
 しかしアンゼロスは不満そうだった。
「ご主人様なら、たまには私たちの願望にも取り合って欲しい。口で言ってみせるだけじゃなくて、何もかもアンディの物になったんだっていう実感が欲しいよ。グロリアさんも言ってたじゃない。雌奴隷を一番雌奴隷らしく魅せるシチュエーションは、他人にそういう浅ましい恰好を見せ付けてる時だって」
「そりゃエロ絵巻ではそうなんだけどな!? っていうかそんなに破滅したいのかよ!」
「何も破滅なんかじゃないと思うけど。少なくともここでどんなにアンディのエロペットとして振舞ったって、誰が文句言えるわけでなし」
「そりゃあ……って言ってもせめてアイリーナとオーロラはダメだろ。ここ森林領近いんだし、どこでエルフが見てるか」
「見られたら見られたでわらわは構わぬぞ。もしそれで氏族長を降ろされたとしても、そなたの肉便器として専念するだけじゃ♪」
 アイリーナは乗り気だった。やめてください。
 オーロラも無論それに対抗している。
「元より捧げた身ですわ。たとえ家族の前でも、あなたの雌穴奴隷として裸で精液にまみれてみせましょう」
「だからそれ俺だけがつらいことになるよね!?」
 毎回冗談としてなんとか流してることだけど、どうも改めて俺に身を捧げる誓いを口にしたことで、その到達点にかける思いが彼女たちの中で高まっているっぽい。
「でも、そういうことなら……私やネイアなら、いくらやっても大丈夫……だよね……?」
 息を乱していたベアトリスがゆっくりと体を起こし、余計なことを言う。
「いや、誰なら大丈夫って話じゃ……」
「……私もいいよ。そういうの……何か、もっとすごいところにいける気がするし……♪」
 ちょっと高速で雌奴隷の倒錯を吸収し過ぎじゃないですかね君は。
 ……見れば他の雌奴隷もみんな俺が首を縦に振るのを期待しているような目に。
「ここで悪ければ、わらわたちを一目見てもわからぬ町もあろう。どこでも良い。他に寄る辺なき雌奴隷として、骨の髄までそなたの所有物の実感を得られれば良いのじゃからの」
「ええー……」
 なんだか「ナシ」と言い張っても引き下がってくれない感じの雰囲気だ。
 圧力に負けて、俺は。
「……ここはダメ。ここ以外でなら……ほ、本当に誰もこっちのこと分からないようなところでなら」
 何故かそう約束することになってしまったのだった。
 ……あれ、ご主人様って俺の方のはず……だよな?
「本当にやる気なんだ……こりゃ捗るわねえ」
 すっかり馴染んでいるグロリアさんがニヤついた。

(続く)

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