ブラックアーム、レッドアーム、人気エロ絵巻作家。
 五人の女が、それぞれの子宮の上に、青い顔料で奇妙な文様を描き付けている。
 それはどこのものともしれない獣人の風習であり、子宝を願う物だという。
 しかし、彼女らと不健全な関係を築いている俺からすれば、それは子宝祈願なんて素朴な話ではない……要は「私のココをメチャクチャに犯してたっぷり精液を溢れさせてください」という淫欲にまみれたメッセージを、自らの体に書き込んでいるということに他ならない。
 無論、獣人ならぬ彼女たちからしてもそうだろう。
 それは婉曲な淫蕩への誘い、淫乱の誓いの証とも言えた。
「本気子作り希望印か……」
「に、妊娠のおまじないだよ?」
「つまり妊娠するまでパコパコして下さいっていう意思表示だろ?」
「……言い方に工夫するだけで、そうまで浅ましくもなるんだねえ……エロ文化には長く触れてきたつもりだけど、改めて煽り方を勉強してる気分だよ」
 両脇をシャロンとアルメイダに固められ、印つきの下腹部を突き出す形でテーブルに腰掛けて股を広げさせられたグロリアさん。
 その脇を固めるシャロンたちの下腹部にも、誇らしげに文様は描かれている。
 どちらも隠しもせず、それどころか、早くも激しい乱交の予感に愛液を垂らし始めているのを見せ付けている。
「その浅ましい文様の効力の実験……ふふっ、雌奴隷らしい子宮の使われ方です……♪」
「改めて……私も雌奴隷らしい自らの扱いを、学んでいる気分だ……♪」
 シチュエーションだけで興奮しているのか、シャロンとアルメイダは呼吸も浅くなり、頬も高潮している。
 小刻みに上下に揺れる二人の乳首が、それを俺に知らせてくれる。
 美しく浅ましい雌奴隷たちに、憧れの美人絵師を組み伏せさせて、妊娠希望印入りの子宮を捧げさせる。
 なんとも横暴で魅惑的な光景だった。
「な、なんか私まで変な気分になってくるよっ……そうまで嬉しそうに雌奴隷雌奴隷って囁かれながらエロいことされると」
「すんません。どうもこいつら、そういうのが気に入ってるみたいで」
「……だんだんそういうのが異常に思えなくなるって寸法だね……オチる女が多いのもわかってきたわ」
 自分もどこか興奮しているのを隠そうとするようにヘの字口になったグロリアさんに、俺は苦笑しながら覆いかぶさる。
 実際、喜んで雌奴隷を名乗っている女たちの半分くらいは、最初はそれに納得していなかっただろう。
 まるで熱に浮かされ、争うように先輩雌奴隷たちが「雌奴隷としてのセックス」に溺れ、喜び、見せ付けることで、心理的なギャップが徐々に壊れていった……というのが実情だと思う。
「でも、セックスするからには楽しく気持ちよくいくのが俺のモットーだから。この場だけでもそういう気分でやった方がきっと楽だよ、グロリアさん」
「……べ、別に……嫌がってるつもりはないんだけど、ねぇ……元々エロもコミコミでついて来たつもりだし」
 言い訳のように虚勢を張るグロリアさんの頬に軽くキスして、開かれた股間にちんこを押し付けつつ、まだ突然すぎて濡れが足りない陰唇を指でなぞり、ほじり、クリトリスをくすぐる。
「んぅっ……く、ふっ……っ♪」
「無理は、しないからさ……」
「……ズルいよ、そんなギンギンのチンポ見せ付けて……そんなに優しくおまんこくすぐられたらっ……どうしたって、その気になっちゃうじゃないか……っ♪」
 グロリアさんは見る間に虚勢も崩れ、隠すすべのない発情を露にし始める。
 貪欲な雄の存在、抑えられない劣情、それを肯定する、従順な雌奴隷たち。
 雌奴隷たちが集まって生まれるこの空間は、淫乱な女の性をどこまでも好意的に受け止める。
 他ではどこか後ろめたく、自ら卑下せざるを得ない本性が、ここでは何のためらいもなく曝け出せる。
 そんな後ろ暗い安心感が、今まで雌奴隷たちを増やし、その立場に耽溺させ続けてきたのかもしれない……と、今まさにガードが下がりつつあるグロリアさんを見ながら思う。
「……この、印にはっ……ね……」
 グロリアさんは、膣口まで穿り返されて喘ぎながらも薄く笑う。
「腰を、くっつけあって……文様が汗や汁でぐちゃぐちゃになっちまうまで盛り上がると……きっと孕むってジンクスが、あるそうだよ……?」
「獣人のセックスって後背位の印象あるんだけどな……」
「そりゃ、尻尾が楽な分、バックを好む傾向はあるらしいけどね……始終それじゃあ、いくら発情した獣人だって飽きるさ」
「なるほど」
 そう呟き、俺はグロリアさんの希望通りに……ちんこを深く深く押し込んで、下腹部が触れ合うよう、押しつぶすように身をかぶせて……グイグイと腰を使い始める。
「あんんっ……深、っ……あ、うぁんっ……♪」
なかなかぴったりとは触れ合いづらい部分だが、それでも塗り広げるように、それでいて汗を、汁を絡めるように激しく。
 グロリアさんはそんな俺の腿裏に脚を絡めて、まさに子作りをせがむ妻のていで俺に合わせてくる。
 それをそばで見ているシャロンたちは、うらやましそうに、どこか恍惚とした視線で俺たちの密着セックスを見つめる。
「激しい……良い雌ぶりですよ、グロリアさん……♪」
「はぁっ……私も、こんな風に艶やかに、女の貌を……できるものだろうか……」
 アルメイダの賛辞は、人によっては褒め言葉として受け止めるか微妙なところかもしれない。だがグロリアさんは二人のコメントに反応もせず、ただただ俺のちんこで快楽をむさぼっていく。
「私を、孕ますっ……あの射精で、孕ます、つもりっ……なんだよねっ……♪」
「もちろんっ……孕め、俺の子を孕んで……産むんだっ……グロリアさんも、ここにいる女、みんなっ……!!」
「っっ……ひどい男、だねぇっ……♪」
 グロリアさんは心底楽しそうにそう呟きながら、下から腰を返してますます激しく交尾を盛り上げる。
 そして、やがて彼女の膣内で限界が訪れる。
「グロリア、さんっ……!!」
「……くるのね、きて、きてっ……孕ませて、みせてよっ……♪」
「孕めっ……!!」
 俺の呻くような宣言に数瞬遅れて、快楽が爆発する。
 蠕動するような彼女の膣肉に絞られながら、俺は大量の精液を彼女の子宮めがけてぶちまける。
「んんんんんんっ……♪」
 グロリアさんは目をぎゅっとつぶりながらその圧力に耐え、ほどなく溢れて吹き出した精液は、下品な音を立てて彼女の尻に向けて垂れていく。
「っ……あ……しまっ……たぁ……」
「?」
「最後は……まんぐり返しでキメてれば……種汁も全部おなかに垂れたかも……」
「こだわるなぁ」
 汗だくになりながら、残念そうな顔をするグロリアさん。
 変な発想力と責任感に苦笑する。
「あたしが教えたことだもん……そりゃこだわっちゃうよ……」
「でも心配ないよ。ほら」
「……あ」
 下腹部をすり合わせるように意識したセックスのおかげで、文様は既に滲んだ汚れにしか見えなくなっていた。
 それでもグロリアさんは手を伸ばし、突き刺さったままのちんこの周りに少し絡んだ精液を、腹側にぺとぺとと未練たらしく塗り広げる。
「……もうちょっと、お腹同士でスリスリしようか」
「……ん」
 俺の提案にグロリアさんは何故か少し恥ずかしそうに頷き、そして抱き合って、互いに腹を押し付けあう感じで腰を回す。
 確かに、普通にセックスするよりラブラブ感というか、大事に子作りしてる感あるかも。
「そんなにご主人様の子供欲しいんですねー。この前会ったばっかりなのに」
「……そ、それはっ……て、手本だよ手本っ」
 テテスの冷やかしにあわてて反論する彼女がかわいい。

 もちろん、続々と他の四人にも、文様をグチャグチャにするようなセックスを施す。
「はぁっ……ステキ……ですっ……」
 シャロンは期待で敏感になりすぎていたのか、少し濃厚にしたら涎をたらして虚ろな目になるほど感じまくってしまった。他のガントレット三人がちょっと心配したほどだった。
「……あ、ああっ……♪」
 それはアルメイダも同様だったが、アルメイダがいざセックスになるとめちゃくちゃ弱いのはいつものことなので、これは割とスルーされた。今はシャロンと並び、だらしなく股を開いて半分気絶している。
 これが近くに立てかけられている絵画と同じ人物には思えない痴態だ。無論俺は凛々しい裸体画も、浅ましい事後の姿もどっちも大好きだけど。
「こ、これっ……なんか本当に変な効果、ないですかねっ……!?」
「なんだよ、今さら」
「だってっ……なんか、ちょっと……気持ちよすぎてっ……それに、騎士長も……あんなんなってるしっ……」
「それはナリスちゃんが抱きしめられてエッチするの好き過ぎるせいだと思うなー」
 ナリスは俺と腹を擦り付けあうようなセックスをしながら、文様の効果の高さを訝る。
 そもそもこれは子宝を望む文様であって、性感増幅なんて誰も一言も言ってないんだけど。
「これだとっ……ほ、本当に……孕んじゃう、かもっ……」
「やったねナリスちゃん♪ 孕んじゃったらしょうがない、雌奴隷生活の始まりだよー♪」
「そ、そんな簡単な話じゃっ……って、スマイソン十人長、体起こしちゃ駄目なんじゃないんですか!?」
「いや、子供できたら困るなら、少しでも効果が下がる感じに」
「今さらそんなとこで妥協されても!」
「なんだよ、子供できる感じの抱き方でいいのかー?」
「……どうせできないですし元のを続行で」
「孕みそうって言ったり孕まないって言ったり。どっちなんだよ」
「意地悪……」
 口を尖らせるナリスはやはり他と違った可愛さがあるなあ。からかい甲斐があるっていうか。
 よくナリスで遊ぶテテスの気持ちはわかる。
「♪」
 そんなナリスを楽しそうにうつぶせ肘つきで眺めるテテスは、もちろん腹の顔料がでろでろになるセックスをした。他の四人と違って上にまたがってだ。
 種族的に妊娠が現実的な確率な分、孕もうという気合がちょっと違う。
「ご主人様、私も孕んでいいんですよね?」
「……バスター卿がめちゃくちゃ怒りそうだけどな……」
「兄上なんて関係ないですよー。いざとなったら裸一貫でご主人様のところに舞い戻りますから」
「お前本当に裸で戻ってきそうだよな……」
「ご主人様がそういうの好きなら、ポルカまで徒歩全裸旅行しますよ?」
「割と頭かわいそうな人にしか見えないと思うからやめなさい」
「今私とエッチしてるんですからこっち見て腰振ってくださいよ! っていうかちゃんと体くっつけて!」
 ナリスが体の下で怒った。

(続く)

前へ 次へ
目次へ