アイリーナは服を脱ぎながら、呆れたような声音で言う。
「しかし、チンポ一本で親子二代を屈服させようとは……つくづく男の征服欲というのは浅ましいものじゃの」
「いや、それは……このエロ絵巻の設定の話でな」
「何もそなたのことを責めておるわけではない。この絵巻を描いた者がおり、買い求めた者もまた、たくさんおるのじゃろう。それだけ共感されたということではないのか」
「うーん……エルフスイートナイトは単純に絵柄の支持もあるから、必ずしもシチュエーション単体が受けたという話じゃないんだけど」
 一応反論はしておく俺。
 だが、アイリーナの指摘する浅ましさが、男子一般として特殊なものかというと……まあ、それほど特殊なわけではないのだと思う。
 もちろん、実際にやる奴なんて滅多にいるものじゃないだろう。
 が、どちらも問題なく美しいままに揃う親子がいるのなら、抱き比べてみたいという気持ちはやはり、ある。親子の味比べも乙なものだし、何より本来あるはずのない、「自分の生まれてきた穴を自分の性器と比べさせる娘」とか「自らの体はもとより、我が子すらも惚れた肉棒に捧げる女の欲情」とかっていう文脈は、ゾクゾクする背徳感がある。
「なんか常識人ぶってますけどー。ご主人様も、もしあと十何年かしてエレニアちゃんとセレンさんが二人してベッドで誘ってきたら、絶対大興奮しますよね?」
「テテス……あのな。例えばそういうのは百歩譲って嬉しいって事にしよう」
 俺は溜め息をついてテテスの下着を剥き下ろしつつ諭す。
 腰をくねらせて俺の脱がす作業を楽しませるテテスだが、彼女の背後では他のガントレットナイツの三人もそれぞれ服を脱ぎ始めている。ナリスだけは「うえー、ドン引き……」とでも言いたげな顔をしているが。
「だけど、もしエレニアがどっか他の男……例えばルーカス将軍に惚れて子供産んだ挙句、……その、俺から見た孫をだな、最初からルーカスのチンポ処理係として育てるなんて将来があったら憤死する」
「あ、確かにそれはちょっと吐き気がします」
 真顔になるテテス。
 いや、お前ルーカス将軍についてはそんな大した印象ないと思うけど。あいつね、凄いんだよ? 白エルフのくせに随分性欲旺盛なんだか、嫁何人も揃えてるし、見た目よければハーフエルフでもいただけちゃうという、今考えるとほんともう……エルフにあるまじき凄いアレなんだよ?
 なんで彼を例に出したかというと、俺の孫の代まで現役で女たぶらかしそうな男……というと、彼ぐらいしか思いつかなかったんだけど。
 ほら、エルフって基本的に性欲少なめだし。ダークエルフの男はあんまり面識ある人少ないし。
「なんなら、今のうちにもう片方潰しておきましょう」
 脱がされ待ちの下着姿になったオーロラも真顔で提案してくる。
 もう片方て。
「いや、あくまで例だからな? 別にルーカス将軍を断種したいわけではないからな?」
「潰しておく方が何かと害がないのではないかと思いますわ」
「お前ホント兄貴に厳しいな!?」
 怖いよ。なんでそんなに兄貴を性的に終了させたいんだよ。
 一応この前のカールウィン作戦の時に助けてくれた立派な援軍の一人だよ?
「うん……でも確かにその発想はありませんでしたね……」
「セレンさんの娘ですからアンディさん大好きになるとは思いますが……」
「いやお前ら落ち着けよ? ルーカス将軍っつったのは、俺の知ってる長命種で一番モテそうで女好きそうな奴ってだけのことで、恋愛対象が家族以外っていうのは極めて健全だからな?」
 むしろルーカスがもうちょっと大人しい性格だったら女が惚れない理由がない。顔と強さと家柄は完璧なのだ。
 だからこそ、崇拝に近いほど愛される姿も目に浮かぶって話で。
 っていうか話の本題はそこじゃない。
「対象が自分として想像すると嬉しいだけの話になるけど、やっぱりあっちゃいけない話だよ親子相姦は! フィクションだからいいの!」
「んー……でも私、自分の娘が生まれたら、ご主人様とヤラないとは思えないんですけど……」
「しっかりしろテテス!」
 本当に変な教育だけはしてくれるなよ。
「ま、それはともかく、じゃ。……こほん」
 アイリーナは小さく咳払い。そして、俺に顔を近づけて、少し抑えた声で囁く。
「ち・ち・う・え。……わらわを犯して……」
「!」
 だいぶ照れている声音だったが、相変わらずの華奢で未熟な肢体を俺の目の前に晒しながら「父上」と囁かれてみると、やはりガツンとくる破壊力があった。
 父上、わらわを犯して。
 たったそれだけの一言。なんと背徳的で刺激的な。
「……父上。わらわの子宮は父上専用じゃ♪」
「お……おお」
「この身は父上の種で生まれ……父上だけが穢す身じゃ。穴という穴は、父上を慈しむために存在するのじゃ。今夜も、孝行をさせてくれろ……♪」
 アイリーナは、娘じゃない。
 そんなことはわかっている。わかっているが、やはり自分に向けられた言葉は、その認識すら揺るがしてくれる。
 ごっこ遊びだとわかっていても、その幼い声に、幼い肉体にそう囁かれれば、娘を相手に毎晩過ちを犯す父の気分が広がってくる。
 親孝行と称して肉体を差し出す娘。
 そんなもの、あっていいはずはない。それなのに。
「……ふふ。娘にばかり構っては寂しいです、あなた」
 そして、アイリーナが口火を切ることでシャロンもノリ始める。
「私のカラダも愛してくださいな……この子みたいにチンポ大好きないやらしい娘を、また何人でも産んで差し上げますから……♪」
「おいおい……」
 シャロンもまた、禁忌をあえて踏みにじる発言で煽る。
 母性に富んだ巨乳をことさら俺に押し付けてアピールし、妻というより娼婦のように……エロ絵巻の通りにやるのならそれでいいのか。
「母上、わらわが先じゃ。わらわが孕まされるのを眺めて待たれよ……妹作りはその後じゃ♪」
「あらあら。あなたに娘ができてしまったら私はおばあちゃんと呼ばれるのかしら、それとも義母になるのかしら」
「今宵仕込まれるわらわの妹も複雑な立場になるのじゃから、おあいこじゃろうて」
 いかれた会話をしながら、成熟した裸身を横たえて股を開き、俺を誘うシャロン。そして、子供のようなお尻を突き上げて、俺に陰部をアピールするアイリーナ。
「さあ、父上」
「お好きな穴で遊んでくださいな……♪」
 高貴なエルフ二人が率先した「親子肉奴隷」ごっこ。
 それを見て、他の指名された面々もおずおずと俺を待つ姿勢を取り始める。
「……ご、ご主人様。こちらも……私も、たくさん孕ませてくれる約束だろう? まだ一人しか産んでいないぞ」
「お父様……私にも、おちんちん突っ込んでほしい」
 アルメイダとマイアは競うように股間をグチュグチュいじりながらアピール。
 不器用ながら積極的に淫乱さを見せる姿は、似ていないのに親子という不思議な説得力がある。
「えとっ……あ、あの、まだ経験はありませんが、この場でというならそれでもっ」
「そう無理しなくてもいいんですよ。思い出になるような初体験をさせてあげたいと、お父様も思っているはずですから」
 エマとフェンネル「親子」は、控えめな位置取りと、しかしそれでも、どんなプレイでも受けて立とうとするような強い意志が共通している。
 そして。
「……パパとかママとかって言われても、何がそんなに興奮するんだか」
「ほほ。ま、減るものではあるまい。それ、呼んでみるとよい」
 ライラとベアトリス、黒髪娘二人。
 ベアトリスはハーレムプレイに混ざるのにまだ消極的だが、周りがみんな裸になる中、ライラやヒルダさん、ネイアに促されて服を脱がされるのにはもう抵抗はしていない。
 というか、セックスというものに対するスタンスを未だに決めかねているようだった。
 が、他の雌奴隷たちのように、開き直って求めているのではないだけに、その反応は新鮮さがある。
「さ、言うのじゃ」
「……ぱ、パパ……た、種付け、する、の……?」
 おずおずと、胸元を腕で隠しながら上目遣いで言うベアトリス。
 急に演技をすることに対する戸惑いや、そもそも父母というものが断絶したカールウィン人ならではの困惑が、偶然にも「父の性欲を受けるということに実感をもてない娘」と言った感じの構図になって、さっきからクズな父親的視点に感情移入している俺にはとても威力が高い。
「……する」
「えっ」
「まずはベアトリスからだ」
「え、えっ……ま、待って、やっぱりあとでっ……」
「駄目だ。ベアトリス」
 慌てて逃げようとするベアトリスを後ろから捕まえ、抱きすくめて。
「ヤらせろ」
 まさに「最低な父親」という声音で囁く。
 ベアトリスは、その気になれば簡単に振りほどけるのに、そうすることも忘れて息を呑む。

 ……これはフィクションだ。
 だから俺は実際にはこんな事をしたいと思ってるわけじゃないのだ。断じて。

(続く) 

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