「朝の儀式」の出席者はアンゼロスとルナの他、エルフ四人娘とテテス、シャロン、アルメイダ、それにオーロラ。
それからキュート、マローネ、ミリルの猫組と、ヒルダさん、そしてネイアも出席していた。
それとライラ、エマ。特にエマに関してはここで処女を散らすのか、と一同注目したものの、さすがに乗ろうとしなかったので誰も強要はしていない。
「こ、このようなことを……毎朝、しているのですね……」
「幻滅したかえ? まだ首輪を貰う前じゃ、考え直すのもよい」
俺の腰にまたがり、髪をかきあげながらライラは微笑む。彼女を始め、ほとんど全員が下半身丸出しでベッドを囲んでいた。
「い、いえ、そんなことは……でも、こんなことをしている経緯は気になるといえば気になります」
「それはですねー。雌奴隷はもうたくさんいるけど、ご主人様が全員セックスして回るのって一日かけても時間的に足りないじゃないですか。それにいくらご主人様がエッチ大好きといっても、毎日忙しくそればっかりやってたら、何か哲学的なものに目覚めちゃいそうですし。でも頻度が足りないのを我慢するにしても、それで雌奴隷各自の自覚が薄れるのもよくないですから」
すらすらと説明するテテス。真面目な顔でなるほどと頷くエマ。
「ま、半分くらいはアンディ君の欲張りプレイ志向と、あとテテスちゃんの変態趣味の産物だけどね☆ 額面通りの精神的な意味は感じられるし、おちんちんにおまんこで毎朝ご挨拶っていうのはいかにもエッチで私は好きよ☆」
「まあ……テテスの趣味だとしても、やるのは各個人とご主人様。やぶさかではないことです。気が向けばそのまま種付けになることもありますし」
ナチュラルスケベのヒルダさんとシャロンが補足する。
ちなみに窓はずっと開けっ放し。誰かに覗かれるかも知れないことは事あるごとに言及してるけど、誰もあえて閉めようとはしていない。
……そんなに俺とのセックスを知らない誰かに自慢したいのか。
「そういえば……種付けで思い出したが、我々の、その、避妊の魔術はいつ解いてもらえるんだ」
つい先ほど、俺の上にまたがって膣肉を堪能させてくれたアルメイダが、自らの下腹部を指でなぞりながらヒルダさんを見る。
ヒルダさんは唇に指を添えながら微笑む。
「いつでもいいけれど。妊娠するばかりが女の能ってものじゃないのは、ちゃんと考えて解除を頼んでね☆」
「どういうことだ」
「子供がどうしても早く欲しいっていうんでないなら、何も急いで孕もうとしなくてもいいんじゃない? ……ってこと。私は欲しいからもう解いてるけど、セボリーちゃんみたいにあえて解かずにアンディ君とのエロエロを安定して何年か楽しもうって子もいることだしね」
「む……う、うむ。まあ、私はどちらかというと……早くマリー殿に……ま、孫を抱かせてあげたいと思っているわけだからして」
「うふふっ。親友に孫をプレゼントしてあげるために親友の息子に服従して子宮捧げちゃうなんて、とっても倒錯的でいいわよね☆」
「……なんだかそうも強調されると、私がとても頭のおかしい女に思えるではないか」
「おかしくはないよアルちゃん。私よりずっと背徳的な変態だとは思うけど」
「素晴らしい友情だと思うわ」
テテスとシャロンに賞賛され、腕組みをして悩み始めるアルメイダ。
一方、エマはその倫理的問題がイマイチわからないらしく、「何が問題なのでしょうか」と俺に小さく聞いてきた。
「……まあ、所詮人の感覚だから、ドラゴンが必ずしも理解しなくてもいいと思うよ」
「そういうものですか……」
「ほほ。ま、竜は身内と同じ種で孕んでも気にせぬからのう」
多分猫獣人もそこへの違和感少なそうだ。いや、逆に寿命的な意味で若いエルフが年寄りと親友になれる感覚はしっくりこないかもしれないけど。
まずは温泉で軽く汗を流し、それから町を見て回る。
昨日はセックスばかりで落ち着いて町を眺める暇もなかった。
「おーい、スマイソン」
「おう、だらけてんなケイロン」
「いやいや、これで結構人生考えてるんだぜ」
街角の木の枝の上に寝転がっているケイロンを発見する。
どう見ても昼寝以外の何かをしているようには見えない。
「ディアーネさん、どうだった?」
「仕事してたよ、そりゃ」
「いつごろ帰ってきそうな感じ?」
「うーん……バリバリ仕事続けちゃいそうだったからほどほどにして他に任せるようにライラが忠告してたけど……まあ早くても1〜2ヶ月はかかるかなあ」
「そうかー……夏が過ぎるころまでか」
「なんだよ。もっと暇が欲しかったのか?」
「んー……っていうか、身の振り方だな。ほらオナニーブラザーズなんて元気よく定住するとか言ってるじゃん。俺も割とちゃらんぽらんな方だけどさあ、あそこまでにはなれないわけよ」
「まあ……お前はあいつらと違ってエロへの情熱そんな高くないしな」
「いやいやエロいこと嫌いじゃないぞ。あいつらみたいに大冒険するほどじゃないだけで。……いや、まあそういうことじゃなくて、俺もそろそろ退役するか現役続けるか、退役するにしてもその後どうするか、ってな」
「セレスタに帰るのか?」
「獣人はなんだかんだで人間の町ではあまり楽じゃないからな。百歩譲って差別がないにしても、同族いないんじゃ生活基盤は持てねえよ。旅行で一時逗留ってんなら申し分ないとしても、な」
「そんなもんか……」
「ま、そのセレスタでも特に当てがないってのがまた困りもんだけどな。とりあえず西部行けば住みやすい町の一つ二つあるだろうけど」
「お前も継ぐ家がないってクチか。ランツたちも似たようなもんらしいけど」
「そうでもなきゃ兵士になんてならねえよ」
セレスタは人口に余裕があるので、トロットの強制徴募と違って募集で入った兵がほとんどだ。まあ一部のところでは軍閥の関係で徴兵されたって奴もいるけど。
そういう余裕のある状況下であえて兵隊をやるってのは、金は貯まるし強くなれるけど、結局のところ危険かつ年食っては続かないわけで、職業としてはあまり上等ではない。
それこそ、よほどの武門っていうのでない限り、長男坊にやらせるものじゃないわけだ。王国制のトロットはまたちょっと感覚違うけど。
「猫獣人とかいるし、ここに住んでもいいだろうに」
「俺はあいつらと違って一生独り身ってのはちょっと考えちまうんだよ。一応でもチャンスのあるとこで人生送りたいの」
「…………」
確かにな、と笑おうかと思ったが、俺が言ったらすごくイヤミ臭い気がした。
しかし伝わったようで、ケイロンは木漏れ日の日差しに目を閉じたまま、肩を竦めて溜め息。
「お前もどっちかというとランツたちサイドだったんだけどなあ、二年前までは」
「べ、別にオナネタがあれば嫁は要らないなんて開き直っちゃいなかったぞ! 理想が高かっただけで!」
あと一応アップルの約束の思い出があっただけで。
「でも自分で女の子に近付こうとしてなかったじゃん」
「……まあ、そりゃそうだけど」
「確かに男同士でゴチャゴチャ騒いでるのも楽しいけどさあ。やっぱ三十になると考えるんだよ。俺このまま一人でジジイにならなきゃいけないのかなあ、とかさ」
「…………」
「お前んとこの女みたいな選りすぐりの女じゃなくていいんだよ。ふつーに同族で、メシ作れてせっかちじゃなくて、子供好きで健康なら」
「お前にそう言う願望があったなんてなあ……」
「普通あるんだよ。ランツとゴートがおかしいだけだ」
そういうのを聞くと、だらけているように見えて色々考えてるというのは納得できるかもしれない。
ディアーネさんが戻ってくる日取りを確認したのも、それが決断のチャンスだからだろう。
「もちろん、すぐじゃなきゃいけないってわけでもないし、しばらくココで過ごすってのもアリだけど……酒も饅頭もうまいし……」
「いや、そこまで深刻に考えたんなら妥協なしにしとけよ。切迫感もって行動しとけよ」
「もう一冬二冬遊んだっていいじゃねえかよう」
「お前それ結局悩んでるフリだよな!? 欲望に負けてるよな!?」
……しかし、当たり前だけど、みんな結婚とか老後とかあるんだよなあ。
終わらない楽しい夢みたいな環境にいると忘れそうになってしまうけど。
(続く)
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