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「剣聖旅団諸君に命ずる。王は、退位した。至急、新王即位式典に参列せよ」
「だ……な、なんじゃあれは」
「ボナパルト殿はまだ帰らんのか! ここまでセレスタのダークエルフが来るなんて……」
「それより王が退位だと!? よ、予定より早過ぎる!」
「繰り返す。ユリシス王は退位した。新たな王が誕生する。剣聖諸君は至急新王即位式典に参列せよ」
「ど、どういう……ことだ」
「我らを断罪する気なのか……!?」
「ボナパルト殿なくして我らのみで……戦神の部隊に勝ち目があるのか……」
「……私が聞いてまいります」
「コンウォート殿!?」
「ダークエルフの方よ。剣聖旅団をどうするおつもりで……あ、あなたは!?」
「おお、お久しぶりですぢゃ、コンウォート学長。……いや、良い『演習』でございましたな」
「え、演習……!?」
「演習でしょう。軍属民間含め、誰一人死者は出ておらぬ。我が娘よりそう聞いておりますが?」
「……どういうことですか? 真意は……」
「真意も何もありはせぬ。誓って。……そうぢゃな、娘婿の一世一代の屁理屈が、少し沁みた……とでも言っておきましょうかな」
「……?」
「ふふ、こちらの話ですぢゃ。……ああ、きっとこの国はよくなりましょうな。誇りある若者のいる国は、きっと強くなる。どうか、ともに杯を上げましょう。あの新王には、きっとまだまだ年寄りの昔話が必要ですゆえ」
「……わかりました。アシュトン大臣閣下」
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