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「……この剣は、どういうつもりじゃ? ルース・ボナパルトよ」
「革命ですよ、先王陛下。あなたには王位を降りていただきます。お疲れ様でした」
「このワシを退けて王になろうというのか。こんな負け犬の国の王に」
「そうです。……いいえ、負け犬の国などであるものか」
「ええ。私の夫の国に、そんな暴言は認めません。陛下」
「レイナ……」
「我が誇りである父上と! 妻の誇りであるあなたが築いたこのトロットが! この美しき大地が、あの頼もしき剣聖たちが、負け犬の国であってたまるか! 私はここに宣言する! 敗北に我を忘れた老王を廃し、再び国民の一人一人に至るまでが誇りと共にこの旗を見上げる国に、立て直すと!」
「……ルース……!!」
「私たちの、このトロットの未来に、血で彩られた門出などいらぬ! この背にトロット六百年の歴史と三百万の民の信頼、そして愛しき妻の愛を背負おう! 見ているがいい先王よ、父祖よ、私たちは、あなたがたの誇るべき子であると証明する!」

「……ガードナー……裏切ったのか……?」
「ははは、王よ。この大公爵を脇役にして目立とうとするのが悪いのです。……ええ、老人は未来を作れない。未来は子らのものですよ。それを思い出しただけです」


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