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と、しばらくそうしていると、俺たちにそっと近寄る影があった。
「もし」
「……は、はい」
マイアの母親の声。
さすがにもう娘を解放してください、とでも言われるかな、と思い、ちょっとはっちゃけ過ぎた自分の言動を思い出して一人赤面する。
と、その俺の耳に届いてきたのはどうにも信じがたい言葉だった。
「つ、次は……私とお願いできますか?」
見上げると、やはりほとんど裸で妖艶に微笑む彼女の笑顔があった。
どうも、人間の男の繁殖力の高い精液は、ドラゴンの繁栄にはとても適しているらしい。
ドラゴン族の子はドラゴンになるならドラゴン、異種族になるなら異種族と完全に分かれた形で生まれるので、繁殖力の低い同族で子作りするよりも数倍の着床率を誇る人間相手の方が効率がいいんだそうだ。
とは言っても、やっぱり人間汁でも十何年に一人ぐらいの確率だそうだが。
……あと、ライダーのいないドラゴンは交尾に関してあまり倫理観がないという部分も大きい。
「ほ、そういうつもりだったか、ミスティパレスの青蜥蜴どもめ」
「ならば私たちも遠慮している場合ではないな」
「え、ちょっと、二人とも!?」
……今夜も長い夜になりそうだ。
(続く)
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