前へ
きっかり10分ほどして、ヒルダさんがまた現れた。ちゃんと濡れ布か何かで身づくろいをし、爽やかな香りの香水を掛け直して、まるで別人のように緊張して。
そしてまず、時間がくるのを確認してから、足に幻影魔法をかけて動けるようにしてもらう。
「……そ、それじゃあ、お願い、します」
「ヒルダさん、そんな緊張しないで」
「でも」
「……いいから」
ヒルダさんの髪を軽く撫で、スッと軽いキスをして落ち着かせる。
「っ……!」
落ち着かせるつもりが、ちょっと硬さが増してしまった気もするがまあいいとして。
服を一枚ずつ脱がして、さっきまで見ていたはずの肌を、ゆっくりとはだけさせていく。
「んっ……」
その肌は、少し緊張して恥じらいがあるだけで、何か別物に見えた。
あれほどあっけらかんと見せてくれていたはずなのに、なんだか酷くいけないものを見ているような錯覚。
いや見てはいけないものであってるんだってば。人妻だし。
「……いいですか?」
「……うん」
その肌にキスをする。
ダークエルフの若々しい肌を、舌でゆっくり舐め上げる。
それは、直接的な快楽を引き出すことに長けていたヒルダさんとしては物足りない限りだろう。
だが、それでいい。
全開で快楽を貪るばかりじゃ駄目だ。期待して、期待させて、欲して、与え、そして与えられる。互いにそのプロセスを踏まないと味気ない。
「こ、んなっ……そんなとこ、舐めないでっ……」
「舐めたい」
「アンディ君っ……」
「おっぱいがいいですか?」
「……うん」
「ちゃんと言って」
「……おっぱい舐めて、吸って……揉んでぇっ……」
言う通りにする。
やっときた望みの快楽に、ヒルダさんはうっとりと身を任せる。
その間に体を揉み、脇腹を撫で、太腿、そして股間へ。
オーソドックスに、ノーマルに。普通の恋人同士のような愛撫を続ける。
「……こんな、じれったいの、初めてかも……」
「いきなりメインディッシュばかりがっついたって嫌になっちゃいますよ。らぶらぶってヤツはもっとじっくり、気長に、優しく甘くやるもんです」
「……そっ、か」
「まあ俺もセレンにそう仕込まれて半年も経ってませんけど……あたっ」
「らぶらぶしてる最中に他の女の話しないのー」
こんな他の女の環視の中でやってるのに。
「……でも、ちょっといいかも」
俺を叩いたその手で優しく撫でる。
時に乳首に絡みつくように、時に食らうように動く俺の舌と唇に、ようやく自然に身を委ねてくれる。
「よく考えたら子供作ることばっかりのセックスが最後で途切れちゃってたから、こんなに悠長に身体を任せるなんて……ずっとしてなかったよ。旦那さん、私の身体に飽きちゃったのかなって思ってたけど……飽きちゃったのは私の方だったのかな」
自嘲するように言う。
確かに旦那さんだって飽きていたかもしれない。というか辛かったのだろう。
でも、この人だってきっと努力の末に手に入れた技だった。
せめてどっちかに、ブレーキだって愛なんだ、ということを思いつく余地があったら、まだずっと仲睦まじくできていたかもしれない。
……でも、エルフは、ダークエルフは、人と比べて「変わらない」生き物。
割と、なんでそこで立ち戻れないんだろうってところで引っかかったまま時間を過ごしてしまう傾向がある。
そのひとつの典型例なのかも知れない。
「じゃあ……改めて、お邪魔します」
「……うん。頑張って」
「頑張ります」
何を頑張るのかイマイチよくわからないが、すっかり開いたヒルダさんの膣に、俺はズブズブと進入していく。
「っう……くっ」
何の小細工もなしに、ただ期待感に潤みきった膣穴は、やはり熱くて狭かった。
「はあっ……」
「さっきまで中に射精してたんですよね、ここの……」
「そうね……」
「でも、男は女に『中出し』したいだけじゃない……やっぱり『犯したい』んですよ。子供を仕込むのだって興奮しますけど、やっぱりこのちんこで、自分の意志で相手の大事なとこ、味わいたいんです」
「……ん。ごめんね、中出しだけさせちゃって」
「今、ツケを払ってもらいますから」
ぐちゅ、と腰を動かす。
「んぅ……」
ねっとりと絡み付く膣。まだヒダヒダの間には俺がさっき残した精液が残っていることだろう。
だが俺はようやく、じっくり味あわせてもらう、ようやくただの精液噴射機ではなく男性器として入れてもらう、人妻の膣の感触に酔いしれていた。
背徳感は相変わらず抜けない。
この膣は、この子宮は、本来他の男のもの。
だが、それを今、うっとりとじっくりとヒルダさんは俺に開き、受け入れてくれている。
今俺は、この人妻の身体を横取りしている。
それを事実だけでなく実感として味わえることが、ゾクゾクするほど心地いい。
「……ヒルダさんっ……」
「ね、アンディくんっ……キスして、キスしながら、おっぱい揉みながら抱いてっ」
「はいっ……」
ぐちゅ、ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅっ……。
段々腰の動きがリズミカルになる。
そして、その動きに合わせてぎゅむっぎゅむっと柔らかいおっぱいを揉みしだき、ディープキスで互いの舌を愛撫し合う。
高まる。
快楽とともに愛しさが高まる。
……ごめんなさい旦那さん。今この時だけは、ヒルダさん、いただきます。
「ん、ぐ、んぐぅ……♪」
「れるっ……んぶ、んぐぐ……」
腰の動きが最高潮に達して、俺はヒルダさんの乳房から手を離し、ぎゅうっと抱き締める。
ヒルダさんも俺の腰に足をかけ、思いっきり引き寄せ、腕にも力を込めて、逃がさないようにする。
そして、中にどっぷり射精。
「んーーーっ♪」
「ん……んっ」
吹き出す。
またもや小便のように汁が吹き出し、ヒルダさんの子宮を満たし膨らまそうとする。
「んは、はっ……はあっ……はぁっ……」
「ぷ、ふぅっ……」
ヒルダさんが唇を離し、満足そうに俺に微笑みかけた。
「……あはっ……初体験、みたい、だった……♪」
「光栄です」
絡み付いた足はまだ放してくれない。
「……えへへっ……そうだねぇ……こういうエッチで子供出来るんなら……愛の結晶、って……言っちゃうわよね……」
ふと。
「……ところでヒルダさん、俺ずっと中出ししてるけど、なんか避妊手段とかあるんでしょ?」
真顔で首を傾げられた。
「ないよ? ていうか、あるけど使ってないわよ?」
「……あの、魔法のお医者さん?」
「……大丈夫、大丈夫」
ぽんぽん、と安心させるようにヒルダさんは俺の背中を指で叩いた。
「どうせ今出来ても生まれるまでに旦那さん帰ってこないから、ないしょで産んでディアーネちゃんの子供ってことに」
「姉上ー!?」
ディアーネさんが叫ぶのも無理はない。
というかやっぱこの人いろいろ凄すぎる。旦那さんマジごめん。
(続く)
次へ
目次へ