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 薄布のネグリジェを引き解く。
「あんっ……」
「さすが、お嬢様だけあって綺麗な体だな」
「ふふ……とくとご賞味あれ。あなたの数多の女の中で、これから誰よりも多く使うことになる体ですわ」
 自信満々だ。これから初体験だっていうのにこの肝の据わり方は結構すごい。
「……胸薄いけど」
「な、何を仰います!! これからですわ、これから成長いたしますのよ!?」
 気にしていたらしい。胸のことにふれた途端、真っ赤になって逆上した。
「……純血エルフが成長する頃には俺の10代先の孫が枯れてそうだけど」
「ち、違います! わたくしまだ成長期です!」
 待て。
「確かディアーネさんに前聞いた話だと、エルフの成長期って18あたりで止まってそれから八百年くらい鈍化するって」
「で、ですからわたくしまだ17です! あと10ヶ月ありますわ!」
 ……落ち着け。
 落ち着け俺。
「……何お前ハタチいってないの?」
「いけませんか?」
「いやその」
 じ、17って大丈夫だよな? トロットでも16から結婚大丈夫だったもんな?
 ジャンヌと違った意味で「いいのかなあ」って展開だ。まさかエルフを相手に歳の心配するハメになるとは思いも寄らなかった。
「ここまで来て、わたくしの肌を隅々まで見ておいて、今さら『できません』はナシですわよ?」
「……わ、わかった」
 確かにそうだ。もう知らん。ハラを括ろう。
 ……ああ、何度俺は「知らないぞ」とか思ってるんだ。こないだの自分の独占欲もエゴも認めようって決意はなんだったんだ。
 駄目だ駄目だ。自分の肉欲を満たしているときぐらい、人のせいにせず自分の中のそういう欲深くて醜い部分をきちんと見つめよう。認めよう。
 そうじゃなきゃ、抱かれた相手からしたって情けないじゃないか。
「や、んっ……そんな、乳首っ……」
「俺が死ぬまでこの体、味あわせ続けるんだろ? こんなん序の口だ。俺に好きにやらせておくと、毎日穴という穴使って中出しして、それだけじゃない、この乳首にも背中にも掌にも顔にも耳にも、ありとあらゆるところにちんこと精液なすりつけるぞ」
「ん、ふふ……そうですわね。ワクワクしますわ」
「いい度胸だ」
「殿方がこんなに私の全てに欲望を示すなんて、初めてですもの。顔や剣腕、血筋に興味を示した方は……あんっ……お、多くいましたが……わたくしの体全てに、そこまで牝としての価値を見出すなんて。それが恋しい貴方だと思うと、否が応にも疼きますわ♪」
「本当に据わってんなあ……」
 ほとんど脅すような、彼女の最も嫌がりそうな汚らわしい表現でこれからすることを囁いたというのに、その挑戦的で陶酔的な眼差しは変わらない。
 こいつは本当に大物かもしれない。ルーカスをいずれ排し、クラベスの女王となる器かもしれない。
 そんな女が、俺の手指で、舌で感じ、喘いでいると思うと余計に興奮する。

 チクチクと、アンゼロスのことが疼く。
 アンゼロスと特務百人長がこんなことしてたら、と思うと脳髄に嫌な音が響くが、今は無視。
 どうせ、俺はそれを否定できない。ルーカスと違って特務百人長は文句のつけようもない。だから俺にできることは、それから目をそらすことだけ。
 このしなやかな少女の肉体に溺れて、目を瞑ってやり過ごすことだけだ。

「そろそろ、入れるぞ」
「は、はあっ……はぁっ……はいっ……」
 赤い髪を振り乱し、オーロラは俺の言葉にこくりと頷く。処女をこれから失うという、その重大さをさっぱり感じていない、まるで聞き流すかのような頷き。
 そのまま突き破ってしまっても、オーロラはきっと何事もなかったように気にしないのだろう。そういう豪胆さをこの娘からは感じる。
 だが、俺はそれでも強く自覚させたかった。俺の上で初めてを失うという事を。
「さあ、オーロラ。ねだってみろ」
「……え?」
「『エルフの姫であるわたくしの処女膜を、人間平民チンポでブチブチ引き裂いて子宮にくっつけて射精して孕ませてください』とねだってみろ」
「……はあ……はあ……」
 息を荒げつつ、ぼんやりするオーロラ。
 自分がしていることを、自分の立場を、相手の正体をしっかり自覚して、それで取り返しのつかないことをしようとしていると、自覚させながらじゃないといけない気がしていた。
 オーロラはうっすら笑う。
「アンディさんはそういう趣向がお好みですの?」
 そうして、俺の上にまたがり、ゆっくりと小陰唇を開いて、ちんこにキスさせながら、オーロラはしっかりした口調で言う。
「さあ、今から誇り高いエルフの尊い血統、クラベスの姫であるわたくしの処女膜をアンディさんの人間族の平民の極太チンポで残らず引き裂いて、血まみれの膣をずぽずぽして子宮に直接ドクドク射精して、しっかりハーフエルフを妊娠させてボテ腹にしてくださらないと承知いたしませんわよ?」
「……アレンジ入れすぎ」
「繰り返しましょうか?」
「もういいよ」
 やっぱこいつは役者が上だ。全部わかってて、自分の優雅さ、上品さを意図的に貶められているのを理解した上でそれさえ呑み込む器だ。
 俺の負け。
 そう思いながら、俺は亀頭と陰唇をキスさせているオーロラの細い腰を掴んで、引き降ろす。
「あ、……ぎ、あ、う、ああっ!!」
 さすがに痛いらしい。強引に押し付けられる腰と腰の間で、突き上げるちんこに処女膜が音を立てて引き裂かれ、オーロラが目を見開いて痛がる。
「い、痛っ……こ、んな……」
「ほら、まだ入っただけだぞ? 俺動けないんだから、お前が動かないと終わらないんだぞ」
 細く引き締まった太腿をパシンと叩く。ふるふると震えて痛みに耐えていたオーロラは、ビクンと震えてから、涙を浮かべつつむくれた。
「せ、せっかくの処女喪失ですのに……もう少し浸る気はないのですか」
「痛いの長引くと困るのお前だろ。大体夕方までには身づくろいも終えてないといけないんだぞ」
「もう。雰囲気のないお方」
「わざとだ」
「つれないお人……♪」
 そう言いつつも、突き刺さったちんこを腹の上から愛しそうにひとなでする。
「ですが、勝負を降りるのは主義に反しますわ」
「いや勝負って」
「ふふ……わたくしの一人勝負。貴方に努力できる場所はありません。宣言通り、貴方を射精に導くことがわたくしの勝利ですわ♪」
「痛いぞ?」
「どうさせたいのですか、貴方は……まあ、どちらでも同じですわ♪」
 くい、くい、とオーロラが小刻みに腰を動かし始める。
 まだ痛いはずなのに、それを押し殺し、俺のちんこを喜ばせる動きを模索し始める。
 それは決して容易なことではないはずなのに、オーロラは脂汗を流しながらあくまで優雅な笑みを浮かべて腰を振った。
「す、すげ……」
「ふふ。見直しましたか?」
「……し、処女がこれだけ腰振るなんて……できないぞ、普通っ……」
「これでも天才と呼ばれた器ですもの」
「それ、剣だろ……」
「何事においてもわたくしは負けませんわ」
「エロの天才と言われて嬉しいのか……?」
「貴方に言われる分には……♪」
 駄目だ。こんな切羽詰まってるのにこいつに言い勝てる気がしない。
 その情熱的な腰の動きと、強情な熱意に、俺はちんこの先から白旗を揚げる。
「あ、はぁ……っ♪」
 オーロラはのけぞる。窓から差し込む、よく晴れた青い空の光の中で、その赤い髪がやはり優雅に踊った。


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