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「ってわけで、今回は正真正銘ジャンヌ一人で勝った」
「……危ない橋を渡らせたもんじゃな」
「危なくなっても一人でそれをなんとかする、その経験がなきゃいつまで経っても自分が一人前だなんて思えないだろ。それにこの子は充分強い。勝てると思ったからやらせたんだ」
「……まったく、お主みたいなヘタレっぽい優男なら万が一にも大丈夫じゃと思うて頼んだのに、とんだ誤算じゃ」
 ライラは疲れて眠るジャンヌを俺から受け取ると、苦笑いして額にキスをした。
「思ったよりお主は兵(つわもの)じゃったわ」
「……や、やっぱ、軍人はダウト?」
 今さらながらにちょっと怖くなる。ヘルズボアなら逃げれば済むかもしれないが、ドラゴンから逃げるのは……無理、かも。
「ダウトじゃな。……ふふ、久々に燃えてきたわ」
「い、いや、その、お願い、命だけは」
「ふふふ……」
 ニヤニヤしながらゆっくりと近づいてくるライラ。
 俺の肩に馴れ馴れしく腕を回し、肩を組んで囁く。
「助かりたいか?」
「……で、できれば是非に」
「そうか。ここではなんじゃ、ちょいと奥へ行こうかの」
「……はい」
 ジャンヌを寝かせた部屋の奥は、俺が落ちてきた水場になる。
 そこでライラは躊躇なく自らの服を脱いで、全裸になって俺に絡み付いてきた。
「な、何を」
「ほ。決まっておる。精をよこせ。我は母になるんじゃ」
「はぁ!?」
「ちょうど一人暮らしに飽いてきたところじゃて、お主の子種で少しばかり里を賑わせようと思うた」
「なんでそうなるんだよ!?」
「ほ。お主の子ならよき竜になろう。ただそれだけじゃ。なあに、ドラゴンパレスも住んでみれば悪くない」
「しかも俺飼われるのかよ」
「ならば我を飼うか? どちらでも良いぞ」
「待て! 落ち着け!」
「落ち着けぬわ。百年ぶりに我を濡らしたのだ、相応の報いは受けてもらわねばな?」


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