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誰も怪我することもなく、無事に戦いが終わった。
圧倒的勝利。今仲間たちは切り通しに散乱するマッドウルフや歩兵隊の死骸を片付けにいっている最中だ。
そして俺はというと、……最後の奴の噴出する血をもろにぶっかけプレイされて、百人長許可のもと、近くの池に洗い流しに来ているのだった。
「えへへ〜。はーい、ぬぎぬぎしてくださいねー」
「…………」
そして、ついでにセレンも現れていた。
出撃前に「軍務だから絶対についてきちゃ駄目」と言い含めておいたのに、徒歩で馬車についてきたらしい。
戦闘中の俺の一瞬の危機に、あわやと飛び出そうとしていたという。そんなことしたらまたアンゼロスに何を言われるかと思うと、よく我慢したな、と思う。
「よしよし。えらかった」
「ふふっ♪」
別に褒めるようなことでもないと思うが一応褒めて頭を撫でておく。セレンは猫のようにしがみ付いて微笑んだ。
いろいろ安上がりな子だよなーと思う。
「って、血がついてるのに抱きつくなっ!」
「あ、あれ?」
そして多分天然系だ。
仕方なくセレンの服も一緒に洗うことにして、二人で素っ裸で池に入る。
煌々と輝く月明かり。水面の照り返し。山の澄んだ大気の中で見るセレンの全裸は、やたらと神秘的で芸術めいて、それでいて確かに躍動する生命力を感じた。
大自然の中、自分も彼女も場違いに裸。セレンの無邪気な笑顔を見ているうちに、俺の下半身はムクムクと成長しだしていた。
「……えへへ」
「セレン」
「…………セックス、します?」
「いいのか?」
「いいに決まってます。アンディさんとならいつでもどこでもえっちなこと、できますよ。だって私は雌奴隷だもの」
「…………」
彼女は俺の何もかもを全肯定する。俺が求めるよりもっと上を捧げようとする。
それが不可解で、たまに怖い。もしかしたら俺を愛しているなんていうのは言い訳で、何かの理由で何もかもが嫌で、ただ捨てたくて捨ててるだけなんじゃ、と思ってしまうほどに。
そんな疑問をなんとなく感じたのか、セレンは複雑な顔で笑う。
「アンディさん。私はね……ハーフエルフはね。なんにも持ってないんです。どこにいても何も持てない。持って歩けない、持って来れないんです」
「…………?」
「その上人間の偽物で、エルフの偽物で、国民の偽物で、魔物の偽物なんです。だから……例えば、本当の何かを見つけたら、偽物だらけの自分も、手ぶらの空虚な過去も、……もしも捨てられた後なんて心配も、何もかもいらないから、本物が欲しくなるんです」
「それが……俺?」
「いいえ。貴方のことを好きな気持ちです。多分、どんな種族よりも本当の、本物の情熱です。あなたとの出会いは最初が変だった、なんてこと、私だってわかってるんです。でも最初とか末路とか、そんなのは好きって気持ちとはなんの関係もないんです」
俺の手をいつものように自分の胸に導きながら、俺の腕の中に収まるように身をこじ入れ、水に沈み込みながら、セレンは囁き続ける。
「同じハーフエルフの友達が言ってました。だから、雌奴隷になりましょうって」
「……な、何それ」
「例え貴方が知らないうちに誰かに取られていても、例え貴方がすべてを失ったとしても、私は貴方の傍にいます。貴方が死ぬまで私は貴方のものです」
「奴隷をお金で買うように、貴方は私を愛で買いました。奴隷が自由になるために働くように、私は束縛されるために貴方を愛します。私たちの言う雌奴隷ってそういうものなんです。それだけでとても幸せな人生なんです」
「……わかんねえ」
「でしょうね。わからなくていいんですよ。他人の幸せってそういう物ですから」
クスクスと笑った彼女に嘲りも失望もない。ただ、嬉しくてしょうがないというように。
俺たちから見てそれは狂的であり病的かもしれないけれど、それは彼女たちの普通なのだ。何の不足もない幸せなのだ。今の俺にはそう納得するしかなかった。
「……入れていい?」
「ええ。アンディさんっ……大好きです」
水の中から立ち上がり、彼女の尻に腰を近づける。
幻想的な月明かりに照らし出されて、薄く青白い光を纏ったような身体は本当に美しかった。
その美しい少女が俺にメチャクチャに犯されるのさえ心待ちにしているという事実に、異常に興奮した。
「ふぁ……あ、ああっ……ひぁぁっ!」
「っ……く」
ずにゅにゅ、と熱い膣の中に潜り込んで行く。肌も膣口も、触った瞬間はヒンヤリと冷えているのに、すぐに燃えさかるように熱を帯びてゆく。
彼女そのもののような感触だった。あの雪の日に戸惑いながら抱かれた彼女が、いくらもしないうちに一生を捧げる情熱に駆られたように。
腰を動かす。
パシャン、パシャン、と膝上までの水が腰の動きに合わせて音を立てる。
「ん、ふん、ん、あっ……あ、ああっ、いいっ……いいっ!!」
「いいか? 気持ちいいんだな?」
「はいっ……はいっ、気持ち、いいですっ……今日ずっと待ってた……一日中アンディさんにまた犯される想像して濡らしてましたっ!!」
「変態雌奴隷だな……!」
「はいっ!! 変態ですっ!! 変態でいいんですっ!! アンディさん以外の何もかもに蔑まれる、アンディさんに夢中の変態雌奴隷でいいんですっ!」
「ああ、それでいい……それでいいっ!!」
ムッチャクチャに腰を振る。セレンの二の腕を掴み、馬の手綱を引くように自由を奪うセックス。
それにさえセレンは舌を出して喜んだ。俺とのキスをせがんで、キュウキュウと締め上げながら自分で腰を押し付けてきた。
その健気な動きが、あまりにも良くて、やっぱり経験僅少な俺は耐え切れない。
「う……く、出る……出すぞ」
「はいっ……出してくださいっ! 赤ちゃんできてもいいです、あなたの赤ちゃん産むためだけの子宮ですからぁっ……どんどん流し込んでください、いつでも、どこでもっ!! 待ってますからっ!!」
「……んくっ!!」
やっぱりちょっぴり狂的で、ちょっぴり重すぎるほどの愛。
だが女の子に愛されるなんてことを知らなかった俺には、そんな負荷のある愛さえ嬉しくて。
ドクン、ドクン、ドクン……と、今日も激しく射精した。
「ふぁ、あ……ああっ……しあわせ、です、よぅっ……」
セレンはうっとりと呟いて虚脱した。
そのまま後ろから抱き締めて、繋がったままばしゃりと後ろに倒れ、二人で月を見上げながら水面を漂う。
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