惚れ症のハーフエルフさんX設定資料
・世界概観
剣と魔法と異種族とドラゴンとエッチとセックスと全裸。
人間を最大多数としつつたくさんの異種族と共存するどこかの世界。
魔法を得意とするエルフ系、運動能力を身上とする獣人系、恵まれた体格とパワーで戦闘を制するオーガ系や、鉱工業に無類の力を発揮するドワーフなど、多くの種族が共に暮らす。
力の頂点を極める存在として「ドラゴン」も多く生息するが、その生態は他種族の社会構造と完全に遊離しているために政治軍事上不干渉の立場をとる。
文化レベルは中世〜近世。
魔法などの特殊な技術が存在するために医療など一部の文化は大きく進歩しているが、基本的にはあまり立派なものではない。
一般的に軍人が強い。当然のことながら、きちんとした訓練環境にない冒険家などに度外れの英雄がいることは非常に稀。
主な舞台となる「北西平原」周辺にはその中でも特に常人を大きく超えた戦闘力を持つ戦士に称号を与える文化があり、「エースナイト(セレスタ商国)」「剣聖(トロット王国)」「パラディン(アフィルム帝国)」「レッドアーム(レンファンガス王国)」など各国ごとに違った称号が与えられる。
彼らの戦闘力は一般兵の数十倍に及び、戦術によっては一人で百人隊を相手取ることすら決して不可能ではないものとされる。それゆえ戦争では独自ルールを与えられ、一騎打ちによる決着を受け持つ花形とされている。
魔法技術は未だ未熟であり、一般的なファンタジーの大呪文のように大きな破壊現象を引き起こす術はほとんど存在しない。
そのためドラゴン最大の武器である「ファイヤーブレス」「ブリザードブレス」はこの世界においてダントツの効果を誇る攻撃法であり、その飛行能力による機動性とあわせて彼らを最強のものとする一因にもなっている。
その代わり魔法技術は直接的破壊のように大きな力を要するものでなく、幻影術など小さな力で大きな効果を呼ぶものが現場での主役を担っている。
また医療魔法はその特性上、治療行為としては有効ながら即効性に欠け、一瞬で全快に導くような技法は一般的には有り得ない。
が、例外はそれぞれ存在する。
・地理
「大陸」
この世界はその全容をまだ誰も解き明かしていない。
舞台となる大陸は主に「大陸」としか呼ばれていない。それだけで特に誰も困らなかったため。
が、西方大陸と呼ばれる別の大陸との航路が確立し、便宜上「旧大陸」などと不名誉な名で呼ばれているので、彼我の区別のために何か名前をつけようという運動はある。
「北西平原」
主舞台。
格式と伝統の封建国家トロット王国、砂漠や密林を国土にもち、多数の種族の混沌を原動力にする商業国家セレスタ商国、かつては蛮族領とすら言われた激しい戦乱の地であり、現在もその強大な戦闘力を恐れられるアフィルム帝国、そして巨大な古代結界に守られた神秘の地である北方エルフ領を総称して呼ぶ。
かねてより各国による大小さまざまな規模の戦争が絶えない地で、エルフ領以外はそれぞれ分裂と併合を歴史的に繰り返してきた。現在はセレスタがトロットを抑えて主導権を握っている。
→トロット王国
→セレスタ商国
→アフィルム帝国
「大陸中央盆地」
ヴァレリー湖畔とも呼ばれる地域であり、交通の要衝。
大陸中央湖とも呼ばれるヴァレリー湖を中心とした小国家連合が存在する。土地自体はそれほど大きくないので優勢な国は存在しないものの、気候風土は穏やかで豊かな国が多い。
ただしその北端に位置するレンファンガス王国は、そのさらに北方にある魔物領と呼ばれる地から押し寄せる大量の魔物に対する砦の役割をしており、立ち位置が非常に特殊。大陸一危険な土地とも言われ、この国の軍隊と騎士団は魔物狩りのエキスパートとして名を馳せる。
→レンファンガス王国
「東方山地」
ヴァレリー湖畔の東に位置する広大な高原地帯。
平均標高はゆうに4000mを数える秘境であり、多数の山岳に分断された土地は数百の小国(一応国の体裁を認められるものから村というか集落に過ぎないものまで)に分かれ、独自の文明を築いている。
その標高による薄い空気のため、身体が大きく心肺能力に余裕のないオーガ族はほとんどおらず、また武器を必要としない徒手空拳の武術が特に盛ん。
多くのドラゴンパレス(ドラゴンのコロニー)を擁する事でも知られ、新たな技術や知識、あるいは財宝や珍獣の可能性に溢れているため、冒険家や求道者、探求者たちの憧れの地である。
「南部大平原」
肥沃で温暖な地であり、特に古い歴史を持つ国家が多い。一般的にはここが先進の地であり、歴史の主舞台と認識されている。
北方エルフ領と双璧をなす大陸のエルフの根拠地であるアーカス王国や、大陸でも珍しい獣人国家であり軍事大国でもあるリュクス帝国、かつてドラゴンを乗りこなしたというドワーフを開祖を持ち、ドワーフを中心としたゴート王国、そして新興の神聖国家セントガルド王国と商業国家バラル商国もここにある。
平坦で肥沃ゆえに一度火がつくと瞬く間に戦乱が広がる特徴があり、北西平原以上に戦国時代となることも多い。
「魔物領」
かつては普通の土地だったが、三百年前のある事件によって国家群が壊滅し、魔物の天下となった大地。
今では人の住める土地ではないとされている。地理的にはトロット王国やエルフ領から山岳を隔てて東側に位置し、大陸の北東端にあたる。寒冷ながらもいくつもの国が繁栄した。
この国家群の生き残り、カールウィン王国がどこかに存在する……というのが勇者ネイアの存在によって示され、それならば再開拓も不可能ではないということで、にわかに注目が集まっている。
・固有名詞
「気」
この世界の生命の織り成す「力」の流れと言われるもの。
その流れの変化は魔物の発生や居住者の精神や生命力への影響、作物の生育などに関係する。
悪い気が多く淀めばその地の生き物に魔物への変異を促してしまったり、直接発生させてしまったりする。
しかし良い気しか受けなければいいというものではなく、それはそれで繁殖力の低下などといった長期的影響も存在する。
扱いの難しい、というか現状はほとんど手をつけられないエネルギー。
数千年前の古代文明は半ばロストテクノロジーとなった「迷宮」建設によってこれを制御していたとされる。
「迷宮」
大陸各所に存在する古代文明の遺跡。形態は石造りの迷路。
主に「気」の整流装置としての役割を持つが、その他にも多くの機能が確認されている。
例えば大陸有数の大迷宮であるセレスタ中部の「砂漠大迷宮」は、食肉としての魔物の発生や地下水脈の管理など多岐にわたる機能が盛り込まれ、小国家規模の迷宮それ自体がひとつの「森」に匹敵する生態系保全性能を有する。
また、物によっては強大な浄化気流によって特定の生物を不死化することもある。
「魔物」
この世界では通常の動物とは明確に区別される。
悪い気の影響を多量に受け、生存本能をも凌駕する狂的な欲望に身を焦がす破滅的な存在を魔物と呼ぶ。
多くは「気」によって肉体が変質し、非常に凶暴。敵が自分より強いと理解しても生存本能によって逃げるなどの行動は取らない。狡猾な行動を取ることもあるが、死を恐れてではなく確実に相手を仕留めたいという攻撃的な欲求の結果である。
一部の迷宮では計画的な気流の調整によって「岩人形」と呼ばれる生命体かどうかも怪しいものを創出することがある。
動きは鈍重だが攻撃力も防御力も極めて高いこの魔物は非常に恐れられているが、それ以上に恐れられるのは、彼らの創出される地域で死んだ生き物は「動死体」として死体のまま動き出し、他者を攻撃し始めることがあること。
完全に岩の代替物として肉体が魔物化しているだけなのだが、親しい者が死んだまま動き出すそれを目の当たりにした者の精神的ダメージは計り知れない。
この世界にはアンデッドはいないが、そういうものはある。
「聖獣」
「気」の作用によって不死化した生物の総称。一応人間も不死化するがその場合も聖人ではなく聖獣と呼ばれる。
悪い気は狂的な欲望を増幅し、生物の肉体を変質させて別のものにしてしまう。が、良い気も性質は逆なものの、エネルギーであることは同じなので生命に別の力を与える。
多数の生命的暴走ではなく個の不死化、そして理性の強化。
一見して良い事ばかりのようだが、食事も睡眠も性行為すらも必要なくなったまま、ただひたすら時を過ごすことを余儀なくされた彼らは必ずしも幸福を感じているわけではない。
自己の欲求が皆無に近い分、他者の援助に積極的な者が多い。
が、行動範囲が極端に狭い(気の影響範囲から出られず、無理に出ようとすると活力を失って死んだ上に引き戻される)ので出来ることが限られる。
自己の不死を利用してあらゆる反則が可能なので、戦闘能力自体は高いものが多い。
「剣聖号/ナイトクラスetc」
北西平原を中心として、軍隊で特に強力な戦士に付与される称号。
その称号を持つ者は戦場の切り札であり、当地で武を志す者の憧れでもある。
その実力は完全に常識を覆すものであり、数十メートルのジャンプや岩を貫く一撃などは当然のレベル。
もちろん誰でもなることができるものではなく、種族にもよるが人間族では数十人に一人程度の才能が必要とされている。
上位称号として「マスターナイト(セレスタ商国)」「大剣聖(トロット王国)」「ロード(アフィルム帝国)」「ブラックアーム(レンファンガス王国)」などがある。ここに辿り着くのはさらに稀有な才能を持つ者だけで、事実上ここまでいけば当国の最精鋭と認められたといっていい。
さらに上位の称号である「オーバーナイト(セレスタ商国)」「至剣聖(トロット王国)」「セイヴァー(アフィルム帝国)」「ゴールドアーム(レンファンガス王国)」はさらに国家への貢献によって与えられるものであり、実力とはまた別のもので勘定されるのだが、現在この最上位称号を得た者は例外なく最強と認められうる怪物騎士ばかりであり、実質上最強の証となっている。
「コロニー」
集住地の意。主に村や町で、人間族が生活習慣上主体となっていないものをいう。
本来、種族によって生活習慣がだいぶ異なるため、大体は単一の種族で構成される。食生活の差以外にも種族特性に根ざした独特のルールが多いため、その方が生活しやすいという理由がある。
ドラゴンの場合のみ「ドラゴンパレス」という名称を使う。その住処は他種族にとって宮殿にも等しいほど踏み込み難い聖域である。
「衝撃波」
熟達した剣士が使う戦闘技術のひとつ。気合と共に攻撃を繰り出すことによって一定の間合いを取っていても相手を吹き飛ばす衝撃波を打つことができる。基本的に不可視の上、相当な体重があっても容易に空中に舞い上げられてしまう。
が、直接的な破壊能力には乏しく、決め技と言うよりは間合いや行動を制限し、自分の有利を確立する布石の一つとして使われることが多い。
トロットでは「ブラストアタック」と呼ばれ剣聖の間でポピュラーな技となっているが、セレスタでは「斬風剣」と仰々しい名がつき、半ばアンゼロスの代名詞となっている。
カールウィン王国では「ソニックシュート」と呼ばれているらしい。
「斬撃波」
衝撃波の上を行く秘技。使い手はオーロラとその兄ルーカス。どうやら天賦の才が必要な技らしく、本人達にも説明しづらいコツがあるようで、他に使い手はいない。
剣技でありながら数十メートルの射程圏を全て必殺の間合いにする反則的な技で、繰り出した武器の切れ味に関係なく、相当な硬さのものでも切り裂くことが可能。
たた上記の衝撃波とのぶつかり合いで容易に拡散してしまう弱点もある。
「アースドライブ」
本来ドワーフ族が得意とする、大地を武器とする大技。ベルガとその門下のフェリオス・シャロン兄妹がよく使う。
剣で特殊な振動の一撃を大地の力の要に打ち込み、地面を隆起・陥没・爆散させて、意のままに戦場を支配する。
ドワーフ族が扱うと先述の衝撃波と同様、攻撃の組み立ての一つに過ぎないものだったが、ベルガはさらにそれを発展させ、人工的な石つぶての嵐で広範囲の敵を轢殺する「テンペスト」と呼ばれる奥義を編み出している。とは言っても今では弟子のフェリオスの方が範囲と威力が高く、ベルガ本人は現在もっぱらフェリオスが技を発動するためのサポートに回っている。
「エレコーン」
オーガ族特有の特異体質の一つ。電撃を操れる。
とは言っても普通はそんなに高い電力は操れず、戦闘に役立つほどではないのだが、極稀にそれだけで他者を打ち倒し得る高い素養の持ち主が現れることがある。当然それは絶大な戦闘力に繋がるため、戦士として大成することになる。
有名なのはセレスタのオーバーナイトであるスコット・ビンセントとレンファンガスのゴールドアーム、アネット・ランジュ。もちろんこの二人だけではなく、大陸各地の有名なオーガ戦士の中にはエレコーンも多く見られる。
ちなみに角を電極にして発動するため、角をすっぽり絶縁するとその威力は大幅に減少する。が、そんな悠長な真似をするのは敵対的な状況では(オーガ族の元々の腕力もあって)非常に難しいので、もっぱら自制したい時に自主的な処置として行われる。角はオーガ的には最重要ファッションポイントゆえ、それは非常にかっこ悪い状態なのでかなりの覚悟が必要。
「ドラゴンブレス」
この世界で最も強力な攻撃手段の一つ。
ドラゴンの体内にある特殊器官から炎か氷の奔流を生み出し、それを吐きつけて攻撃する。
形態的にあまりブレスを拡散させられない特性上、空中への攻撃には向かないが、地面にぶつかれば広範囲に広がるため、大量の地上目標に一気に攻撃ができる。
空中飛行からドラゴンブレスで攻撃すれば大半の種族にはなす術もない。ドラゴンはこの攻撃をもって最強の名を確固たるものにしている。
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