冬の朝は、気温と布団の中の温度差がまどろみを深くする。
 外気温を顔や腕などの体の一部で感じることで、体の大半が暖かい楽園にいることを実感するわけだ。
 ……が、その朝はそんな寒さとは無縁だった。
 いつもの宿屋の俺の部屋より狭い寝室。そこに篭もった体温は五人分。
 目覚めと共に目の前にあった乳首は誰のだかよくわからないが、まあ誰のでもいい。特に何も考えずに吸い付き、舌で転がした。
「あ……んっ」
 声がする。この声は。
「……フェンネルのおっぱいか」
「……だ、誰の胸だかわからずに吸ったんですか」
「状態が状態だし」
 一つのベッドで絡み合う体。誰の手で誰の足で誰のお尻だかよくわからない。
 とりあえず全員に二度ずつ種付けしてから寝たのは覚えているけど。
「起きるか……」
「今日はみんなお休みです。……ご主人様好みのゆったりとしたエッチな時間を過ごせますよ?」
「んあ……あっ、と。フェンネルさん、おはよ……」
「んゅー……」
 ベッドから次々起き上がる裸の少女達。
 可愛らしい胸を隠すでもなく豪快に手を上げて伸びをするセボリーと、猫のように肩と背すじだけで伸びるローリエだ。
 ……が、オレガノは見当たらない。
「あれ、オレガノ……ベッドから蹴り落としちゃった……?」
「ああ、オレガノでしたら朝食を作っていますよ、きっと」
「……何、みんなオレガノに任せてるの?」
 なんでも持ち回りな彼女たちかと思っていたがそうでもないのか、と思う。
 少し気まずげにしながらも、部屋の天井付近に暖かい色の魔法灯火を浮かべるセボリー。
「オレガノが一番お料理が上手いんですよ。本人もできるだけ自分で作りたがってますし、本人が体調悪かったり時間がまずくない限りは任せちゃってまして」
 明るくなって、部屋にいる裸体のエルフ少女達の姿がはっきりと目に飛び込んでくる。
 床に散らばっているのは昨日つけていたエプロンとカチューシャ。ベッドで犯りまくるにあたって全部剥いて放ってしまったのは俺だ。
「それじゃあ食べに行こうか……ウダウダしてたら悪いもんな」
「はい♪」
「ローリエ、起きなってば」
「まだねむい……」
 イメージ通りに朝が弱いらしく、ふらふらしながら目を閉じたり開いたりをスローペースで繰り返すローリエをセボリーが揺する。
 ふるふる揺れるセボリーのおっぱいかわいいなあ。ローリエのおっぱいは揺れすらしないなあ。
 そして部屋のドアノブに手をかけるフェンネルは下着を着ける気すら見せていない。スラッとした白い裸身のまま、俺が立ち上がるのを待っている。
「服着ないの?」
「着た方がよろしいですか? ……わ、私としてはご主人様がいつでもお好きにしていただけるよう、今日はこのまま裸で過ごしてしまおうかと思っているのですが」
「フェンネルさんのどえっちー♪ でも今日は外に出なくていいし、家の中でみんな全裸生活もいいかも」
「……もちろん、ご主人様がしたい時にしたい相手に……ね」
 他の二人もノリノリだ。
「お前らなぁ……この天然雌奴隷たちめ」
 俺もフェンネルにちんこをこすり付けつつ背中から抱き締め、耳を舐める。
「あ……ん、朝ごはんの前に、私を……試食してしまいますか……♪」
 フェンネルは抵抗せずに、自分から股間に俺のちんこを挟み、軽く腰を揺らして誘うような仕草をした。
「それもいいけどね。……正直昨日の夕食、軽かったから先にごはんにしよう」
 フェンネルの胸をむにむにと揉みながら俺はそう囁く。セボリーとローリエもスリッパを突っかけて立ち上がり、フェンネルはちょっと残念そうにしながらもドアを開ける。
 と、その向こうにはエプロンを着けたオレガノが。
「ご主人様、朝食の用意が……って、みんな裸のまま……?」
 少し考えてエプロンを取る。その下は全裸。
「き、昨日は裸エプロンでえっちなことしながら夕ご飯でしたし、今日はみんな真っ裸でえっちしながら朝ごはんですね!」
 わかってます、と拳を作るオレガノ。
 清楚そうな子だが、エロへの想像力が非常に高いというか、普通に一番スケベな気もする。
「ご飯は普通に食べよう。その後えっちはするけど」
「……順番に犯しながら『あーん』させるとかしないんですか?」
「……オレガノって時々俺よりエロ妄想エスカレートするね」
「い、いえ、その……と、とにかくっ」
 いそいそとエプロンつけ直すオレガノ。
「お前たちもエプロンつけて。食べ零すと面倒だぞ」
「そ……そうですね」
「はーい」
「……残念。朝からご主人様の大奮闘が見られるかと思ったのに」
 他の三人にもエプロンつけさせる。
 俺はぱんつはかなかったけど誰も指摘せず、オレガノが当然のようにナプキンを首に巻いてくれた。
 ……もちろん食事の後は私から入れますよね?
 といわんばかりに、ダイニングに向かいながらチラチラとお尻を向けながら視線を送る四人。
 本来ならはしたないと咎めるところだろうが、俺はそういうはしたない雌奴隷が大好きだ。

「ご馳走様」
 オレガノが用意したのはベーコンと野菜の炒め物とチーズフォンデュ、そして豆のスープ。
 それらを一番に平らげて、俺は席を立ち。
「セボリー」
「あ、あの、ちょっとだけ待ってください、私まだ食べて……」
「いいからしゃぶれ。一緒にご馳走してやる」
「……え」
 ぽちゃん、と木匙をスープ皿に落とすセボリー。
 さすがに予想外だったらしい。
「え、ええー……朝ごはんと……精液、一緒に……?」
 困惑した顔をするセボリー。
 だが、セボリーが渋ったと見るや、オレガノ嬉々とした顔を向ける。
「は、はいっ、ご主人様っ! 私、ご主人様の精液入りスープ飲みますっ!」
「よく言ったオレガノ」
「えへへっ♪」
 別に誰でもよかったんだが一度やってみたかったイタズラなのだ。
「それでは、失礼して……はむ」
 他の三人が横目で見ながら食事を進めている中、仁王立ちの俺のちんこを膝立ちでしゃぶり始めるオレガノ。
 今日は髪を編む時間がまだなかったのか、軽くポニーテールにしているその銀髪を撫で、俺は朝も早くからの破廉恥行為に恍惚とする。
 やれと言ったらマイアやセレンならやってくれそうな気もしなくもないが、そもそも宿屋の食堂でそうそうできるプレイではない。
 この四人の家だからこそできる最低な変態プレイ。精液食。
 そのためにまず、オレガノの口で射精感を高める。
「オレガノ。……おっぱい、出して」
「んっ……♪」
 オレガノは素直に首元の紐を外して上半身をさらけ出す。大きくはないが掌に収まる程度に自己主張したおっぱいがぷるっと出る。
 それを俺の足に密着させながら、オレガノは懸命にフェラチオを続ける。決して技巧は上手くないが(身内の上手い人と比べるのが間違ってるけど)、その心から精液を欲しがる少女の動きは、刺激以上に俺を高ぶらせていく。
 そして。
「……オレガノ、ちょっとどいてっ」
「ん、ぷぁっ……!?」
 夢中で吸い付くオレガノをもぎ離し、俺はテーブルのオレガノの皿に射精を叩きつける。
 ……びゅるる、ビチャ、びゅるっ……と、スープ皿に精液を撒き散らす。
「……なんか」
「ご主人様……?」
「食べ物を粗末にするのはすごく気が引ける」
 皿に射精するのは非常になんというか、背徳感に満ちていた。
 何やってんだ俺、という後悔と、普通に駄目な事をしている実感が、女の肌に触れていない状態だからか、理屈を越えて胸に襲う。
 ……ホント、こういうのは駄目だね、冷静になって、最初からやんなよ俺。
 とか一人で落ち込んでしまった。
「…………」
「……ご主人様が落ち込んでる」
「テンション上がってたんだね……」
「ま、まあそれくらい変態さんな方が雌奴隷のし甲斐があるともいえますし」
 ローリエ、セボリー、フェンネルが遠慮がちながらも痛烈に俺の心情を読み取ってくれる。
 うん。ごめんなさい。
 が。
 オレガノだけはそんな空気を読む気配はなかった。
「あの……それじゃ、食べますね」
「え、オレガノ」
 膝立ちから椅子に戻ると、俺が掴んでいた皿を自分の方に引き寄せる。
 斑に白濁の浮いたスープ皿。
 それを前に、オレガノは俺の顔をチラッと見上げて微笑むと……木匙でわざわざ精液をすくって、啜る。
「……おいしくはないです」
「う、うん」
「……でも、ご主人様の子種ですから……粗末には出来ませんしね」
 ちゅるっ、と精液をすくって飲み、スープ部分をすくって飲み。
 最近の俺の射精量は結構多いので、マープル模様はなかなか消えない。
 だが途中で咳き込み、えづきながらもオレガノは木匙を止めず。
「……オレガノ、ちょっと飲ませて」
「私も」
 いつの間にか寄って来たローリエとセボリーが木匙を伸ばした。
 三人で精液スープを分け飲む。
「……まず」
「ん、私はそうでもないかも……もうひとすくい」
 正直なローリエと、何故か気に入ったらしいセボリー。
 そしてせっせと匙を進めるオレガノ。
 ……酷いイタズラにもかかわらず、それをいそいそ飲んでくれる三人になんともいえない支配的な感情がわきあがる。
「ご主人様。……私は、直接いただくほうが好みですけど」
 そして、俺の背中に抱きついて、無闇に充血を開始したちんこに手をかけつつ囁くフェンネル。
「あ、ずるいフェンネルさん」
「抜け駆け」
「の、飲み切ったらお願いします……ご主人様」
 残りの三人が文句を言う。
 が、俺はフェンネルのお尻に手を伸ばして素肌を楽しみつつも、オレガノの腕を取る。
「いくら飲んでも妊娠はしないぞ。……そっちで飲みながら、お前の妊娠するほうの穴にご馳走してやる」
「きゃっ……?」
 オレガノの腰を抱える。木匙ををつかんだままテーブルに肘を立て、尻を突き出す恰好になるオレガノ。
 その尻を撫で回し、股間に指を這わせる。
 全くの無毛の股間は、昨夜も差し込んだせいか多少ほぐれていて……いや、精液スープを飲んでいたせいで性臭に興奮したか、少しの愛撫で劇的に愛液が増えていく。
「やっぱりオレガノはエッチだな」
「は、はい……」
「……スケベな娘は大好きだ」
「えへへ……♪」
「できればいつも俺のちんこを妄想してくれているくらいがいい」
「……ひ、暇さえあれば妄想してるかもしれません……♪」
 オレガノは俺の指使いに腰をくねらせつつも、ひとすくい精液スープを飲み、舌舐めずりする。
「私も……」
「ん?」
「そんな、ヘンタイなご主人様、大好きです……こんな頭が痺れるくらいエッチなこと企んでくれるご主人様、大好き……なんです♪」
「よく言った。……それじゃあご褒美だ」
 実に俺の征服欲をくすぐってくれた銀髪の華奢なエルフ少女に、俺は思いきって挿入。
 ずぶり、と熱い膣に、俺のちんこが飲まれていく。
「はぁ、あんっ……♪」
 オレガノの嬌声によって、空気が変わっていく。
 どこか期待はしながらも、「食事」の……「日常生活」の空気だったのが、完全に粘膜と粘膜を擦り合わせ、イカ臭さとぬるぬるした感触が全てを支配する、エロの雰囲気へと変貌していく。
 俺とオレガノの間だけではなく、それはフェンネルやセボリー、ローリエにも伝染していく。みんな息が熱くなり、距離が縮んでいくのが分かる。
 肌が……ただでさえ破廉恥に露出して俺を誘う肌が、それぞれの汗をうっすらと浮かせて性器にも勝るいやらしさを見せ始める。
 期待と期待が重なり、俺の体を熱くする。
 いつしか俺はオレガノの腰を跡がつくほど握り締め、全力で腰を振りたくっていた。
「は、あ、ああっ、あ、あっ……ご主人様、ご主人様ぁっ!」
「ドスケベメイドめ、この子宮か、この子宮が欲張ってるのかっ!!」
「はいっ、欲張りな赤ちゃん袋に、ご主人様のエッチなお汁くださいっ!! 私のっ……私の体はっ、ご主人様のっ……ご主人様のザーメンの入れ物なんですっ♪」
「い、言い切ったなこいつはっ!!」
「はぁぁぁっ♪ あ、ああっ、あああああっ♪」
 ガクガクガク、と腰の速度が上がる。
 他の三人も見ているダイニングで、オレガノはすっかり俺の性欲と溶け合って腰を振り合わせている。
 そんな中で、俺はオレガノの中に射精。
 びゅるるる、びゅく、びゅくっ……と、オレガノの子宮口に思う存分精液を叩きつける。
「……ふ、うっ……」
 力が抜けそうになるのをフェンネルが支える。オレガノのほうは床に膝を落とし、すぐ横の椅子にしなだれかかって息を荒げていた。

 そのオレガノがどいたところで、オレガノの精液スープの皿に直接口をつけるセボリー。
「何してんだお前」
「……もちろん、誘ってるんですよ?」
 くい、と腰を突き出すセボリー。
 オレガノの清楚な細さとはまた違う、元気な彼女らしく適度に肉のついたお尻の内側からは、既に愛液が滴っている。
「オレガノは、途中で飲むのやめちゃったけど……私、ちゃんとご主人様が流し込もうとしてる間、どんどん飲みますから♪」
「おいおい」
「気に入っちゃった、この味♪」
 オレガノとは別の意味で変態娘だ。
 ……そして俺はそういう変態娘は好きだ。
「じゃあお前にもご馳走だ……いくぞセボリー!」
「はい、きて……って、言う前からぁっ♪」
 ずぬり、とオレガノの愛液と自分の汁にまみれたちんこをセボリーにも突き立てる。
 健康的なお尻はつかみ心地がよく、マッサージするように回し揉んで堪能しながら、俺はセボリーの膣をちんこでまさぐる。
「んは、あっ……ちゅ、ずるっ……えへ、ご主人様スープっ……♪」
「セボリーずるい」
「だってぇっ……ローリエ、さっきまずいって言ったじゃんっ……♪」
「むー……」
「ご主人様、わ、私のスープにも射精していただけませんか」
 セボリーがほとんど犬のように皿に顔を突っ込み、スープを啜りながら俺に犯されるのを見て、フェンネルが慌てて懇願。
 が。
「だ、駄目。……結構精神的にクるからっ」
 俺はセボリーをリズミカルに犯しながら丁重に断る。
 二度やるネタじゃない。
 ……そ、それにしてもセボリーは……。
「お前、マジで……」
「はあ、はぁっ……もっと、強くして、いいですっ……♪」
 俺の精液スープで発情の中枢でも刺激されるのか、俺の突きとはまた別のタイミングでキュウッ、キュウッと膣を締めてくる。
 全身を震わせ、その可愛らしい尻から発情臭を立ち上らせて、セボリーは俺を更なる攻めに誘った。
「あ、あーっ……だ、駄目っ……ホントに、運命の相手、だったのかも……♪」
「?」
「こんなに気持ちよくて、こんなにセクシーな味でっ……私を、駄目にする……ご主人様っ……♪」
 スープに汚れた口元を舌で舐めて、快楽に霞んだ瞳で俺を見返り、ふるふると尻を振ってみせる金色の髪のエルフ少女。
「ホントに、雌奴隷に……なる、運命だったのかもって……思えてきちゃった……♪」
「どいつもこいつもドスケベメイドだ……!」
 俺が愉悦のままに呟くと、セボリーは首を振り。
「ドスケベ、奴隷……ですよ……♪」
「……え、ええと」
「ごっこなんかじゃなしに……私、ホントにっ……♪」
 そこから先は、嬌声に混じって言葉にならない。
 ただ、セボリーは。
 ……一番「浅そう」なセボリーでさえ、もう俺に逃げを許さないところまできていた。
 その事実が俺に少しの衝撃と、反響して膨れるような甘い痺れを胸に打ち込む。
 ああ。
 彼女らも、もうすっかり俺の雌奴隷になる覚悟を決めてしまったんだな……と。
 なんともいえない感慨が波打った瞬間、俺はセボリーの中にも射精していた。
「は、あ、あ、あ、あ、あ、あぁ、ぁ…………!!」
 ガクガクと震えて、セボリーは達する。
 そして、俺の精液を胎内にたっぷり感じながら。
「ずず……っ、は、ぁっ……♪」
 精液スープの最後の残りを、飲み干していた。


「今夜までずっと、ウチで好きに過ごしてくださってよかったのに……」
 フェンネルが残念そうな顔をする。
 昼に近くなった彼女らの家から、俺は出ようとしていた。
 リビングには全員揃っている。みんな全裸で、その股間から俺の精液を垂らしていた。
「また今度、チヤホヤしてもらいたくなったら来る」
 俺は真っ正直に言う。四人はクスクスと苦笑した。
「チヤホヤします。全力で」
 変なところに力強いオレガノ。
「ちょっといいことお教えします。酒場の上がりは七つの鐘なので、その頃に会いに来てくれたらついでにメイドエッチもできますよ♪」
 へら、と明るく笑いながら妙なアピールをするセボリー。
「わ、私は夕方までですけど……お呼び付けくだされば宿屋まで夜伽にも参りますよ」
 セボリーにちょっと対抗するフェンネル。
 そして。
「……好きなときに来て。いつでも愛してます」
 変なところで素直なことを言って、ああっ、ずるい、と周りを沸かすローリエ。
 彼女らに順番にキスをして。
「んじゃ、また」
 俺は見送られて家を出る。


 そして、すぐ外の門柱の上でマイアが雪に埋もれていた。
「うわっ!? ま、マイア!?」
「ずっと外にいたけど……混ざりたかったけど、あのエルフたちあんまり知らないから混ざれなかった……」
「あ、ああ、次あたりに紹介するから……とにかく降りて来い」
「うん」
「……一緒に温泉いくか?」
「うん」

「……お湯、あったかい……♪」
「ああ……」
 男湯入浴。
 マイアは雪に埋もれていてめちゃくちゃ冷たかったので、近くでお湯が格段にぬるくなるくらいだった。
 そして、さすがにマイアにはポルカのエロガキどもも近づきづらいようで、シャロンのように近づかれることもなく遠巻きに見られるだけだった。
 ……マイアも可愛がらないとな。うん。
「えっちする?」
「ここでは駄目」
 ……ちゃんとベッドでね。

(続く)

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