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────会長へ。ご無沙汰しております。
急ぎの報告があり筆をとりました。
今日、シュランツの大通りにてお嬢様をお見かけしました。
ハーフエルフだけあり、あの頃と変わらず、否、いっそう美しくなられた姿で私感激いたしました。
しばらくはお嬢様だということをひた隠しにしておられましたが、あのお耳を指摘すると根負けしたようにお認めになられました。
セレスタの地でお達者でいてくださったという、ただそれだけでもう涙が止まりませんでした。
しかし、少し気になることがございます。
お嬢様は剣士としてセレスタに渡られたはず。
しかし、何やらそぐわぬものを身に付けておられました。
奴隷の如き首輪です。
向こうで流行りのアクセサリーかとも思いましたが、刻んであった名はお嬢様の名でもなんでもなく。
アンディ・スマイソンと読めました。
セレスタは魑魅魍魎の跋扈する血も涙もなき銭勘定の地。
お嬢様は、何かに巻き込まれておられるのではないでしょうか。
(続く)
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