サフルは、状況を妙に冷静に俯瞰していた。
温泉の洗い場、自分に群がる一糸纏わぬ奥様方と猫娘たち。
そしてその真ん中でもみくちゃにされながら指のように細いちんちんを反り返らせている自分。
その姿はきっと、相当に情けないだろう。
まあ、要するに「幼い姿を利用して女湯で思う存分エッチな光景を楽しみ、甘え倒している不埒な40代坊や」ということになるだろうか。
呆然としているリカが何を考えているのか全くわからず、何もかもネガティブに考えてしまう一瞬。
……実際はリカもサフルのことを「中身はおじさん」的な感覚で見たことは今まで一度もなく、利発ではあるものの普通に8歳児感覚で見ていたので、女湯に連れ込まれていることを不自然には思っていなかった。
それどころか、誰もが構いたくなる美少年に間違いはないので、こんなにも無邪気にかわいがる奥様方や猫たちに比べて、自分はなんと汚れた欲望の持ち主なのだろう……と内心では自分の異常性欲に慄然としていたのだが、サフルの方はそんなことは知る由もない。
互いに相手の肝心な部分を理解できていないまま、強く惹かれあってしまったドラゴンとエルフは、そんな互いの姿を見て恥じ入り、絶望し、しかし嫌われたくはないと気を取り直し、しかしサフルは今の状態に対する言い訳が思いつかず、リカは数日前の一件をどう言って片付けたら話が済むのか途方に暮れている。
長い長い沈黙。いや、それは本人たちにとってだけで、実際はせいぜい一分ほどだったのだろう。
とにかく沈黙の果てにサフルは思い余り、グダグダ言い訳を重ねるよりとにかく男らしく、と過熱した頭で決然と立ち上がった。
そして、リカの前に近づいて、その双乳の神々しさ(サフル視点のみ)に負けそうになりながらぐいっと反り返って息を吸い、腹の底から。
「リカ……お、俺っ……好きだぁぁぁっ!!」
大声を張り上げて、そして涙目でリカを見つめていた。
混乱したのはリカである。
状況に脈絡が全くない。こんなにもかわいい男の子に対し、ムラムラして性的悪戯をしてしまった罪悪感に胃腸がぐるぐるねじられるような感覚でいたら急に大告白である。
女湯の皆さんが何事かと眺めている眼前で、ちんちん立てながら大告白である。
「……え、えっ?」
顔の下半分だけが動いて聞き返してしまった。さぞかし不自然な表情をしているだろう。
それに対し、サフルはなんともいえない不安そうな表情をしてくるので反射的に慰めそうになるが、そもそもサフルの行動が理解できていないのである。
そもそも何も知らずに温泉を浴びにきたら突然場に遭遇した形なので、どういう話の流れなのかわからない。
こんな行動をするなら事前に何か流れがあったのではないか、その上で唐突に見える行動になってしまったのではないか、と推測するのは決して不自然ではあるまい。
本当に何もなくて、サフルは全く伏線もなくその行動に至ったなのだが、リカは「きっと何か話の前半があったんだよね? そこを説明してくれないかな?」と勘違いのもとに説明を待っているので、深刻な齟齬が女湯を支配していた。
「……リカ」
「う、うん……うん?」
「その……ええと」
サフルはうまく伝わっていないとようやく理解しつつ、ますます混乱して左右に助け舟を探す。
マイアかライラ、あるいはブルードラゴン、もしかしたらアンディや男爵などがそこらにいて、サフルのテンパり言動をフォローしてくれないだろうか、と淡い期待を寄せるものの、そんなものはない。
集中する視線に追い立てられるように、またサフルはわけのわからない焦りに駆られて。
「……その……好きだ!!」
同じことを叫ぶ。
何も解決しない。落ち着いてちゃんと説明しようね、と女湯の全員が気持ちを揃えただけだった。
そのまま続く沈黙に、サフルは本当に泣きそうになる。
なんだろうこの空間。俺はどうしたら正解なんだろう……と一人で沸騰した脳のままで考える。
そして猫娘の一人が結局、おずおずと助けを出した。
「……えっと……それで、エルフのおねーさんになんて言って欲しいのかにゃー」
「それは……そんなこと俺に言えっていうのかよ……」
「だっておねーさん困ってるし……」
「……うっ」
リカのあからさまな困惑顔に、サフルは怯む。
リカは、決してそれが嬉しくないわけではないのだ、と伝えたかったのだが、下手な返事の仕方をすると今の暴走した感じのサフルでは勝手に勘違いして取り返しのつかないことになりそうで、どう言えばいいのかわからないのだった。
その膠着を見て、また猫娘が一言。
「……結婚したいとか、交尾したいとか、ちゃんと言ったらいいんじゃないかにゃー」
「こっ、交尾!?」
ギョッとするサフル。
さすがに奥様方もそれには難色を示す。
「こんな小さい子になんてこと言うの」
「っていうか交尾なんてわかるの?」
「まだ早いでしょうに」
だが、そこは手をばたばた振りながらリカがフォローした。ここでしてあげなくてはいけないと思った。
「さ、サフル君はもう40歳ですし……せ、精通もしてますからそのっ」
……サフルに再び視線が集まった。
リカはよかれと思ったのだ。サフルはきっと言い出せなくてこの女性たちのオモチャになってしまったのだと思ったし、事実そうだった。
しかし、エルフは2桁程度の年齢には寛容だが、人間や猫獣人にその数字は大きい。
『えええええええええええええ!?』
数拍の後、全員の口から響いた感嘆の声にサフルは飛び上がるほどに怯えた。
そして慌てて女湯から飛び出し、裸のままで草原に駆けて行ってしまう。エロと言われると反論したいお年頃、いや、そういう精神年齢なのである。甘んじて縮こまって女湯に居座ることはできなかった。
「嘘ぉ……っていうか何族なのあの子」
「っていうかアンディの侍らせてる女の子の中にも、見た感じ13歳かそこらって感じなのに60歳って言ってる子いたわよね」
「そういうのもいるのねぇ……」
とはいえ、サフルという存在に女を強姦するような危険性は感じられないため、奥様方はその不埒さを咎めるつもりではなく純粋に驚いていたし、猫たちもびっくりしただけだったのだが。
サフルがドラゴンだけあって美少年だったのも関係している。なんだかんだで顔のかわいい坊やにはそこらの小憎たらしい悪ガキよりも甘くなるのが奥様というものだ。
そんな女湯内の様子を二度見しつつリカは服を手早く纏い、サフルの服をまとめて抱いて、とりあえず「お騒がせしました」と言ってサフルを追う。
サフルは近くの草むらの中で三角座りしていた。
「サ……サフル、くん」
「リカ……俺」
「……えっと」
サフルは泣いていた。
改めて考えたら、流されて女湯に入り、きっぱりと断れずに女たちのオモチャにされてしまった挙句、カッコよく告白して場を収めるつもりが結局なんにもならずに追い出されて裸でウロウロしている自分が、あまりにも情けなかったのだった。
「その……サフルくん……」
「……俺……全然……駄目で……ドラゴンとしても……そうじゃないなんかとしても……全然で……カッコ悪すぎて……」
ぐししっ、と鼻をすするサフル。
そんなサフルを見て、リカはフッと落ち着く。
……サフルは結局、子供なのだ。あまりにも。
自分を大きく見せようとしてしまって、失敗して、傷ついて、落ち込んで。そして、なんだかんだとまっすぐで。
リカは罪悪感でその好意をうまく受け取れなかったが、やっぱりリカを想っているのは、数日前の逆イタズラの後でも変わらなくて。
だから、サフルは自分が慰めなくてはいけない。自分が受け入れなくてはいけない。
そこに世間を気にした常識なんて、必要はなかったのだ。
「……ねえサフル君。……私ね。サフル君が一人前になりたいの、知ってる」
「……うん」
「一人前になるっていうのが、まだまだ時間かかるの、知ってる。でもサフル君が、ちゃんと男の子なのも……その一人前になるまでの間だって、ずっと男の子なのも知ってる」
「……う、うん」
「だから、今だってもう、女の子の裸とか見たらおちんちん立っちゃうし……この前以上のことしたくなるのも知ってるし」
裸のサフルを後ろから抱き締め。
「交尾したくなっちゃうのも知ってるよ」
「それはっ……」
「でも、交尾したって一人前じゃないよね。……そんなことで本当にサフル君の欲しいものは身につかない。それも、サフル君ならわかってるよね」
「っっ……」
サフルはリカの問いかけの狭間で揺れる。
童貞を捨てれば、一人前の男。よくある俗説だ。
童貞を捨てたくないかと言えば捨てたい。でも、だからといってセックスした途端に「ナメられない一人前のドラゴン」になれるかというと全くそんなことはない。
第一、サフルはいやらしい男だなんて言われて平気ではいられない。
だから、リカの言葉に首を縦にも横にも振れない。
そんな迷いをはっきりと感じ、リカは彼を愛おしく感じながら。
「一人前になるのは、まだ何十年もかかる。かかっていいんだよ、サフル君。……それに、一人前になるまで我慢もしなくていいの。私もサフル君のこと好きだから。子供のままでも好きだから」
「……リカ……?」
「ゆっくり……大人になってね、サフル君。……今日から大人になるまで……大人になっても。私のお腹の中で、ずっとサフル君のおちんちん気持ちよくなっていいから」
するり、と。
サフルに身を寄せたまま、リカは服を脱ぎ捨てていく。
先ほどまで湯気に当たってしっとりとしている肌は、一枚脱ぐたびに露わになった面積を増やし、サフルは否が応にもリカの裸体を想像してしまう。
リカは、今度はそれを焦らす気はなかった。
「り、リカ……」
「ごめんね、サフル君。……これ、本当は……サフル君のためじゃないかもしれない」
全て脱ぎ捨てて、サフルから身を離して、振り返るのを許して。
すっかり興奮しきったリカは、夕焼けの草原でサフルに全てを晒す。
「……私、多分……サフル君が思ってるよりずっと……いやらしい女だから……♪」
「お、俺……だって……」
「だから、さっき……サフル君がこれからずっと何十年も、私に毎日おちんちん入れながら大きくなるの、想像して……っ」
ふるり、と、震える。
「興奮が、止まらなくなってるの……っ♪」
「……リカ……リカ、いいんだな……?」
「……いいよ、サフル君……シて……?」
憧れのエルフ少女に、幼いドラゴンは小さなちんちんを見せつける。
まだ細く、そう長くもないそれは、女を悦ばせる男の貫禄には些か欠ける。
だが、それはこれから目の前の長命の少女の膣内で……少しずつ大人になっていく。ならせてくれる、と少女は宣言したのだ。
「り、リカ……ほ、本当にやっちゃうぞ……やっちゃうからな……」
「……早く入れないと、おまんこ乾いちゃうよ、サフル君……♪」
「っっ……」
リカはサフルに組み敷かれ、軽く股を開いて煽る。
サフルは彼女に何度も確認を重ね、そして……その無毛の小陰唇の中心に、小さなちんちんを思い切って突き入れる。
「っ……ん、はっ……♪」
「リカ……ッ……なんか、思ったより……入らな……」
「もっと、力ずくで……入れちゃって、サフル君っ……!」
「い、いいのか……」
「だって、初めてだもん……女の子の穴は、誰かが拡げないと……簡単には入れないんだよ……♪」
「……リカ……」
「サフル君のおちんちんだと……きっと、まだ奥までは無理だけど……」
リカは囁く。
「届くまで……全部サフル君が拡げきるまで、ずっと……入れ続けてね、毎日♪」
「……う、うんっ……!」
サフルは頷き、腰を振る。
勢いをつけ、粘膜の中に少しだけ潜り込んだ小さな肉棒をさらに奥に推し進める。
やがて、ほんの少ししか入らなかったサフルの肉棒は、リカの膣内にメリッと言う感触と共にやや深く飲み込まれる。
これだ、とサフルが必死になって続けると、やがてその小さな腰が、リカの相対的に大きな腰にくっつくまで進むことができた。
「……これ、で……!」
「……はい、サフル君……童貞卒業、おめでと……っ♪」
サフルのちんちんが小さかったおかげか、あるいは興奮の強さのおかげか。
リカは股間に血を滲ませながらも、サフルにキスして称えてやる余裕を見せる。
「あとは……ちゃんとこの中で気持ちよくなって、白いの出すまで……それが、交尾……だよ……♪」
「わ、わかってる……けど……でも、妊娠しちまうかも……」
「……いいよ、サフル君」
リカは優しいのかいやらしいのかわからない目でサフルに囁いた。
「サフル君が大人にならないうちに……サフル君の子供、産んじゃってもいいから……♪」
「リカ……」
「だから、サフル君……毎日たっぷり交尾しよう……♪ スマイソンさんより……もっと熱心に、交尾しようよ……♪」
「……リカ、お前っ……」
「いやらしくてごめんね……っ……でも、サフル君見てるとね……っ♪」
両手両足で、サフルを包むように抱き締めて。
「そういうの全部、幸せなことに思えてきちゃうのっ……♪」
「……り、リカ……リカ、俺、俺っっ……!」
サフルの興奮は頂点に達し、ゆらゆらと揺れ出した少年の腰は、やがて夢中で快楽を求め始める。
どういう角度で、どういう速度で……そんなことすらわからずにいた少年の小さなストロークは、やがてエルフ少女の体を打ち据えるように加速していく。
まだ初めてだ。男のサフルはともかく、リカはそう簡単に快楽を得られるはずはない。
しかし、少年が自分の肉洞に夢中になる姿は、確実に彼女に精神的な充足を与えている。
まるで最初から……そう、きっとサフルに出会った最初から、こうなるべきだったような。
それを今まで、もったいなくもやり忘れていたような。
そんな錯覚さえ覚えるほどの、過不足のない満足感を覚えながら、サフルの稚拙なピストンをリカは受け入れる。
夕空が紅い。
夏風が涼しい。
ついつい草原で事に及んでしまうのはなぜだろう、とリカはサフルの肩越しに空を見ながら考えて、エルフは屋内に住まわず森を住処とすべし、という、一部の氏族が持つ原理主義を思い出す。
もしかしたら、自分にはそんな血が流れているのかもしれない。外でセックスをすることが自然と思うような、そんな淫らな血が。
……そう自分に結論付けて、サフルの必死な顔を見て受け入れる気になる。
これからも、サフルとずっとセックスをしよう。この小さなパートナーを、自分の膣内でねぶって育てよう。
自分がエルフで彼がドラゴンゆえに、そんな長い時間をかけた楽しみ方ができる。そのことがたまらなく幸せで、心地いい。
そして、サフルは少女の中に子種を撒き散らす。
「うう……う、うああ……っ♪」
こらえ性など何もない。ただただ快楽を貪り、逆らえずに吐き出す。
だが少年のそんな無様な性さえ、愛おしい。
そして濃くて粘っこい少年の精が、直接膣内に打ち込まれる至福。
リカはその感触と、精液にすら宿るサフルの情熱を感じて……ゾクゾクが頂点に達し、完全にイッてしまう。
「んんんっっっ……♪」
劣情と、愛情。
まだまだ互いを深く理解するには種族的に若すぎる二人は、ただそれでも、性の面では深く繋がり、気持ちを共有して。
後日。
「コホン。……少年」
「う、うわあ!? お前服着ろって!!」
エアリにまた出くわしたサフルは、やはりその大迫力の裸体にすぐちんちんが反応してしまうのを恥じ入り、股間を押さえながらも抗議する。
エアリは気にもせず、用件を言う。
「その……お前たちが毎日励んでいる場所だが。あまりにも街に近いので……その。たまに見られているぞ。今度から少し飛んで離れた場所で営んだらどうだ」
「み、見られてるって」
「竜なら気付きそうなものだがな。……例の覗き好きの人間とオーガの二人組だ」
「う、うわあああ」
「さりげなく私が声をかけるとこちらに切り替えてくれるが。……そういつも駆けつけるわけにはいかないのでな」
「お、お世話になってます……」
意外と痴女のお世話になっていたサフルだった。
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