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 卒倒したお袋を馬車に乗せ、その馬車をマイアが掴んでポルカに向けて離陸。
 馬車の中はやはり寒いが、幸いにして防寒用のエルフ布はたくさんある。普通に座る際にはそういうのを被るのはやや煩わしいが、気を失っているお袋にかける分には問題ない。
「エルフ領を使って近道をすれば僅かだが時間の節約になる」
『わかってる』
 アルメイダの言葉に、マイアが答える。
 進路を北よりに変更したようだ。
 来る時はエルフたちに話を回して通してもらうより、普通に飛ぶ方が早く済むということで普通に飛んできた。まあ、その程度の差。
 今は急いでいるし、エルフたちから見ても通す先はポルカだとわかっているから、その僅かな分とはいえ早く帰れるだろう。
 何より子蛇の高空を抜ける頃には日が暮れてしまう。そうなると急に寒くなって、気を失っているお袋には障るかもしれない。
「マリー殿は怒るかな」
「怒るんじゃないか。さすがに」
「……困ったな」
「まあ、怒らせる分はビックリさせてやろう、懐かしいポルカと、ピーター・スマイソンで」
「そうだな」
 ……お袋にとって心臓に悪い事実は、その後だ。

 森へ入る結界封印の解除や、赤の氏族長マルクへの要請というか言い訳など、俺とアルメイダ、および人間体のマイアなど総出で交渉し、なんとかエルフ領を潜り抜ける。
「アイリーナ連れてくればよかった……」
「とはいえ、アイリーナ様とて暇な身ではないだろう」
「わかってるけどね」
 つくづく氏族長としてアイリーナが簡単にこなす交渉が、俺やアルメイダ、マイア単独ではなかなかスムーズにいかないことを実感する。
 まずマイアは、銀の氏族以外にいきなり行くと礼儀の面で渋い顔をされる。まあドラゴンだから突然出るのは怖いってのはわかるんだけど。
 アルメイダは一人で通ったり話をするのは問題ないが、馬車やドラゴンみたいな大物を通してもらうには信用があまりない。……一応は去年(エルフ的にはこの前、というかついさっきにも相当するほど最近)処刑されかかった人物だしね。
 んで、俺は尊敬はされているがあくまで部外者だ。
 結局三人揃って緊急を訴えることでなんとか通してもらった形。これがアイリーナなら顔パスに近い速さなのだろう。
 転移陣も俺たちだけでは起動もできないので赤のエルフに送ってもらい、銀の氏族庄についたら早速飛び出すようにポルカへ。
 慌しい。一応時間は節約できたと思うけど、一時間も縮まったかどうか。

 そして、お袋は男爵邸に運び込む。
 ちょっと迷ったが、俺の家に運んでも今はピーターいないしね。
「アンディ! どうしたのだマリーさんは」
「夜分にごめん男爵。マイアのドラゴン体見たらブッ倒れちゃって」
「……最近は、つい忘れそうになるな。ドラゴンは本当はこの世における至上の力を振るう存在だということを」
「だよね……」
 ヒゲを撫でながら溜め息をつく男爵。
「マリーさんは家の者に任せておけ。アンディはとりあえず……ディアーネ殿や、他の女性たちに声をかけてくるといい。気付けの現場に呼ばれなかったら不平を言うものもいるだろう」
「本当にありがと、男爵」
「なに、お前が私やポルカに与えてくれたものを思えば、この程度の世話は当然だとも」
 男爵は奥方やメイドたちにてきばきと指示を出し、セッティングをしてくれる。

 その間にマイアを自宅と四人娘の家に走らせ、俺は宿屋と「猫屋敷」へ。
「ただいま、っと……シャロン、ナリス、テテス! お袋連れてきたから、男爵の屋敷に行っててくれるか」
「まあ」
「え、私もですか。つか私雌奴隷じゃムゴゴ」
「ナリス。ややこしい弁解は向こうですればいいのよ」
「スマイソン十人長はどうするんですか?」
「一応、マローネも呼ぶ。あと服屋と酒場」
「ああ、キュートちゃんやオレガノさんたちですか」
「酒場も夜で忙しいでしょうけどねえ」
 ナリスが言う通り、ちょっと抜けづらいかもしれないけど……まあその時はマスターの奥さんに頼んでジョニーとキールを徴用してもらおう。

 というわけで、それぞれに飛び回って(アルメイダは男爵の屋敷内にいる面子に説明に回ってもらった)集めた雌奴隷とその他若干名。
 男爵邸組。セレン、アップル、アイリーナ、クリスティ、ジャンヌ、そしてピーター。合計6人。
 マイホーム組。ディアーネさん、ライラ、ヒルダさん、アンゼロス、オーロラ、ルナ。こちらも6人。
 猫屋敷組。マローネ、キュート。2人。
 エルフ四人娘。フェンネル・セボリー・オレガノ・ローリエ。
 さらにガントレットナイツ。シャロン、テテス、ナリスの3人。
 それにアルメイダとマイア、俺を足して……一部屋に24人が固まるとなるとさすがに壮観だった。
「お母様たちは連れてこなくていいの?」
「とりあえずは、縁の深い娘たちの方を覚えてもらう。ディゴ爺さんのとこにいる猫の三人も、厳密には雌奴隷と違うから置いてきてる」
「あの、さっきも言いましたけど私も雌奴隷ではないんですが考慮の外ですかスマイソン十人長」
「ナリスは例外」
「なして!?」
 ナリスがちょっとうるさいが、まあこれで公平。……のはず。
「それじゃ、気付けするわよー☆」
 ヒルダさんがお袋の胸の辺りから鼻の上まで手をかざす。
 軽い魔法光が軌跡を描き、数秒置いてお袋が軽い唸り声とともに目を覚ました。
「ん……んんっ……」
「気がついた、母さん?」
「こ……ここは……アンディ?」
「ポルカのグート男爵の屋敷。若い頃、何度も手伝いに来てただろ」
「……ぽ、ポルカ……? 私は何日寝てたの?」
「……半日も寝てないって。まだ、アルメイダと一緒にフォルクローレで会った日の夜だよ」
 若干混乱しているお袋に、辛抱強く現状を把握させる。
「ドラゴンに運んでもらったんだよ。お袋も、俺も」
「ドラゴン……そういえば、前に会った時もそんなことを言ってたけど……」
「紹介する。俺たちを運んでくれて……今は俺を飼い主だって慕ってくれてる、ブルードラゴンのマイア」
「……よろしく。アンディ様の、お母様」
「……前にもいた……綺麗な女の子じゃない」
「信じがたいかもしれないけど、これがドラゴンの正体なんだ。あと、俺と主従契約結んでて……」
「……アンディ。あんた、まだあの調教とかどうとか……」
 お袋の声が低くなる。
 うん。ごめんなさい。でもマイアとライラに関しては普通の嫁とか恋人とかって説明だけじゃ難しい。
 ……マイアはそんな俺の僅かな逡巡を見て取り、説明を補足する。
「ドラゴン族は、その力を人に与えられる。だけど、振るえる力が大き過ぎるから……相手に、人間の結婚より大きな覚悟と責任と、正義を求める。それをアンディ様は受け入れたの。……伝説のドラゴンライダー。正真正銘の英雄の称号。アンディ様は、だから私の翼を自由に使える。翼だけじゃない、あらゆる意味で私を自由にできるの」
「……アンディ、あんた、こんな小さな子に……」
「もちろん、アンディ様が望めばいつでも、したいだけえっちする」
「アンディ!」
「ちょっ、待って母さん、ドラゴンライダーってそういうもんなんだって!」
 マイアの陰に隠れるようにする俺。
 そこにライラが進み出た。
「ほほ。さよう、ドラゴンの乗り手と我らドラゴンは、主従にして兄弟、親友でも夫婦でも有り得る。あらゆる互助をも内包する、それが例えシモのことでも、のう。……初にお目にかかる。我は砂漠のライラ。アンディ・スマイソンの最初の乗騎、炎の黒き竜」
「……アンディ、この娘さんは?」
「本人の自己紹介通り。マイアよりでかいドラゴン。母さんの四倍生きてる。……あ、マイアも母さんより年上だから」
「……う、ううん……」
 ソファに寝そべりつつも唸るお袋。理解の範疇外ということだろうか。
 まあドラゴンの生態については(多分に風説や誤解があるにせよ)ある程度は理解できたとしても、まさか記憶の中の……女湯覗いてソリで大脱走していたスケベな子供が、大英雄の称号を得て、ドラゴン二匹が堂々とエロしまくってます宣言するなんて、現実感がないんだろう。
 実は俺も英雄とか言われても現実感ないんだけどさ。
「それに」
 マイアが少し困ったように口を開く。
「私のこと小さい子って言ったけど……アンディ様の初子を産んだジャンヌって、もっとちっちゃいよ」
「んだ。……まあ、ドワーフだでな。他の種族よりでっかくなるのも難しいだ」
 ジャンヌがピーターを連れて、お袋の前に進み出た。
「アタシはジャンヌ・クラックス。アンディの最初の子供、ピーター産んだだよ」
「……え」
「これがピーターだ。アタシの血が半分だから、ちょっと成長遅いと思うだよ。でも、気長に……」
「アンディ。……座りなさい」
「はい」
 お袋に床を指差されて素直に座る。
「……い、いくらなんでも本当にちっちゃいじゃないの!! あんた……す、助平なのは諦めるとして、気が多いのも若いんだから大目に見るとしても……なんだい、こんなちっちゃな子に欲情したの!?」
「しました」
 残念ながら反論の余地は全くありません。
「ち、ちっちゃいっつってもアタシ、アンディと同い年だよ!?」
「ドワーフが半掛けなのぐらい、トロット人でもわかってます! でもね、アンディの半掛けといったら13歳じゃないの!? 子供仕込んだのってのその前でしょう!? ああもう、昔はおっぱいにしか興味がない変態親子だと思ってたのにどこで道を間違えたの!?」
 お袋的にはドラゴン二匹より雌奴隷よりそっちがショッキングらしい。
 半泣きで俺を指差して怒った。
「で、でも母さん。ジャンヌは……ちゃんと子供、産んでくれたよ。それは、認めてあげて。ジャンヌがピーターの母親として、立派にやってる……ちゃんとお袋の孫、作ったって」
「…………」
 ピーターはもうおねむの時間。何かと騒ぎに慣れているのか、お袋が騒いでもあまり気にせずにうつらうつらしている。
 そんなピーターを、ジャンヌがそっとお袋に差し出す。
 お袋は複雑そうな顔で、俺とジャンヌ、そしてピーターを見比べて……やがて、手を出す。
 ピーターがお袋の手に委ねられる。
「……ピーター。……あの人の名前、つけたのね」
「うん」
「……こんなに小さい娘さんに子供産ませたなんて、とんでもないことだけど……ドワーフと一緒になって、ピーター・スマイソンが生まれてきたのは……因果、なのかしらねぇ」
 ジャッキーさんと同じ感慨を抱いて、お袋はピーターと見つめあう。
「マリーおばあちゃんよ、ピーター……ああ、ピーター」
 お袋が、最初は優しく……そして、次には感慨深く、その名を呼ぶ。
 ピーターは、知らない、気難しい女性を相手にむずがるかと思えば……何故か、キャッキャと笑い。
「まりい」
 ……俺も初めて聞く、意味のある言葉を発していた。
「!!」
「ピーター!?」
「ジャンヌ!」
「んだ……喋ったの、初めて聞いただ」
 生後半年弱。人間なら、早熟な子なら何か単語を喋ってもおかしくはない時期だ。
 だがその最初が「マリー」だったことに、何か意味を感じたくなる。
 ……親父の何かがピーターに残ったのだと、信じたくなる。
「ピーター……ピーター」
「まりい、アハハハ、まりい」
 それをお袋も感じ取ったのか。
「ピーター。おばあちゃんよ、ピーター!!」
 その瞬間から、堰を切ったように泣き笑いをしながら。
 ピーターを抱き締めた。

 ひとしきり、しんみりとした邂逅を楽しみ。
 また眠ってしまったピーターをジャンヌに預け、お袋は改めてソファに起き上がり、居住まいを正して、部屋に集まった二十人以上の女たちを見回す。
「それで……あなたたちは?」
 その声に対し、いち早く答えようとしたのはディアーネさんだったが……それよりもさらに一瞬早く進み出たのはセレンだった。
「みんな、アンディさんのことが大好きな子たちです。……お久しぶりです。ハーフエルフのセレンです。……ピーター君の次の子が、ここにいます」
「……アンディ」
「うん。正真正銘。俺が孕ませた」
「堂々と……ジャンヌちゃんに悪いと思わなかったのかい?」
 お袋の言い分は、まさにトロットの倫理観であり、俺が本来持ってなきゃいけない価値観だった。
 が。
「ええだよ。セレンとか百人長が先に孕まなかっただけで、アタシが最初だったのはただの運の問題だ。ずっと、アタシの妊娠がわかるまで、十人くらいで仲良くエッチしてただよ」
「アンディ……!」
「事実だけどちょっと待って。そこに至るまでいろんな経緯があるんだ」
「そうなんです。雌奴隷っていう立場を提案したのも、実は私たちなんです」
 セレンの弁護に、他からも一斉に援護射撃がかかる。
「僕もその、雌奴隷って立場に満足っていうか……アンディならそれでいいっていうか!」
「セレスタ的な価値観で言えば、奴隷という言葉が適切かどうかはともかく、多くの妻を同時に持つことは決して有り得ない話ではありませんのよ」
「ほほ。二匹のドラゴンを乗りこなす男ぞ。女を多く捕まえるだけの『格』は、充分じゃと思うが」
「それに、セレンちゃんたちはハーフエルフで……奴隷になってでもいい、妻になれなくてもいいから、大好きな人と離れたくない……っていう強い気持ちがあったのは、わかってあげて欲しいな☆」
「アンディはセレスタ軍にあって、トロット人としての立場を堅持しておりました。……いずれ、トロットなりの身の固め方をせねばならないかもしれない。それでも……と、2人のハーフエルフが互いに幸せになる方法を模索した結果と思ってあげてください」
 アンゼロス、オーロラ、ライラ、ヒルダさん、そしてディアーネさん。
 それぞれ、絶世の美女と呼んで差し支えない女たちが次々に俺と「雌奴隷」という関係を肯定して、お袋は目を白黒させる。
「それに……アンディさんの『雌奴隷』は、ひどいことをする相手というわけじゃなくて……実質的に恋人というか、本当に大事にしてくれる……場合によっては身を危険に晒してでも幸せにしてくれることを躊躇わない、愛情のある関係なんです。だから……アンディさんを、悪く考えないであげてください、お母様」
 アップルが訴えると、お袋はため息をついた。
「どこでどう間違えたのかしらね……」
「……俺は、割と本気で……ここにいる全員を幸せにしたいと思ってる。それに、ここにいるみんなの力を借りなくちゃいけないかもしれないけど……みんなの力があったら、できそうな気がしてるんだ」
「それは男が女を幸せにするっていう、シンプルな話じゃないんじゃないの?」
「だとしても、俺はできると思ってる」
 俺は、そう。
 男としての社会的な「実力」は、多分世間的に見てもかなり低い。
 だけど、俺を好きでいてくれる女たちが、俺の幸せを願い、俺が誰かを幸せにしようとする思いを肯定する限り。
 それを実現できるような、そんな立場にいる。そんな気がしている。
 中途半端なリアリズムなんかでそれを諦めることは、かえって害になる。例え根源がスケベ根性でしかないにしても、俺は我侭なまでに女たちを気持ちよく、幸せにしよう……という生き方こそが正しい。そういう風に思えている。
 それ以上は欲張らないが、それ以下で妥協はしない。
 だから。
「ここにいるのは全部、俺が愛してる女たちで……いずれみんな、俺の子供を産んでくれる女たちだから。母さん、そのつもりで」
「しゃあしゃあととんでもないことを言うわね……二十人以上もいるじゃないの」
「実はまだいる」
 ブレイクコアとか、雌奴隷ではないにしろいつでも子種を受け付けているブルードラゴンや猫たちとか。
「でも、スマイソン十人長ならできちゃいますよ、きっと♪」
「少なくとも私は、アンディの子供……何人も産むつもり」
 テテスとルナが少し楽しそうに宣言。
「わらわはまだ若いからともかく、クリスティあたりはスマイソン殿の生きている間に孕めるかのう」
「アイリーナ? 言っておきますけれど、私はまだ400歳ですからね? あと600年くらいは産めますからね?」
「い、いだただだだだだ、み、耳を引っ張るでない!」
 威厳のかけらもない北の森の権力者たち。
「私たちはなんというか……成り行き任せで♪」
「まあ、ご主人様が留守がちですからねー」
「できれば四人持ち回りで一人ずつ、時期をずらして子供産みたいね」
「……でも多分ご主人様、四人まとめてボテ腹にしたがってるよね」
 フェンネル、セボリー、オレガノ、ローリエ。彼女らは彼女らで全く心配していないというかなんというか。
「アーカス王家の末席、シャロンと申します。レンファンガス王国でブラックアームも務めておりますが……いずれはスマイソンさんの子を産み育てさせていただければと」
「あー、氏族不明のナリスですけど……えーとその……いえ、まあ絶対嫌というわけではないんですよ? ただちょーっとまだ子供持つ現実感がないと言いますかその」
「テテス・マーレイです♪ もう普通に娘だと思ってくださって構いませんから」
 ガントレットナイツは普通に自己紹介してるというか、なんかノリで微妙に想定以上に踏み込んでるというか。
「あの、最近ご主人……アンディさんに歩けなかった怪我を治していただきましてっ」
「ご主人様大好きー♪」
「キュートっ、ちゃんとご挨拶。……砂漠の猫獣人コロニーのマローネ・プラムです。できれば末永く」
「えーと……キュート・ナッツ。目が見えなかったのを助けてもらったんに……です」
「……アンディが、なんで怪我を……? 霊泉かしら?」
「違うにゃー」
「ええと、色々あって……」
 猫の2人はどれだけ俺に助けられたかを説明しようとして、お袋の理解できない領域に苦心している。
「……しかし、本当に壮観だな。アンディ、さっき言ったことは本気だな」
「ディアーネさん」
 さっき言ったこと。
 ……このみんななら、みんなを幸せにできる。俺は、そう信じている。
「その中に……ネイア・グランスは、含まれているんだろう?」
「あいつは雌奴隷じゃないですけどね。……助けたいとは、思ってます。今の俺たちなら、そこに手が届くと」
「それが聞きたかった」
「……俺がアイツを、幸せにしたいと思っていないかもしれない、と?」
「自分の手の内と外を分けて考えていたなら、有り得る。……だが、お前がそう思っているなら、足並みが揃う。お前が努力するなら、みんなが続き、必ず成し遂げられる。……私も、あの娘を助けたかったんだ」
「俺は、可愛くて頑張り屋でフリーの女の子は大好きですよ」
「軽薄ぶるな。……わかっているから」
 ディアーネさんはそう言って、俺の頬にキスをした。

(続く)


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