猫娘リナとユナ。
実は二人一組で覚えているので、どっちがリナでどっちがユナだかちょっと怪しかったりする。
「リナ」
「にゃ?」
とりあえず呼んでみたら虎縞の髪の派手なほうの娘が顔を上げた。
なるほど、髪色が派手なほうがリナで地味なほうがユナか。
「とりあえず、どっか安心してえっちできるところを紹介して欲しい」
俺の真剣な頼みを、残念ながらリナは理解できなかったようだった。
「コロニーの中ならどこも安心できると思うけど?」
「え、えーと、例えばリナんちとか」
「あう……ごめんね、片付いてないから今は……」
片付いてなくてもちっとも構わないというか、ベッドさえ空いてれば問題ないんだけど。
「どこでしたって大丈夫でしょー? どうせ明日の晩にはみんなで仲良くえっちするんだからさー♪」
ユナは楽しそうに言うが。
「そ、それにしたってベッドじゃないと痛いぞ? がしがし動くんだから」
わりと屋外や変なところでセックスするのが得意な俺が言うことじゃないかもしれないが、でもまあ痛いのは大体女の子の方だ。
いやいや。正直それは言い訳。
路地裏とかでいいから、とか言い出されても、今現在そこら中から視線集中してる俺。
これほど注目されている中で、オープンな環境のままヤるのはなかなか恥ずかしいものがある。なんとかベッドのある、できれば周りを気にせずに出来る環境へ連れてってもらわなくては。
……という俺の説得は。
「にゃー……ちょっとなら痛いのも好きかも」
ユナが斜めにズレたことを言い出してあえなく躓いた。
どう説得したものか。
「…………」
悩んでいると、周囲の家や軒下にいる猫獣人たちの視線がますます多くなる。
満月の夜には理性が吹っ飛ぶとはいえ、そうでない日のしかも昼間にはそれなりに普通に生活している彼女らだ。
いきなりえっちするしないの会話を道の真ん中で繰り広げている俺とリナユナをどんな心持ちで見ていることやら。
一応、雌奴隷がどうとかという事情の中心として地元の有名人な俺だが、そこにはちゃんと「セレスタでは複数重婚アリ」「雌奴隷というのは男女関係のネタの一種であって本当に隷属しているわけではない」といった理解があるからこそ、それなりに暖かく受け入れられている部分があるわけで。
本当に何でもアリのアナーキーなスケベ魔神ではないのだということを前提として訴えておきたい。
その上で、知らない人たちの社会において冷たい視線に晒されることはとてもつらいのだということを理解していただきたい。
ちょっとだけ変態なことは認めよう。女好きで欲張りなことも認めよう。
だが開き直って存在自体が猥褻物みたいな扱いを受けたいわけではないのだ。
……などと内心で叫んだところで彼女らには伝わらない。
かといって聞かれもしないのにそんな演説も出来ない。誤解が加速するだけだ。
ああ、なんでドナ婆さんの耳打ちにその気になってノコノコ出てきちゃったりしたんだろう。
なんでっつってもそりゃ明日の晩に少しでも楽をするためなのは最初からわかってるんだけど。
なんでもう少し渋ってドナ婆さんに地域集会を開いてもらい、コロニー全体の理解を得るところまでお膳立てしてもらわなかったのか。
後悔先に立たず。時間が経てば経つだけ撤回がかっこ悪くなり、俺の矜持がへこまされる。
皆さん俺は若干元気なオスとしてドナ婆さんに期待され、けしかけられているだけであり、見た目ほど有害な存在な訳ではないのですよ、そんな警戒した目で見ないで。
「ユナ、おにーさん目移りしてる。気が変わらないうちに」
「うん。はやくやろー、アンマイさんー」
「勝手に名前を短縮しないで!」
俺が思わず二人にツッコミを入れると、にやーっと笑ったリナとユナはその場で帯を解き始めた。
ちょっと待って。ここ一応往来の真ん中。
「脱ぐなって! 恥ずかしくないのか!?」
「え、だって脱ぐと駄目なのってオトコに見られちゃ駄目だからでしょ?」
「ここ、おにーさんしかいないし♪」
「えっちは人に見られながらするもんじゃ……」
「?」
「?」
……よく考えたらこの子ら、女が多数入り乱れる乱交しか知らないんだった。
加えて、男が長いこと定住していないこのコロニー、羞恥心の観念について充分な教育がなされているとは言いがたい状態らしい。
「ううう」
「♪」
「ほらほら、おにーさんも早く脱いで」
俺が説得の言葉に窮していると見る見るうちに貫頭衣を脱いで裸になってしまった二人が、俺の服を脱がしにかかってしまう。
一応ベルトのバックルを掴んで抵抗してみるものの、あんまり無言で抵抗していては彼女らに不審がらせるだけになる。
結局下半身脱がされてしまった。
「違う……違うんだ皆さん、俺は怪しいものではない……」
目をつぶって言い訳する俺。
とはいえ、この昼下がり、目の前にまだ歳若い全裸の猫娘ふたりが無邪気にちんこ求めて跪いている状況では縮こまっていられないわけで。
「おー」
「やる気満々だー」
自分の正直さが憎い。
周囲の猫獣人たちの表情をちらちら盗み見る。
戸惑った顔をするもの、無表情で凝視するもの、明らかに何か期待してるもの。
思ったほど嫌悪に満ちた視線ではないが、しかし家々の立ち並ぶ道の真ん中で、いきなり娘っ子たちと丸出し同士というのは大変奇怪な光景であることは疑いない。
俺は意を決した。
「全てドナ婆さんの指示だから! あんまり俺のことを悪く思わないで欲しい!」
自分への言い訳完了。
「リナ、四つんばい!」
「にゃ?」
「お尻をこっちに突き出せ! 今すぐマンコに流し込んでやる! この真っ昼間の通りの真ん中で、みんなの前で子供孕ませてやる!」
「にゃ……そ、そういわれると、なんかすごく……♪」
リナが頬を染め、少し陶酔した顔をしながら、砂埃に目を埋められた日干し煉瓦の通りの中央でお尻を突き上げる。
「私はー?」
「こっちに立て、リナ犯してる間はお前のおっぱい吸いながらマンコいじってやる」
「にゃ……♪」
虎縞の尻尾を横に払い、リナの少しだけ潤ったマンコに亀頭を埋める。
「にゃあっ……」
まだ濡れの足りない猫獣人少女の膣は、俺を深く咥え込むには至らない。
だが、さんさんと降り注ぐオアシスの太陽の下、全裸の猫獣人のお尻を鷲づかみにした俺は急ぐことなく腰を揺らす。
昼間とはいえ月の影響はある。ノリノリの彼女が愛液を多量に分泌するのはそれほど遠い話ではない。
それと平行して、片腕にユナの素肌を抱き、締まった綺麗な背筋から尻尾の付け根を撫でる。
若さ溢れる張りの強い尻を手のひら全体でさすってから、その尻たぶに手首を押し付けるように、腰の裏からマンコに指を這い寄らせる。
「にゃ……え、えっちな手つき……♪」
「えっちしてるんだからな。お前らの頭がエロでパンクするほどセクハラしてやる」
「にゃああっ……♪」
ユナの二つの乳首にキス。高い太陽がその肌にハイコントラストを作る。
腰の動きはだんだんと振りを大きくして、ついにリナの膣奥に亀頭が到達。
「にゃあっ……お、おくまで入ってるっ……♪」
「そうだ。おまんこの奥だ。みんなの見てる前で俺のザーメン流し込むからな。しっかりマンコ締めて妊娠しろよ」
「にゃっ……だ、だからそんな言い方したら……」
「どうだ?」
「ゾクゾクしちゃうにゃっ……♪」
うっとりするリナ。
その尻に、俺は本格的に腰を打ち付け始める。
「にゃっ……あふ、あ、あっ……にゃあっ」
「ユナ、おっぱいもっと突き出せ。俺に吸わせろ」
「お、おにーさん、赤ちゃんみたい……」
「本物の赤ちゃん孕むまではこれは俺のおっぱいだ。リナの後で同じように真昼の種付けショーしてやるからな」
「な、なんかすっごく……にゃあ、お尻もおマンコも、触る手つきがやらしいっ……♪」
「いいことを教えてやる。俺はおっぱいとお尻とマンコが大好きなんだ」
「……すけべなおにーさんだにゃっ……♪」
ちゅうう、と乳首をすいながら尻を揉みしだく俺の頭を両手できゅっと抱くユナ。
一方のリナは尻尾をぶんぶん振りながら腰を俺と打ち付けあい、まさに雌猫そのものといった感じににゃーにゃー鳴きながら愛液をしぶかせる。
青い空。
緑の椰子の葉、白い岩山、日干し煉瓦に漆喰の白い家々。
そこかしこから猫獣人たちの覗く目を感じつつ、俺は双子の猫獣人娘の裸体を全力で堪能し。
「リナっ」
「にゃうっ……」
「孕めよっ!!」
「にゃ、ああーっ♪」
その膣奥に遠慮なく射精する。
孕ますためだけのセックスだ。我慢なんかしない。確認もしない。ただただ、この多分成長しきってもいない娘のマンコに精液をびゅるびゅる吐きつける。
……意外と一杯出た。
「肝焼きのおかげかな……ちょっと普段より多いかも」
「にゃ……」
射精直後の甘い痺れに頭をやられつつも、リナからちんこを引き抜く。力の抜けた腰からどろりと精液が垂れる。
「ほら、次の主役はお前だ、ユナ」
「にゃ……ね、ねえ、おにーさん」
ユナはふにゃっと路上に倒れたリナの隣で四つんばいになり、心持ち脚を開いてクイッと腰を突き出しながら、俺に期待した視線を送る。
「尻尾、掴んでガシガシ犯して……♪」
「痛いだろ」
「痛いけど、そういう乱暴なの、ちょっと好き……」
「淫乱猫が」
俺は言う通りにユナの尻尾を掴み、手綱代わりにして最初から全開で腰を振る。
「にゃあああっ……い、いい、おにーさんのっ……おにーさんのちんぽ、好きぃっ!!」
「変態猫がっ! お前もみんなの見てる前で白昼堂々孕んじまえ!!」
「にゃっ……にゃう、にゃううっ♪」
どっちも発情猫のように。
俺とユナは乱暴に腰を打ち付けあう。
パンッ、パンッ、パンッ、と、抜けるような青空に腰を打ち付けあう音が消えていく。
そして、灰色の髪の猫娘の尻尾をひときわ強く引き。
「いくぞ、受け取れっ!!」
「にゃあああっ♪」
俺は、その膣の奥底にも射精を開始する。
二人ともルナよりも少し幼い猫少女。その両方に俺は黒い影と白い種を落とし。
「にゃは、あ……」
「どうだっ……」
「えへ……気持ち、よかったぁ……」
たっぷり白濁を子宮で吸ったユナが、とろけた笑みを浮かべる。
「……でも、孕まない方が本当はいいかなぁ……」
「お前、俺の存在を冒涜するようなことを」
「えへへ……でも、また、おにーさんとこんな風にえっちしたい……もっと何度も……」
ちょっと可愛いことを言うユナの頭を、照れ隠しに乱暴に撫でてしまう。
「孕んでも俺はヤリたくなったらヤる男だぞ」
「……じゃあ、妊娠してもいいかな……♪」
……などと、彼女に覆いかぶさったまま余韻を楽しんでいると。
「あの、私も……」
「……み、みんなの見てる前で種付け……して、ほしいです……♪」
何人かの猫獣人が、俺たちのすぐ傍によってきて、帯を緩め始めていた。
月の影響は強い。敏感な娘は見物しているうちに発情が伝染してしまったのだろう。
「……最初に言っておくぞ」
俺は顔だけ上げて、顔だけはキリッとしたつもりで、宣言した。
「俺はドナ婆さんに言われてやってるんだからな? 変態扱いはやめてくれよな?」
体の下に、マンコから精液を垂らす全裸の猫少女二人を組み敷きつつ。
……頷いては貰ったけど説得力は皆無だったと断言できよう。
「んで、夕方までに6人処理……と。やるじゃないかい。まさかあんなところでヤリ始めるとはババも思わなかったけどさ」
「俺も思いませんでした」
オアシスのほとりで、篝火に照らされつつの夕食。
ライラに鍋から角煮をよそってやりつつ、ドナ婆さんが俺を褒める。
「ついでに夜も適当に夜這いしてきたらいいさ。明日よりはみんな大人しいよ、多分」
「はぁ……」
肝焼きを貪りつつ曖昧に頷く。ライラたちが捕ってきたヘルズボアのものだ。俺はここでは肝しか食わせてもらえないかもしれない。
……そして。
「うぅ……」
「ま、まあ気にするなよナリス。次はドワーフコロニー行くから、直してもらえると思うから」
ナリスはクラッシュハーケンを壊して落ち込んでいた。
……俺はナリスを励ましつつも、その破片を見た瞬間からドキドキが止まらない。
俺のミスだ。
刻紋に頼りすぎた。攻撃方向への衝撃だけしか考慮せずに刻んだせいで、咄嗟の防御行為、つまり意図していない方向からの衝撃にすこぶる弱くなっていた。
机上の空論で作った俺の落ち度だ。俺はまだ鍛冶屋としてなっちゃいないんだ。
……改良しなきゃならないな。
(続く)
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