バイクで事故を起こした。
もう過ぎたことだ。
過ぎたことだがそれはとても悲しい出来事である。
「ううぅ……俺の……俺の松風(愛称)……っ!」
どうせ全自動でスクラップ置き場に持ってかれて雨風にさらされていることだろうが、もはや別れを待つほかないであろう年来の相棒を思って涙することぐらいは人として当然だろう。
仕事も欠勤が続き、連絡手段がないことから(驚いたことに院内に公衆電話もない)もはや職場復帰は絶望的と思われる。そのことについても日に一度程度涙してしまうのも致し方あるまい。
あと単純に力が入ってはいけない場所に力を入れてしまって個人的にカタストロフを迎えてしまうこともあってそれで涙が出ることもある。
つまるところ俺の入院生活はすべからく涙に彩られており、大体ナースが巡回に来たとしても俺は高確率で涙を流している。
「おはようございまーす。あ、泣き虫君ちゃんと起きてるんですねー。えらいえらい」
「泣き虫君と呼ぶな小学生!」
「小学生じゃありませんー。もうっ」
まあそういうわけで俺はもはやコードネーム「泣き虫君」で定着したらしい。
巡回に来た浅黒い肌のナース(どう見ても小学生、頑張って譲歩しても中学一年生)ににこやかにその名で呼ばれることから俺の朝は始まる。
「はい、それじゃ下脱がしますよー」
「おいちょっと待て」
そして彼女は性的なことに関して妙に熟練度が高い。
抵抗……とはいっても全身の関節という関節に多少の差はあれど痛みが走る状態なのでロクなことはできないのだが、わずかな抵抗をする間もなく下半身が露出させられ尿瓶が当てられ、
「さあどうぞ」
「で、できるか!」
「え、そう簡単に人前で体液出せる気分にならない? もう、しょうがないですねー♪」
「何故俺の心理を勝手に代弁しつつそんなに嬉しそうなんだ!」
「わかってますよー。もう泣き虫君はシャイですねー♪ 大丈夫、看護婦さんは患者さんの恥ずかしいシーンなんてあらかた見慣れてるものなんですから遠慮なしに出しちゃいましょ♪ あむ」
「だから放尿は百歩譲ってアリだとしても性器をそんなにして尿が出るわけ……ぐぅぅっ!!」
幼いナースの、朝勃ちに対する容赦なきバキュームフェラ。
口自体は小さいのにその技巧には目を見張るものがあり、激しくありながらたおやかな手で撫でられるかのような繊細さを併せ持ち、オナニーとは別次元の快楽を起き抜けの俺に味あわせてくる。
恥ずかしながら童貞、しかもオナニーに道具などネットで見た片栗粉Xに初挑戦して失敗して火傷して以来使ったこともない俺にとって、彼女のスペシャルなフェラチオはさながら某ストームブリンガーの如く抵抗を許されないまま吸い削られていく感覚。
ぶっちゃけ意識が持っていかれそうなほど気持ちいい。
が、男性は完全に勃起している時にあまり尿が出るようには出来ていない。
「こ、これで、尿が出るわけねえだろっ……!!」
「ぢゅぶっ……ん、んふっ。またまたー。遠慮なく出していいんですよー♪」
無茶を言う。
意外と男性の生理について熟知していないのか。
はたまた……わかっていて、採尿など口実にしか思っていないのか。
どちらでも有り得るから怖いところだ。
そして俺は大した我慢も反論もできず、彼女の濃厚で過激で繊細なフェラチオにプライドを刈り取られ、恥も外聞もなくあっさりと射精してしまう。
「うぐ、あ、ああっ……!!」
「んー……♪ ……んく、んくっ……えへへ。ごちそうさまでした」
「っ、は、はあ、はあ、はぁっ……ご、ご馳走様、じゃないだろ君はっ!」
「はっ。そうでした。おしっこおしっこ……って、ああっ! フェラから直飲みしたら『排泄を見せて度胸付け』にならないですよね!」
「色んな意味で君の考え方に抗議せざるを得ない!」
「すみませーん。じゃあ改めて……次はぶっかけでお願いしまーす♪ あむ」
「違うー!!」
わざとやってるんだろうか。天然なんだろうか。
今ひとつはっきりしないが、とにかく毎朝こんな幼い少女になんだかんだと二本も三本もご馳走様されるのは非常に体裁が悪い。
断言するが俺は善良で性的にノーマルな小市民なのだ。
それなのにこれは傍から見たら立派な性犯罪者ではないか。
俺はまだ正常な世界で潔白に生きていきたいのだ。
「先生。娘さんのことですが」
「ん、何? 飽きた?」
「相変わらず親の言い草とは思えませんがとにかく性的行為をやめさせていただきたい」
「よーするに飽きたの? やっぱりフェラばっかって見た目に楽しくないよねーマニアさん以外には。で、次は先生でいよいよ本番いきたいって? もー、駄目よこれでも一応旦那に操立ててたような立ててないような。ごめん離婚したからやっぱそうでもない。うんそれに泣き虫君の童貞も一生の思い出だし無視は出来ないねー。うん。保険適用で1500円、いや倍率ドンで800円でいいよ?」
「いいから俺の要求を聞いてくれ変態」
「800円でも駄目? 先生とのめくるめく初体験がエロマンガ一冊より安いのに?」
ちょっと心揺れる俺。
この女医は小学生の娘がいるとは思えないピチピチの素晴らしいボディを誇っている。スリット深めのスカートに若干ボタン外しすぎのブラウスも実に蠱惑的。
いやいやいや。
「別に娘さんに飽きたとかそういう話ではありません。もうこの際だからストレートに言わせていただきますと毎朝小学生にフェラで起こされるとかそういうのは一般常識的におかしいのです」
「小学生じゃないわよあの子ー。っていうかアタシら日本国民じゃないから学校とか行かせてないし?」
「どういうことだ!」
さすがにその理屈は予想外だ。
「まあ細かいことはいいじゃないの。それで結局どうなのよ。フェラがヤなの? ウチの子がヤなの?」
「質問の仕方に何か含みを感じなくもありませんがとにかく朝フェラチオで起こすような真似は慎んでいただきたいと娘さんに厳重注意を」
「りょーかい。そんじゃとりあえずレントゲンからねー。いくわよエルフアイ。よし見えた」
「せめて放射線管理区域に連れて行ってビーとかやってくれないと不安です」
「いちいちめんどい子ねー」
俺は間違っていない。間違っていないと信じたい。
夜。
「うう……俺の、俺の黒王号(別称)……ごめんな、ごめんな……」
癒しきれない心の傷を舐め続けている俺の元に、ナースが回診にやってきた。
「こーんばーんわー。あ、また泣いてるー」
「男には陰で涙すべき夜もあるんだ! ほっといてください」
最近毎晩だが。しかし俺のガラスのハートは相棒と駆け巡った日々を思い出すと疼き続けるのだ。
いつか思い出になるまでそっとして置いて欲しい。
「ところで泣き虫君。先生に朝フェラやめさせてとか言いつけたって本当ですかー?」
「本当です。というか君は若いんだからそんなにちんちんに積極的に手を出すのとかやめなさい。そんなのは爛れたエマニエル夫人のすることだ」
「むー」
可愛く膨れて見せたって駄目です。
「……わかりましたー。フェラはやめます」
しばらく膨れたまま俺と見詰め合い、ようやく納得したのか彼女は溜め息混じりにそう言って降参する。
そうだそれでいいんだ。
えっちなことは大きくなってから。互いに自由な身の上で選択的に合意を取りつつ行うべきなんだ。
……ち、ちょっと勿体無かったかなーなんて思ってはいない。俺は常識人だ。
と考えているともぞもぞとズボンのゴムを引っ張られる気配。
「何をしているんだ君は」
「フェラしてあげません」
「それは実に倫理的かつ常識的判断だが何故ズボンを引っ張る」
「フェラだけはしてあげません」
話が通じていない気がする。
が、やはり全身があまり動かせない俺は抵抗できるわけもなく、ずるりと手際よくズボンとパンツが下ろされる。
そして露出したちんこ(若干すけべな話題だったので半勃ち)を彼女は不機嫌そうな目で見つめると、ぷちぷちとナース服を脱ぎだした。
「ちょっと待て」
「フェラじゃないですから期待しないで下さい」
「確かにフェラチオに全裸である必要はないだろうが何かとてもコロンブスの卵的な困った飛躍の予感!」
「もー絶対しゃぶってあげませんからね?」
君は会話してくれる気はないのか。
彼女は下着もぽいっと脱ぎ捨て、俺の上にまたがる。
そして毛の生えていない可憐な陰部で、俺の男根の裏筋の上からのしかかり、ぐりぐりと腰を回し始めた。
「ん……しょ、ん……しょっ。……ふふっ、随分物欲しそうな顔してますねー、泣き虫君のおちんちん」
「ま、待て……そんなことされたら誰だって……」
幼く健康的な身体がちんこを弄ぶようにくねくねと動き、追い立てる、卑猥過ぎる感触と光景。
決して性的不能でも男色趣味でもない、ノーマルで常識的な俺を勃起させていくには充分な刺激である。
みるみるうちに大きくなった俺の怒張を見て、ナースはぺろっと舌なめずりし、そこにうずくまろうとしてヒクッと動きを止める。
そして。
「絶対舐めてあげませんから」
「それはもうわかったと……」
「……だから泣き虫君は今日からこっちだけです」
彼女は勃起した男根をむんずと掴むと、いきなり自分の性器に無造作に押し付ける。
そして、あっと叫ぶ間もなく、みちりと自分で処女膜に差し込ませていた。
「っっっ────!!」
「な、ちょっ……!!」
「先生も……先輩も、せっくすよりフェラの方が気持ちよくしてあげられるよって言ってたのに……泣き虫君が自分で拒絶したんですからね……!!」
何度も言うが俺は動こうにも動けない。
彼女が自力ではやにえになるのを物理的に止める手段がない。
そして……何より、その膣の熱く強烈な感触に翻弄されている。
熱い。
狭い。
キツい。
そして、いやらしくて気持ちいい。
この少女の細い胎に自分の男根が押し入っている。
自分をザマミロと見下しながら、涙を浮かべてぎこちなく腰を振っているこの少女と、繋がっている。
出入りする度に重く絡みつく感覚が前立腺に負担をかけ、確かにフェラのように無条件の快楽とはいかない。だがそれを補って余りある、この圧倒的な一体感、征服感、達成感。
俺はこの子の一番大事なところに入り込んでいる、と思うだけで普段に倍するほど脳が痺れる。
あんなに気軽に、濃厚なフェラをしてきた少女にしては意外だったが、その股間からは処女の血が流れ落ちる。突き破ったような感触からも、この娘がセックスに関しては経験がないことがわかる。
俺は自分が常識的で倫理的であるという自負をついに捨て、快楽に身を任せて喘ぎ声を上げた。
「うぐ……く、はぁっ……!!」
「ん……ふ、ふふふ、いーですよー……出しちゃっていいですよー。ここは病院だから万全ですっ。中で、いくらでも……どうぞ……♪」
がくっがくっと決して上手くはいかない、素人丸出し、痛み丸出しの騎乗位。
その刺激に完全に受け身になり、俺は彼女を押しのけることをやめ、むしろ伸ばされた手を握り返しながら快楽に沈む。
そして。
「……ん、くっ……あ、あははっ……出しちゃいましたねー。……は、はは、結構大変でしょ。フェラの方が手軽でいいでしょう? でももうしてあげませんから」
彼女が勝ち誇りながら腰を揺する中に、注ぎこんでいた。
絶対に何かズレている。
それだけは間違いないのに、俺はそんな指摘をすることすら思い浮かばず。
眠りの淵に、沈む。
「ヘイおはよー泣き虫君、先生の回診だぞー……って」
「お、おはようございます……」
「おはよー先生……ちょっと待ってね♪」
彼女は翌日から、毎朝尿瓶を片手に俺の上で腰を振るのが日課になった。
「……あーあ。朝から何回してんのよ。もうすぐお昼よ?」
「は、ははは……はぁ」
「だって泣き虫君がなかなか萎えないから……ぅんっ♪」
※今出ました。合計七発目。
「はぁ、童貞アタシが狙ってたのに……」
「その前に親として何か言うことがあるだろう」
この人たちは本当に親子なんだろうか、と、包帯まみれの我が身の上で躍る美しい裸体の少女と、眼鏡に煙草のお色気女医を見比べる。
……最近は涙に回す水分も尽きてきました。
「まだいけますよね、泣き虫君♪」
「……はい」
俺は抵抗を諦めていた。さすがにもう一日の半分以上、まさに「献身的介護」してくれる彼女をむげにする反抗心は残っていない。
というか最近夜から朝までずっといるんですけどこの子。
「……あの子がこれ見て変な気起こさなきゃいいんだけどねぇ……」
ぼそりと呟いた女医の言葉は、長い耳を立てて再び元気に動き始めた少女の股間から響く水音にかき消されていた。
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