オーロラたちが温泉に出て行ってしまい、俺も出ようかどうしようか悩んだ末に、まあ汚れたことだし、と俺も温泉に行くことにする。
 とはいえ、まだそれほど夜も深くない。温泉もまだ篝火が落とされておらず、ちらほらと入浴者がいるので女の子たちと一緒に入るというわけにもいかない。
 仕方なく、ちょっと離れた女湯から明るい声が聞こえてくるのを聞きつつ、一人寂しく男湯に入る。

 男湯は俺の他にはじーさんが一人と子供が二人。
 子供たちは手で水鉄砲作ってお湯の飛ばしあいなんかしてたが、基本的にはガランとして静かなものだった。
「ふぅ」
 物寂しい。
 まあ、それでも霊泉はありがたいものだ。どれだけ激しく運動しても、こうして30分も湯に浸かっておけば、明日にはまず筋肉痛や関節痛は起こらない。
「明日は何するかな……」
 俺の足の傷痕は、ヒルダさんの見立てでは数日以内に綺麗さっぱり消滅するらしい。
 そうなったら、どうするか。
 ライラの翼があるから、ポルカは休暇終了の2、3日前に出ればいい。それまでずっとゆっくりしていくのもアリといえばアリ。
 アンゼロスたちもボナパルト卿から学びたいことは少なくないだろう。
 でも、早めに隊舎に戻れば宿代は節約できる。
 宿だってタダじゃない。ディアーネさんの貯金と、アンゼロスが実家を出るときに無理に持たされた金で払っているらしいけど、いくら人の金だからって無駄遣いさせるのは気が引ける。
 まあ、シュランツや王都の宿に比べればポルカの宿賃なんて食事代のようなものだけど。でもなあ。
 ……上がったら、日程もきちんと相談しよう。
 その上で明日も有意義に過ごそう。
「ほ。考え事かえ」
 そこに、露出狂ドラゴンが堂々と現れた。
 ……ああ、子供たちがいきなり現れた超絶ボディーにすっかり釘付け。右のお前鼻血出てるぞ。
「ライラ……せめてこっちに来る時は薄布くらい着ろ」
「ほほ。見たければ見せてやればよい。恥じるような体をしている覚えはない」
「公序良俗という観念が人間社会にはあってな」
 言い募ろうとしたら、いつの間にか隣に来ていた爺さん(確か靴屋のハリーさん)が俺の肩を叩き、首を振る。
「……良いのじゃ」
 何が。
「ほ。良いらしいぞ」
 何が。
「いいって言ってるんだから気にするな」
 誰。
 ……って、ライラの後ろからこれまた堂々とちちしりふともも晒したスレンダー美少女、というかマイア登場。
「お前らなんでこっちにいるの」
「ほ、言わずと知れた事」
「お前がこっちにいるからだ」
 ライラは変態だからともかく、ドラゴン族って基本的に羞恥心薄いのか……?


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