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 フェイザーは森に追い返し、俺たちはライラの背に乗って宿に戻る。
「……まさか、あんな形に解決させるなんてな」
 アンゼロスが苦々しい顔をする。
「ほほ、さすがは我が飼い主。奴とて、もう手は出せまいて」
 ちびライラが愉快そうに笑った。

 マイアは竜の掟に殉じる気満々。フェイザーは今にも新しい武器を手にしたら襲い掛かってくるような思考停止馬鹿だ。
 既に二人は乖離している。
 じゃあマイアを、竜の掟に従って、いつでも殺せると脅してこちらの陣に引き込んだら?
 ……うん。最高の答えだ。
 マイアを殺してまで俺たちを排撃することはできまい。
 マイアもライラから逃げることはないだろう。
 そしてマイアに、今のトロットやセレスタ、外の世界が竜を殺す気なんてないって事を理解してもらえば、話はもっと早くなる。
 ドラゴンパレスを守る為に森を閉じ続けようという彼らの言い分は、そこで潰えることにもなるのだ。
「はっはっはっ、青年、さすがは竜に認められるだけはある。器が広いな」
「いやー……まあ、これ以上無駄な人死になんて見たくないだけですよ」
 ボナパルト卿……いや旅のおっさんにも褒められていい気になる俺。

 ……ああ、そうだ。
 人死になんて、もういい。
 ポルカはもっと優しい場所であって欲しいんだ。
 傷ついた人を迎えてくれる、癒しと安らぎの里であって欲しい。
 俺の故郷は、そうあって欲しい。


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